2010年発刊された、河野武(著)『そんなんじゃクチコミしないよ。 <ネットだけでブームは作れない!新ネットマーケティング読本>
10年前当時、インターネットの世界では、ブロガーを活用してのクチコミマーケティングがトレンドだったようですね。
時間差があるからこそ、何が正しくて、何が予想と違ったのかを考えてみるには最適な機会です。
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クチコミを無理やり起こしても成功しない!一般消費者は無能ではありません
2010年当時ぐらいまでは、ブロガーによるクチコミマーケティングの価値が高かったらしい。
私にも、うっすらとした記憶があります。
信頼性が定かではないブロガーの記事を読んで、商品を買ったというよりは、参考意見程度しか求めていなかったのではないかと推察します。
少なくとも私は、そのような消費行動はとっていませんでしたから。
誰かに何かをセールスしようとするブログ記事は偽善が含まれる
自分が、本当に好きなモノ、商品やサービス、有名人などならば、熱を込めて、その良さを全力で伝える事ができます。
ところが、ビジネスとして、何かを売ろうとする目的や意図がありすぎる場合、伝える熱はどうしても、愛情よりもマネーに意識が向かいます。
使っていない、それほど満足していないものでも、相手を褒め称えてしまうブログ記事やネットのニュースなどのネタを見て、あなたはどう感じますか?
PRや広告を目的としただけの情報には心が躍ることは少ないのです。
書き手側も、表面的な良さしか伝えないので、読者である一般消費者は見抜いてしまうのです。
騙されないぞ!と。
どうしても、その売ろうとする姿勢には偽善的なメッセージを感じてしまうのです。
読んでいる「あなた」よりも、売りたい(稼ぎたい)「わたし」に重きを置いている様子が、伝わっていくのです。
一般人のリアルな体験や思いがない情報なんて、価値が認められないのは信用がないから
芸能人や有名人が広告塔となって商品をセールスする場合ならば、確かに共感を持って売れるケースはあるでしょう。
ただ、一般人、いわゆる普通の人が、何かを売りたい、わかってもらいたいならば、リアルな体験や思いがないと理解されないのです。
リアルな感想や体験から発せられた情報ならば、相手の心に届くことがあります。
心に届けば、相手に何らかの行動を起こすきっかけになります。
直接購買しないとしても、誰か知り合いに教えてあげるという、おせっかいな行動でも、十分なメリットが生まれます。
『そんなんじゃクチコミしないよ。 <ネットだけでブームは作れない!新ネットマーケティング読本>
むしろ、不確かなデマのような情報のほうが、人の心に刺さり、善意で拡散させてしまうような行動を人に起こさせてしまうのです。
10年経過して、より多くの情報が流通し、コピペされたり、AI技術などデータを駆使して展開されて、騙されるケースも散見されます。
ただ、間違っている情報であれば、誰かが気が付き、ブレーキをかけるのです。
本当に良いもの、人に教えて価値があるものでなければ、クチコミは起きません。
少なくとも、大ブームを呼び起こす力はありません。
唯一、信頼性を持った個人が、いわゆる、インフルエンサー的な価値をもって、声を大にしてアピールすれば、商品やサービスが一時的にはブレイクすることもあるでしょう。
ただ、本当の大きなムーブメントを自由自在に起こせるようなことは個人では無理ですし、よほど計画されたPRや広告戦略を持っていても、消費者個人は、自分の好き嫌い、要不要を的確に判断できているのです。
大衆がブームにつられるのではなく、個人が自由に動いている
例えば、この10年でスマホが定着して、誰もが生活必需品のように使いこなしていますが、その用途は個人によって異なります。
CMや便利なサービスの価値だけではなく、実際に使用する体験、人の様子を見て、自分にとって最適な使い方を駆使しているに過ぎません。
スマホユーザーは大衆になっていますが、実際に使っているのは個人であり、ニュースを見るために使う人、メッセージアプリとして活用する人、ゲームを楽しむ人、それぞれ個人が好きなように活用するツールなのです。
とすると、爆発的なクチコミなんてものを起こすことは難しく、実際は、同じ興味や趣味嗜好を持った人とのシンパシーに過ぎません。
つまり、クチコミは広く起きるムーブメントと言うよりも、自分と似たような人、生活レベルや考え方の人のところに情報が届いてる世界なのです。
過去に書かれていたことが不変であれば、真実をついている
インターネットが万能ではないし、動画コンテンツが増えた現代だから大きく時代が変わったわけではありません。
ブログという文字情報による無名ライターばかりの時代から、個人のラジオやテレビ局のようなYouTubeを活用した人が増えてきただけで、大半の人は無名な個人には変わりありません。
それであっても、10年前に書かれた当時のトレンドを踏まえた本の中身と比べて、今と変わらないものがあれば、普遍的な価値を持つ真実に近いのです。
クチコミなんて、誰かがお金をかけて仕掛けることができても、実際は一般個人に共感してもらわなければ何も始まりません。
どこまで、相手のことを考えて、どう伝えるのかという話です。
リアルなペルソナを設定する意味っていうのが大事なのは、よくわかります。
どこかの誰かが買うのではなく、こんな感じの人が買いたくなるというイメージを作り込めない限り、ストーリーも生まれないし、心を動かしての共感や感動につながるわけではありません。
それは意図的に起こせるものと、偶発的に起きるものがあるのであって、全て予定通りに成功するとは言えないのです。
もし、予定通りにムーブメントや口コミを起こせたと言っている人は、おそらく、結果論からの理屈付けであって、当初から明確だったというのは、預言者の類なのではないでしょうか。
それほど、予測不能な時代のなかで、スピード感を持って生きているのですから、単純なクチコミマーケティングというのは通用しないのはわかります。
誰かが持っているから欲しいのではなく、自分が欲しいから買うという時代へのシフトは、検索して比較検討して、判断する私たちの行動パターンのスタイルの定着につながっています。
最新の本を読んで、新しい情報を得るだけでなく、少し前のものを読んで、振り返りながら価値を見出すというのも悪くない本の読み方、理解の仕方だと思いますよ。
◆ 売り方の秘訣!お客様とのつながり感=「エンゲージメント」
◆ マーケティング入門書としてわかりやすいストーリー設計!上杉恵理子『弱者でも勝てるモノの売り方』
◆ 藤村正宏さんの「エクスマ」(=エクスペリエンス・マーケティング)はすごい!
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。