気がつけば、キングコング西野は自分のイメージとは違うところにいた!
テレビ番組を見る頻度が極端に減っている私にとって、芸能人・タレントの変化というのを知ることが難しくなってきています。
年齢からして、若手の新進気鋭の俳優やグラビアアイドルに注目するわけではなく、自分が以前から知っていた存在がメディアから消えていてもわからない日々。
実は、ほとんど不自由ではないのです。
ただ、ある時に、キングコングの西野 亮廣が突っ走ってる、という話題を耳にして、ググって見てみました。
歯に衣着せぬキャラだったけれども、絵本を描くためにクラウドファンディングを使うとか、その過程で大御所的なタレントにも噛み付く姿勢は、カッコいい反面、その実態をうっすらと気にしていました。
お笑い芸人が、映画監督になったり、政治家になったり、直木賞作家になったり、新たな分野へ進出する姿に違和感はありません。
キングコング西野が、なぜ、絵本作家になったんだろう。元々、そんな才能や希望があったんだろうか?
彼の活躍や実態は興味があったものの、特にリサーチをすることはありませんでした。
すごいよ!この本!と周りが騒いでいたのが、『革命のファンファーレ 現代のお金と広告
確かに、書店でもこの真っ赤な表紙とタイトルにはインパクトが抜群。引き寄せられるようなオーラが満点でした。
今までの常識を越えて、新しい時代にフィットする存在が掲げる「革命のファンファーレ」とは
西野さんが最初の切り口は、「お金」に関する意味付けを徹底することから語り始めている。
「お金」とは信用を数値化したものだ。
クラウドファンディングとは信用をお金化する為の装置だ。
お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ。
お金=信用 という、漠然と理解できていたものを言い切られることで、読者の心をつかみ取ります。さすが、芸人らしい大胆さ。
もともと、誰もが理解できていた話なのに、お金について価値観が、どうやって稼げばいいのか、方法論であったり、資産運用的に商品選び的なものばかりに目が行きがちだけれども、本質論で捉えれば、「信用」という意味付けがなければ、存在できないのは明白です。
タレントとして信用を勝ち取る為に、まずは「嘘をつかない」ということを徹底した。
ここに彼は、ツールとして、オンラインサロンとクラウドファンディングを活用するという行動に出たところが、斬新でかつ、大胆なアプローチだと感じられる点だと思います。
どちらも、インターネットが存在しなければ成立しないものであり、個人単体ではうまくいきません。オンラインサロンに参加するメンバー(ファン)がいて、クラウドファンディングで応援してくれる個人が多くいなければ成功できない仕組みです。
有名人だからこそ成功するという短絡的なものではなく、仕組みを理解して、どのように手を打つのかを徹底的に考え抜いて、実践しているところに、西野 亮廣さんの着眼点や行動力の素晴らしさを感じます。
絵本業界の仕組みを知り、専任で描くという仕組みを、分業制に変えることを実践して、大きく周りを巻込んでいきます。
しかも、その為に、資金を調達し、絵本+αとしての展開を見せるのは、本当に素晴らしい。
今までの常識を壊すならば、事前に、絵本『えんとつ町のプペル』を無料公開するという奇想天外な方法に行き着きます。
無料にすることで、マネタイズの即効性を失っても、タイミングをずらせば可能になるという理解は、Googleなどのフリー経済を理解していることの証明だと言えます。
厳密に言うと、そこには無料公開することで実力が可視化されて売上げが上がる人間と、無料公開することで実力不足が露呈して売上げが落ちてしまう人間の2種類が存在する。
無料化は、つまることろ「実力の可視化」でそれにより、これまで以上に格差が生まれる。
だからこそ、作品のクォリティが全てだと言いきれる、切れ味の良さは爽快感を得られます。
信用時代の宣伝は、口コミが最強。口コミをデザインしろ。
自分一人で広告をしてはいけない。“広告させる”ことが大切だ。
口コミパワーを活用するには、周りを巻込んでいくことの重要性をシンプルながら、強い言葉で語りかける。
この部分を理解できるかどうかは、今後、どの分野でも活躍できるかどうかをわける生命線なのだと理解できました。
ニュースを出すな。ニュースになれ。自分の時間を使うな。他人の時間を使え。
ここまで言えるのは、彼が有名人になっているから、と吐き捨てることもできますが、着眼点を変えるってスタンスは重要。
宣伝や広告よりも、広報・PRと言われがちですが、世間の温度感を上げたり、周りがワクワクしてくる空気感までも活用できれば、成功に繋がるという考え方は納得できます。
お客さんは、お金をもっていないわけではなく、お金を出す「キッカケ」がないだけだ。
本屋で本が売れないのは、コミュニケーションが足りないと断言する。
確かに、本屋で店員が声を上げてセールスする場面は見たことがない。
でも、もし、スーパーのタイムセールのように、大きな声で宣伝をしたり、各コーナーの担当者が1日15分でも話す時間を作れたら、本屋に来店された顧客との新しい接点が生まれるのかもしれない。
もしも、本屋に、動画で著者のIVを流すコーナーを作ったり、購買した顧客のコメントスレッドがミニ電光掲示板で流れるようなものがあれば、本を一人で黙々選ぶのが苦手な人を呼び込めるのかもしれない。
Amazonではなく、本屋で購入する体験に価値を生み出すきっかけが重要なのは、私が考えてみても、複数の妄想が浮かんできました。
この『革命のファンファーレ 現代のお金と広告
何度も読み返しながら、自分に置き換えてみれば、情報が集まって、行動力が高まれば、未来に向けた新しいシナリオが描けます。
きっと、私にも、あなたにも、革命のファンファーレは起きると期待できる一冊です。今年一押しのオススメの一冊です。
<西野亮廣さん本>
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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