フジテレビアナウンサーによる出前授業「あなせん」は子どもへの影響だけじゃない!

テレビよりもYoutube、ゲーム、LINE、という子どもたちが増えているのは肌感覚と間違っていません。

実際に、「テレビっ子」な期間を経て、大人になった私からすると、全く見ていないに等しい。

昔ほど、面白い番組がないなど理由を挙げればきりがないですが、今、テレビ局側も、アナウンサーの出前授業という形で、新しい触れ合い方を見出しています。

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子どもの学校に「あなせん」が来て、大興奮して帰って来た。

「今日ねー、藤村さおりさんが学校に来たんだよー。あなせんだったんだ、すごいでしょ。」

大興奮して報告してくる我が子に対して、「フジムラサオリ」という人物が頭に浮かばず、脳内検索をしばらく行ってみました。

藤村さおりさんとは、フジテレビの中堅女子アナウンサーだと気が付いたのは、スマホで検索してヒットするまで、気がつきませんでした。(年のせいで忘れっぽいとは認めたくありません!)

次に、不明なフレーズが「あなせん」

わからなければ、人に聞くか、グーグル先生に聞きます。

あなせんとは、フジテレビの “アナウンサー先生(あなせん)” が言葉の授業を行う、
社会貢献活動です。

スタートしたのは、2005年9月。
東京都品川区・港区の小学校を中心に、「言葉で伝えるって楽しい!」と体感できるよう、
発声法から早口言葉、ニュースやお天気原稿の読み方、スポーツ実況、スピーチ、など、
多岐にわたるプログラムを提供してまいりました。

あなせんとは:https://www.fujitv.co.jp/csr/anasen/anasen.html  より

フジテレビのCSR活動として、2005年10月~2019年3月まで、225校 約17,000人(2019年3月末現在)に学校にアナウンサーが訪問して行った出前授業とのこと。

もう15年近くやっている活動なのに、自分が知らなかったのは、テレビ局のCSR活動に関心が持てなかったことと、身近に「あなせん」を受けた子どもがいなかったのが理由です。

子どもたちのコミュニケーション能力を高めるヒントに!

女子アナウンサーが花形職業なのは、少し前のことになります。

ものすごい倍率を突破して入社して、教養ある芸能人としてテレビに出る綺麗な女性。

注目されて、楽しそうな仕事と思われていたのは、子どもたちがテレビ番組に触れる時間が長かった時代の話。

子どもたちは、アナウンサーよりもYoutuberやゲーム実況などの新しくて、目立つ面白い職業に興味を示しているのだから、時代の移り変わりを感じます。

「あなせん」は、フジテレビのCSR活動の一環として、ターゲットは小学校3年生〜6年生向けの出前授業を募集して展開しています。(2019年度は募集枠締め切り済み)

対応エリアは、1都6県(首都圏)になり、当日の様子は、写真や映像として記録に残しています。

テキストを見てみるとわかりますが、早口言葉、言葉づかいなど、伝えるコミュニケーション力の基礎を学べるものが並んでいます。

アナウンサーが入社前、入社直後に徹底的に磨かれる、正しくて、聞き取りやすい言葉づかいを学んでるのは有名な話。

その技と基礎を短時間で体験できるなんて、幸せな授業なのは間違いありません。

自分も受けてみたかった、子どもの頃に・・・。

そんな気持ちに駆られます。

参加した子ども全員が楽しめたのか、アナウンサーという存在の価値はどこまで理解できるのかは微妙ですが、楽しそうに話をしてくれた、我が子の様子からするに、意外性のある体験だったことは間違いありません。

CSR活動として出前授業は、学校や子どもへの影響もあるけど、出向くプロにも刺激を与える

ただ、日頃、学校にいない人が訪れて、颯爽とした雰囲気で、自分たちのプロの要素を教えるという出前授業系のコンテンツをCSRとして取り組む企業は増えています。

自社のファンを増やすとか、社会貢献活動として、という対外的な目的もさることながら、今回の藤村さおりさんのように現場のアナウンサーが、日頃のスキルをベースにしながら、子どもたちとコミュニケーションを図るという点に意味があるはずなのです。

