NPS(Net Promoters Score)でお客様の評価をつかむ!
サービス業・小売業の熾烈な争いは、凄まじいと感じます。
新規出店、新商品、新サービス、ポイントカード、あの手この手で顧客を獲得しようと必死になっています。ライバル企業・店舗次第では、値引き合戦も始まり、泥仕合に向かいます。
本当に顧客を獲得できているのでしょうか?
顧客満足・顧客第一主義などの言葉は、使い古されてきました。当然、顧客がいなければ企業は存続できません。利益を削ってまで戦い続ける企業の姿、最前線の現場で顧客と接する従業員のサービスの質はどうなのでしょう。
挨拶をしてくれない、こちらの気持ちやニーズを察してくれない、雑な対応をされている。
絶対に顧客は気づいています。
私の悪印象しか残らなかった某スーツ販売店のエピソード
私も20代の頃、スーツ販売専門チェーン店でのエピソードを覚えています。
店員が自分の知り合いなので、是非、新調のスーツを買って欲しいとの依頼を受けて、店舗に足を運びました。
広い店内で、自分をアテンドしてくれた店員の方は、丁寧で、親切。
流行のデザイン、自分に似合うカラーなど、色々と話をしながら、1着を厳選して選びました。
裾上げを頼み、しばらく店内で待たせてもらうことになり、カウンター近くで店内の様子を眺めていました。
「なんで、そんなことに時間をかけてるんだよ!いいから早くしろ!」
静かで落ち着いた店内で、聞こえた声に驚かされました。
店長が店員をカウンター内で怒っているのです。新人なのか、手順が不慣れなのかはわかりませんが、お客様の見えるところで、従業員を叱責しています。
「だから、何回言えばわかるんだよ!」
怒りは収まらない様子。でも、私と数名の顧客は、その様子が視界に入っています。
怒られているらしき、従業員は頭を下げて、対応中です。
この時、私は、この店舗、このチェーンには足を運びたくないと決めてしまいました。
気持ちよく買い物をしたい顧客の見える場所で内輪な問題でトラブルを見せられては、嫌な気持ちになります。もし、カウンターそばに、アンケートハガキなどがあれば、私は苦言を書いて本部に送ったかもしれません。
裾上げされたズボンを手渡してくれたのは、店長に怒られていた従業員でした。
明らかに、不満とつらそうな表情で私に接客しています。
その様子を厳しい目で見つける店長の姿が私の視界にも入ります。
「ありがとうございました」
スーツを受け取り、見送りするかと思いきや、その女性従業員は、店長に怒られています。
「裾上げ客に、丁寧にやっても仕方ないだろう。ほら、あの仕事を片付けて」
私は、振り返らずに店を出ました。
二度とこんな店にはこない!「裾上げ客に、丁寧にやっても仕方ない」と言葉にして、顧客に伝わってしまうような店は最低!
その後、セールのハガキも届きましたが、一切、無視しました。
もちろん、私に対する意識よりも、店長(と思われる)と従業員の間で、仕事に対して厳しくトレーニングをしていた現場に、たまたま居合わせてしまったのかもしれません。
ただ、私は純粋な顧客であって、研修のロープレ役ではありません。
私は、第三者にネガティブなクチコミなどはしませんでしたが、もう二度と、その店舗には近づきません。当然、人に勧めることもありません。
NPSを高める意識をもってビジネスができてますか?
トータル・エンゲージメント・グループ代表取締役、池田順一さんの『お客を増やす努力をやめなさい!』を読みながら、過去のエピソード記憶がフラッシュバックしました。
NPS(Net Promoter Score)とは、フレデリック・F・ライクヘルドが提唱したカスタマーロイヤリティーを計測する指標です。現在、世界中の先進企業5000社以上が活用しています。
NPSは、よくある「顧客満足度」とは違います。単純にその顧客が満足したかどうかではなく、「その店を誰かに推奨するか」、つまりいいクチコミを広げてくれるくらい好きかどうかを調べるものです。
お客様のクチコミ意向などを数値化して、見える化して改善していこうというアプローチは、小売り・サービス業には浸透しやすいはずです。当然、固定の根強いファンを持つ業態ならば、このNPSは有効なのがわかります。顧客とのサービスの接点を細かく分析できるので、どこを具体的に改善しなければいけないのかが、わかってくるのです。
ただ、それだけでは、足りないというのが重要なポイントになります。
eNPSの重要性を説きます。eNPSとは、「employee(従業員)Net Promoter Score」です。従業員との関係性を改善することを目的とし、従業員が家族や知り合いに、自分の関わる商品やサービスを薦めたいと考えているかどうかを問います。
従業員満足度となると、給与や福利厚生などの人事施策の要望ばかりが目立ちます。eNPSを見ることで、対顧客との接点を考慮して、どう考えるかが見えてきます。
私自身、NPSも、eNPSも数値化されたデータを見たことがあります。分析前の数値データだったので意味が理解できませんでした。想像以上に、低い数字が多い箇所は改善が必要だと理解はできたのですが、その原因分析までは行っていません。
NPSの前提となるのは、「エンゲージメント」です。お客様と企業、商品との“特別なつながり感”を意味しており、簡単にまとめると「絆」になると池田さんは語っています。
東日本大震災後、「絆」という言葉がブレークしていました。本来、人は、人の接点、繋がりを大切にしています。ネットの世界だけで、モノが購入できるようになると、比較して、安く買えることが優先にされがちです。
今後、AIやビックデータ活用、IoTが進化すると、店舗での接客は人間以外が行うのかもしれません。寂しいですが、働く人口が少なくなる世界である以上、ある意味の自動化は避けられないでしょう。
でも、そこには論理的な意味合いでの答えはあっても、「絆」であるつながりは介在していません。おそらく、この部分だけは、人と人が接する中でしか生まれてこない、ビジネスのコアなのだと感じます。
それだけに、従業員のNPSも重要であり、常に、関わる人がハッピーであることを念頭に置いたビジネスを展開した企業だけが生き残る未来が訪れるとも考えます。
この考え方やアプローチって、レベルが高いですし、調査結果として現れたNPSをどう活用して、企業カルチャーや日々の行動を変えていけるのか、を徹底的にコンサル・サポートできるような、池田順一さんが代表をされている、トータル・エンゲージメント・グループ社のような存在は脚光を浴びて、ニーズが高まる未来が期待できると感じました。
(池田順一さん)
是非、一度、NPSについて学んでみましょう!今回の一冊はオススメです。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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