【開催レポート】『週刊プレイボーイ』元副編集長の過去、現在、未来を聞いてみよう!(サードプレイス・ラボ 第33回)

『週刊プレイボーイ』(集英社)という雑誌が大好きで、就職先に選んだ男、東田健さん。

そんな東田さんを自分の主宰するイベント、サードプレイス・ラボにお呼びして、話を聞く機会を作ってみました。

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島地勝彦さんに憧れて『週刊プレイボーイ』を作りたかった

東田健さんのプロフィールとしては以下の通りになります。

1967年、熊本県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、1991年、集英社に入社。同年創刊の月2回刊誌『Bart』に配属後、1995年、入社の目的である『週刊プレイボーイ』に異動。以後、活版斑(記事ページ。グラビアではない方)で「自動車・F1・レース」「地震・噴火・水害等の災害もの」「国際政治・テロ」「交通取締り・反権力的記事」などを主に担当。2008~2010年まで単行本を作りつつ週プレの編集も行ない、2010年より3年半、活版の副編集長を務める。その後、後輩に副編集長を託し、現場に復帰。2016年に新書編集部に異動し、現在にいたる。

なぜ、出版社に就職したのかといえば、他の業界に興味を持てず、自分が読んでいた『週刊プレイボーイ』を作る仕事をやりたいと考えていた東田さん。

「(週刊プレイボーイは)自分の考えていることと一緒だったから」

雑誌の面白さは、当時の編集長、島地勝彦さんにあるので、一緒に仕事をしてみたいという欲求があり、集英社を第一志望にした理由だと正直に教えてくれました。

この島地さんは、『週刊プレイボーイ』を100万部雑誌に育て上げた人物。

実際に、島地さんから仕事を覚えた東田さん。

「島地さんは、人をやる気にさせるのがうまい」

と懐かしそうに語り、雑誌に主張と熱があった時代のことを語ってくれました。

「世の中に波紋を起こしてこそ、面白い。」

『週刊プレイボーイ』の編集者の1人から、副編集長に役割を変えながらも、長年、作り上げてきた実績は、断片を聞けるだけでも興味深いものでした。

『週刊プレイボーイ』編集時代に大切にしていたこと

当時、東田さんが大事にしていたことは、自分が目にしたものしか伝えないということ。

問題のありそうな現場に足を運び、自分たちの目線で切り取って伝える。

結果として、相手を怒らせて出禁になることもあったという話。

ストレートにぶつかり、その内容を雑誌に取り上げる。

2000年代以降、リスクを考えて、チャレンジをしなくなる雑誌が増えていくことで、つまらなくなってしまったと残念そうな表情で語られていました。

私たちが、雑誌を読まなくなったのは、インターネットという新しい媒体にマーケットを奪われてしまったのかもしれません。

そこには、雑誌の強みや個性が弱まったという部分も見逃せないのだと理解できました。

新書の編集者として、どんな著者と仕事がしたいのか?

現在、新書の編集担当をされている東田さんに、どんな著者と仕事をしたいか?新しい著者の見つけ方について聞いてみました。

「僕が思うことと同じように考えるような人を著書として一緒に仕事をするのが好き。本人の知らない部分、面白いモノを引っ張り出すために、直感を大事にしてます。」

インターネット上の情報だけではなく、気になる人、イベントがあれば足を運ぶ東田さん。

遠回りかもしれませんが、嗅覚を信じて、リアルな現場、人を大切にしているのは、『週刊プレイボーイ』の時と変わらない。

自分の企画が通らずに、他の出版社から著者デビューされても構わないと、こっそりと話す。

伝えなきゃいけないと思うものが世に出ていくなら、自分が100%関わらなくても良いというスタンスに、自信と我欲のなさを感じました。

編集者の先にやりたいことは

東田さんは、今後、編集の仕事だけにこだわっているわけではありません。

教育と共感をキーワードにして、何かをやっていきたいと考えていらっしゃいます。

子供の教育の前に、大人の教育を。

お金と数字などシステムに縛られている社会を変えるには、共感がキーになる。

現時点では模索中と言いつつも、目指すものについて真摯に語る姿は、編集者が、世の中で自分が何を担えるのかに向き合っていることが伝わってきました。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。