半沢直樹という銀行員が大活躍・反撃していくストーリーは、TBS系の日曜劇場の高視聴率番組でした。
その続編作として、池井戸潤さんが世に出したのが『半沢直樹 アルルカンと道化師』です。
半沢直樹シリーズとは異質な感じがするのが、芸術的な要素が組み込まれた設定にあります。
感想メインにはなりますが、ブログ記事としてまとめます。
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半沢直樹って、芸術の世界とは別物のはず
『半沢直樹 アルルカンと道化師』というタイトル、冒頭に半沢直樹と書かれていなければ、シリーズとは大きく印象が異なる作品です。
芸術の世界に触れるのは、今までの半沢直樹シリーズとは大きく異なり、違和感が最初から最後まで残ったのは事実です。
単独の作品として読めば、しっかりしたエンターテイメントとして成り立っていたのですが。
アルルカンって道化師って意味だから、道化師✖️道化師がタイトルなのでは
シリーズ第5作品ですが、時系列としては、第1作の前にあたり、半沢直樹が東京中央銀行大阪西支店へ赴任して間もない頃に起こった美術出版社の買収案件に端を発する物語です。
老舗美術出版社・仙波工藝社の買収を新進IT企業・ジャッカルが行うという不可思議に注目が当たり、現代アートで大成功を収めた世界的な日本人画家・仁科譲の代表作「アルルカンと道化師」が軸となって展開されていきます。
さまざまな登場人物と感情が入り乱れて、引き寄せられるものの、実物にない作品をイメージしてみると、銀行の企業買収事業とどう関わるのかが見えないままでした。
誰もが、知らなそうな言葉「アルルカン」を調べてみると、意味は「道化師」です。
とすると、タイトルは「道化師✖️道化師」という違和感だらけのタイトルになります。
半沢直樹に大規模な買収事案を経験させるために必要な前工程作品
この作品が時系列として、だいぶ古いこともあり、まだ、「倍返し」などの名言が飛び出す前だっただけに、彼のスケールが小さいところが何とも言えません。
ただ、その後の大活躍の源泉として、銀行の融資担当者としての矜持を感じます。
このような経験を積んできたから、彼の銀行マンとしての大活躍が見られる、という前工程としては納得できます。
一方で、どうも、芸術家の世界の話に、銀行マンが入り込み、作品の単価価値以外のことで、複雑に絡み合う部分は、どうも納得がいかない気持ちは残りました。
後から世に出てくる、過去ストーリーという設計は、映画「スター・ウォーズ」の公開順番が許されてことからか、この数年増えていますが、必ずしも、エンターテイメントとして成功するかは微妙です。
一本の作品としての完成度は、さすが池井戸潤さんですが
人気作家の池井戸潤さんですから、当然ながら、一本の作品として『半沢直樹 アルルカンと道化師』の完成度は高かったです。
ただ、半沢直樹が少し霞んでいるように見えたのは、ファイティングポーズが、まだまだ弱かったというか、戦うスケールが小さかったり、ライバルのインパクトが弱く感じたせいなのか、判断はつかないものの、期待が大きかっただけに、残念な思いが残りました。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。