私が学生時代、環境問題に興味があった私の背景には、公害のことを授業で教わり、調べたことが背景にあります。
高度経済成長期に深刻な健康被害をもたらした以下の4つの公害病とされる「四大公害」、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病。
その中でも、水俣病だけは別格な存在だという思いがあり、たまたま、図書館で見かけた原田正純さんの名前の本『
手に取り、読んでみました。
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高度経済成長の裏側に抱えていた公害問題
平成や令和の世代から見ると、昭和の戦後の高度経済成長の時代は異端なほど、明るい時代に見えているかもしれない。
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の世界観などからして、貧しさから這い上がってくる勢いを感じる時代だったと、ノスタルジーも含めた想いを抱くかもしれない。
一方で、猛烈に働き、多少の問題に目を瞑ろうとして、企業が突き進んだ結果、工場排水、排ガスなどの影響で、公害問題を起こしたという負の側面、裏側の部分を見逃してはいけない。
原田正純医師は人生を賭けて水俣学に向き合った
2012年6月に亡くなられた原田正純医師の名前は、水俣病を調べると、頻度が高く出てくる人物です。
熊本の現場、現地で患者と向き合い、さまざまな人たちと水俣病を救うために全力を注いできた人物です。
彼が亡くなる前に新聞社の企画で対談をされた内容をまとめたのが『
本当に色々な方々と一緒に、水俣病と向き合い続けてきたことが伝わってきます。
問題が法廷闘争になったり、補償問題になるという流れの中でも、患者のことを忘れていなかった姿が伝わってきます。
もし、水俣病がなければ、普通の医師としての人生を全うしたであろう原田正純さんが、時には周囲の関係者とぶつかってでも、挑み続けた姿が、対談の中から見えてきます。
現地で患者を見て問題の本質を考えていた
若手医師の頃、水俣病の患者を診察しながら、彼らを治療しきれないことに苦しみながらも、その原因も含めて、周囲と一緒に向き合ってきた姿。
結果として、医学以外の分野の専門家とも交流をする中で、原田正純さんはたくさんの水俣病に関する著書を世に出す存在にしていったのだと思います。
企業側(チッソ)がなるべく事実を隠したかった理由は何か。
因果関係を認めたがらない政府側の立ち位置にも触れる。
一方で患者たちの求めるのは補償というお金ではなく、奪われた健康や人生だったというのも対談の中で、はっきりと見えてきます。
このタイミングだから残せたこともあれば、表立って、対談の中身にはあっても、カットされた部分もあるのと思います。
いわゆる、ステークホルダーの多さが水俣病にはあり、関係ないと感じている都市部の人たちも受益を受けていたのだから、無視してはいけない、地域問題ではないのだという意志を感じます。
忘れらない一冊『安全性の考え方』
『
中学の理科の先生に読まされた一冊が、この
公害問題の背景と問題を掘り下げていた一冊に衝撃を受けました。
もし、自分が被害者の当事者だったら、と思うと背筋が凍るほどの恐怖を感じました。
また、安全性を無視した結果、多くの人の健康と人生にダメージを与えた環境問題について、深く突き刺さったのを強烈に覚えています。
もちろん、私は、これらの環境問題の反対運動に参加する世代でもなければ、社会に貢献してきた技術や物質を否定するという立場の人間ではありません。
少し上の世代が、未知の問題に対して、医療面、工学、経済、社会、法律などさまざまに関わることに向き合ってきた歴史があって、今に至っています。
ただ、もしかすると、今、知らぬ間に、食べているもの、吸っている空気などの環境において、身体にダメージを受けている世代だとも言えなくはありません。
環境ホルモン、遺伝子操作の食物などは、表立っていないものの、絶対的に私たちの身体(肉体も精神も)に影響を与えているはずなので。
それだけに、
水俣病の裏にあった貧富や差別の問題に焦点を当てることの必要性
原田正純さんと関係者の対談で成り立つ一冊の中で、水俣病の裏にあった、貧富の差や差別の問題に焦点を当てようとした部分がありました。
町にやってきた大きな工場は、地域を活性化し、雇用を生んでくれているというプラスの面ばかりでなく、周囲の方にとって、健康被害を与えていた負の部分の対象者が弱者側にあったという部分は見過ごせない点だと思いました。
胎児性水俣病によって、生まれてから人生全てを水俣病と向き合わなければいけなかった方々、その家族のことを思うと、営利のために、配慮を欠き、補償はしても、謝罪はしないで突き進んできた現代史の存在を私たちは忘れてはいけないのだと思います。
水俣病に向き合い続けてきた、原田正純さんという医師を超えた存在がいたからこそ、時間がかかっても解決・解消に向かおうとした話は忘れないで欲しい。
水俣病の問題が完全に解消されることはないでしょう。
だからこそ、原田さんが残した「水俣学」はしっかりと継承していくことを望みます。
◆ なぜ、社会学部なのか?社会調査なのか?『新幹線公害』に引き寄せられるまで
◆ may be wrong.「私が間違っているかもしれない」と考えられますか?
◆ 縁のない町で見知らぬ地元の人と出会うことで、お互いの人生に変化を生まれる
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。