映画「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」は、公開時には全く存在を知らない作品でした。
たまたま、Netflixから勧められた映画なので、気楽に見てみたら、引き込まれたというのが本音です。
事実を元に作られているという点も、注目に値しますし、冤罪の1つのケースを理解するためには、良い題材を扱っていましたし、実力派の俳優陣の演技力も素晴らしかったです。
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ノンフィクション作家の丁寧な切り口を原作として
2003年の福岡市で起きた教師による生徒へのいじめ事件を題材に取り上げた、福田ますみさんの 『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を原作として、作られた映画です。
原作を読んでませんが、この作品が丁寧に作られたことで、映画化されたのは事実です。
作られていく冤罪のストーリーから逃げられない苦しさ
この映画は真実に基づいて作られているだけに、そこに潜むリアルティ感はたまらない。
「死に方教えてやろうか」と教え子を恫喝した史上最悪の「殺人教師」
2003年 小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)は、保護者・氷室律子(柴咲コウ)に児童・氷室拓翔への体罰で告発された。 体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。 これを嗅ぎつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)が“実名報道”に踏み切る。 過激な言葉で飾られた記事は、瞬く間に世の中を震撼させ、薮下はマスコミの標的となった。 誹謗中傷、裏切り、停職、壊れていく日常。次から次へと底なしの絶望が薮下をすり潰していく。 一方、律子を擁護する声は多く、“550人もの大弁護団”が結成され、前代未聞の民事訴訟へと発展。 誰もが律子側の勝利を切望し、確信していたのだが、法廷で薮下の口から語られたのは― 「すべて事実無根の“でっちあげ”」だという完全否認だった。
これは真実に基づく、真実を疑う物語。
映画の前半で、2つの切り口で生徒と教師の出来事が繰り広げらたことで、後半まで進み、何が真実で、何が虚像・嘘なのかを考えさせられます。
殺人教師と真摯教師の2役を演じた綾野剛
私たちからすれば、小学校の教師たちは、毎年のように事件を起こしてニュースになることに違和感がなくなっています。
それだけに、綾野剛が映画の前半で、特定の児童に対して、体罰やいじめを行っている教師を演じていても、嫌悪感が沸かないのは、信頼・信用を失った教職者の姿なのかもしれない。
一方で、実際、真摯に児童に向き合い、教えていた教師としてのシーンを演じる綾野剛。
彼のダーティさも、クリーンさも演じ切れることによって、この作品が深く刺さるようになっているのは間違いない。
思い出せば、体罰を行う教師も、起こさせる児童・生徒も山ほどいた
子どもたちの人権を守ることを踏まえれば、学校という場所で、大人である教師が暴力や暴言を奮っていい時代ではなくなりました。
少しでも怪しい行動をすれば、親から執拗に抗議を受けて、教育委員会、マスコミに叩かれる立場になったのが教師であり、忙しさと相まって、彼らは心身を壊す、不人気職業に成り下がってしまいました。
私が子供だった頃は、昭和の終わりから平成の初めですが、当時を思い出すと、体罰を行う教師の姿が目に浮かびます。
もちろん、体罰そのものは許されるものではないですが、体罰をさせるような行為をしている児童・生徒も山ほどいましたし、体罰や多少の暴言であっても、親や社会が教育の一環として許容していた時代だったのだと思います。
また、体罰などの行為に、憎しみがあったわけではなく、愛情と指導が混ざったものが、子どもの立場からも理解ができたような気がします。
悪いものは悪いと言い切れるシンプルな正義感で済まされた時代ならば、あのスタイルは、教育の現場ではNGとは言い切れなかったのだと思います。
冤罪は人のかけがえのない人生を奪う
この事件は、発生から10年後、市人事委員会が教諭に対する懲戒処分をすべて取り消す旨の裁決という決着に至っています。
事実ではないことに対して、保護者や教育委員会に向けて、謝罪をすることで逃げ切ろうとした学校関係者の行為が、一人の教師の10年もの時間を奪った行為は許し難いものだと感じます。
10年分の給与も去ることながら、懲戒処分を決めた関係者へのペナルティがないとしたら、生み出された冤罪は、原告側の誤った主張のみを助長させ、事実を捻じ曲げることを、当時の子どもたち(今は大人ですが)に何を残したのか、という点を真摯に受けとめてほしいと願っています。
間違ったものをそのまま、事実のように扱い、誰かを貶めるようなことで、冤罪を呼び、人の人生の一部を奪う行為こそ、私は、犯罪的だと考えます。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。