受信力が大事だったのは20世紀までの話
私は、ラジオも、テレビも、新聞や雑誌も好きな青年でした。
当時は、CMや広告で見るものにワクワクさせられていました。
要するに、受信力に重点がありました。友達や周りの大人よりも、先に良いモノの情報をメディアから受け取れたら、自慢できる時代だったのです。
そのうえ、情報量も今よりは圧倒的に少なかったのです。
周りも同じ情報に触れて、同じような感覚を持っていた仲間に囲まれるような、とても穏やかな日々でした。
受験勉強も記憶力中心だから、インプット重視
受験勉強も記憶力中心でしたから、とにかくインプット重視。
もちろん、インプットしたものをアウトプットできないと結果に繋がりません。
自分の意見や思いを書けるのは、日記と読書感想文ぐらいしかありません。
電話だって、家の黒電話から、コードレスフォンや子機がある程度ですから、1対1。
家電話(イエデン)でなければ、公衆電話。
世の中に、何かを伝えるのは、文化人や有名人がやることであって、普通の人に求められることはありませんでした。
つまり、文字であれ、音声でも、自分の周りの狭い世界の中で完結するのが当たり前でした。
発信力が必要な時代なワケ
発信力が問われるようになったのは、インターネット環境が完備してからでしょう。
当初は、ホームページを見ていた程度の私も、徐々に、メル友が増えたり、チャットとコミュニケーションスタイルが変わりました。
それでも、まだクローズドな世界でした。
口コミサイトやSNSが身近になってきたことで、受信だけだった個人が、発信するという武器を手に入れました。
誰もが恐る恐る始めた、発信は狭い世界からスタートし、ある日、世の中に広がります。
ブログを書くようになると、伝播力のレベルは別として、発信力を持つ側の人間になっていました。
それだけに、「発信力」という切り口の本を読みたくなりました。
『発信力の育てかた:ジャーナリストが教える「伝える」レッスン (14歳の世渡り術)』外岡秀俊
ジャーナリストが中学生に向けて教える「発信力」という設定を私が読むのは、多少の違和感があるものの、わかりやすい一冊でした。
情報収集、取材、編集を経ての発信
外岡さんは、ジャーナリストなので、問題意識を持って、紙、ネット、人からの情報収集からアプローチからスタートします。
ネットしか信じないという世代も増えているので、この紙と人からの情報を求めるというのは、大事なポイントなのだと感じます。
次に、より深く知る為に、取材をする。
取材といえばオーバーに感じますが、相手に対して、丁寧に聞き出すという力は、コミュニケーションを深める意味では欠かせません。
相手に興味関心を持ち、少しずつ掘り下げていくことで、発見できる情報が出てきます。
ここに編集という切り口を入れるのは、プロの視点です。
たとえば、このブログであっても、書き出す前に構成を考えていくパターンもあれば、成り行き任せで書き綴ることもあります。
誤字脱字はないのか、文脈がどうか、読みやすい、わかりやすい文章なのかと確認しながら、手直しする作業。
この手間を何度でも、自分都合で加えられるのが、ブログの良さです。
間違いを直して、組み立てを変えるだけで、見違えるようなこともあるらしいです。
次に、誰に対して、どんな言葉で伝えるために、発信するのかというゴールに近づきます。
誰かを傷つけたり、自分が批判にさらされるリスクを背負っても、誰もが発信者になる時代になりました。
情報の発信力が限りなく平等になることで、隠されていた情報が世に広まり、不公平感が減ってきます。
結果として、発信者は増えましたが、玉石混合な状況です。
騙されやすいウソや、誇張された表現なども発信されています。
結果として、発信力は責任を伴うことになり、受信力も同時に高める工夫がなければ、情報格差が個人間で生まれていくことでしょう。
発信力を高めて、自分の思いを伝えられる人が、ますます活躍することができれば、AIと人間の差別化は可能なのだと思います。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。