I may be wrong.
連日、ニュースを見ていると、責任ある立場の人間が社会的な問題を起こしたことが発覚し、謝罪・辞任するというのが一つの定石となっています。
もちろん、社会常識から逸脱している行為であれば、責任が問われるのは、避けられません。
問題や事件が発覚、関係者が盛り上がり、ニュースリソースになって、追求されて、批判が集まるという一連の流れ。
その結果、当事者が記者会見などを求められて、最初は認めないとしても、最終的には辞める、去るという形で事態の収拾に向かいます。
ここで、大事なことは、発覚しなければ社会的にスルーされてしまい、バレてしまうと悪という扱いを受けることに違和感があります。
実際、行為は同じ価値ですから。
バレていない悪に関しては、知らないんだから仕方ない。
どうもおかしい。
当事者の良識の中で、私が間違っているかもしれないという気づきはあるのでしょうか。
I may be wrong.
自分自身、もしくは、自分の周囲に問いかけて、その行為が正しいものなのか、問題ではないのか、と考えているのでしょうか。
黙っていればバレない。
自分なら許される。
そんな勘違いが出発点にあると感じます。
考え方の違いという対立軸を受け入れられるのか
既に、イデオロギーの違いで戦うような時代は去っているものの、多様な考え方の中で、個人や組織の違いは浮き彫りになります。
SNSやスマホのニュースなども含めて、自分にとって心地よいものばかりを情報として受け取っていると、反対側や異質なものに対して、強烈なアレルギー反応を示すことがあります。
対立した結果、相手と長い議論を繰り広げたり、場合によっては暴力行為に繋がるケースがあります。
完全に相手を受け入れないで無視するという生き方も可能です。
もしくは、相手を完膚なきまでに叩きのめすことに必死になっている生き方も見うけます。
私は、何らかの立場にあったとしても、相手の考えを理解しようと努めようとしています。
100%納得できずに、違いを浮き彫りにすることは簡単です。
その結果、排除をしてしまうという動きを激しくされると対立は激化します。
この時に、冷静になって、私が間違っているかもしれない、と考えられる余裕はあるでしょうか?
自分だけが正しくて、相手が間違っているという捉え方は、コミュニケーションとして相互理解の真逆にあります。
最終形としては、戦争などの武力衝突になっていくのでしょう。歴史を振り返れば明らかです。
哲学用語の「不可知論」を思い出す
不可知論というのは、事物の本質は認識することができない、とし、人が経験しえないことを問題として扱うことを拒否しようという立場と言われています。
この言葉を自分の大学時代の恩師、故・舩橋晴俊教授が卒業にあたって、ゼミ生に伝えていました。
当時、この難しいフレーズを、卒業時点に伝えられても意味がわからないと感じていました。
「自分が信じていることで正しいと思っていても、もしかしたら、間違っているかもしれないという意識を持ち続けてほしい」
このようなメッセージでした。
自分にとっての正論や常識は、社会から見て、もしくは相手にとって、間違っているかもしれない。自分がどんなに信じていても正しいとは限らないと疑う気持ちを持ち続けないと、生き方を踏み外さないで欲しい。
今ならわかる、言葉です。
I may be wrong.
常に、自分の行動や考え方がどうなのか、と無意識に働きかけて、間違った選択を選ばないで過ごしていきたいです。
もし、自分が間違っているのならば、早急に軌道修正をするべきだし、大きな問題に繋がるのであれば、事前に抑止すればいいのです。
好きなことだけをして生きるスタイルや、私の提唱する「サードプレイス」と矛盾することはありません。
家族との関係も、仕事の内容も、自分の好きなことも、社会的な意味づけとして間違っている方向性に進まないように、留意できる人間でありたいと考えています。
私は、記者会見を開いて、責任を取るような人間ではありませんが、自分自身に対して、謙虚なまなざしは失わないように生きていきます。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。