学校という環境は、元々、教員・教師(用務員や給食を作る方も含むレギュラーな方々)と子どもたちの世界であって、PTAや地域の方などが一部支えるのが普通です。

ここに、企業側の人間や特別な内容を伝えられる専門家・プロ(本人たちの自覚は別問題)が現れて、話をするというのは、刺激は抜群なのは当たり前。

子どもたちは、ワクワクするのは当然です。社会科見学に訪問するのではなく、相手が目の前にやって来てくれるのだから、なおさら楽だし、日頃とは違うだけに面白い。

一方、出前授業などの活動で学校に赴く側の大人たちはどうなのでしょうか。

実は、この企業に勤める、もしくは、事業をしている側の立場の大人たちも、日頃、学校に訪れる機会は限られています。

母校に訪問するなんて、特別な場面でしか考えられませんし、子どもの親として運動会などのイベントに参加する際は、完全に我が子の成長を見るのに必死なので、余計なことは考えていないでしょう。

自分の仕事や事業、専門性をどうやって、子どもたちにわかりやすく伝えられるのか。

興味を持ってもらえる内容に仕上げるのか。

実は、誰でもできるようで、そんなに簡単ではないのが出前授業だと思われます。

コンテンツ作りが必要であり、誰がどんな風にプレゼン・授業をするのかを考えなければいけません。

日頃、営業や会議で発言するようなアプローチとは全く異なるため、事前に準備が必要です。

つまり、CSR活動として出前授業はアピールポイントと捉われがちですが、本当の価値は、そこに関わる当事者の意識が、社会全体の中での自分たちの役割、何の役に立っているのかを見いだせることにあります。

きっと、フジテレビの「あなせん」を担当するアナウンサーたちも、忙しい日々の中で、交代で学校に出向いて、どう授業をやるのか、リハーサルを重ねているはずです。

1つの授業を終えても、それがニュースや番組になることはほとんどないでしょう。

その代わり、子どもたちに、自分のアナウンサーという職業、所属先の企業のことを少しでも伝えきれたら、日頃とは違う満足感を得ていると、私は考えます。

毎週、出前授業があったら、子どもたちの職業観は変わるのに

無理を承知で書きますが、毎週、出前従業を子どもたちが受けられたら、職業観が変わるのに、と思います。

基本学力の授業は、とても大切です。

読み、書き、計算、物事の成り立ちを覚えて、語彙や知識を大人のレベルに近づけるためには避けて通れません。

一方で、このレベルを義務教育の学校で求めつつ、結局は、習い事や塾で補っているのが現実です。

ただ、普通の授業や塾などでは体験できないのは、親や周囲の大人以外の人から、仕事やプロの初歩のレベルの世界の話を聞けたり、体験することは、簡単にはできません。

親の人脈と活動力がなければ、色々な世界を触れさせようとしても、工場見学や何かの体験に一緒に参加する程度です。

その点、出前授業という形が、もし、毎週1コマできるとしたら、年間、相当数の大人の社会、仕事を中心に色々なことを学べる機会が生まれるでしょう。

子どもたちが変わり、きっと、学校の先生たちも学んでいることと仕事、大人の世界を伝えることで興味を引き立てる日々の授業につながることでしょう。

そして、出前授業を行う側も、売上・利益などの目の前の数字や、経営理念などの高尚な理想ではなく、未来に伝えるために、今の自分の仕事はどんな価値があるのかを真剣に考えるのは、準備や訪問の手前の何倍もの価値が生まれてくると考えます。

将来、オンライン授業が増えて、集団で受ける授業よりも、個人別の授業スタイルが語学などの授業で増えていくかもしれません。

出前授業もアーカイブ化されて、視聴するだけのコンテンツになってしまうかもしれません。

ただ、ライブで直接触れ合う出前授業って、子どもにも授業をする側にもプラスの効果が生まれるので、バリエーションと機会が増えることは期待したいです。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。