【開催レポート】緊急事態宣言!そこに生まれた「こどもサードプレイス」(サードプレイス・ラボ 第44回)

サードプレイスをつなぎ、拡げるコネクターを目指している安斎輝夫です。

今回、「サードプレイス・ラボ」史上、一番若いゲストスピーカーである、小泉卓登さんを自信を持って、お呼びしました。

大学4年生が、コロナ禍で取り組んだチャレンジと成長を感じ取れる素敵な内容でした。

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オンライン生授業配信をチャレンジした#おうち先生の物語を振り返りつつ、これからの時代に必要なものを学ぶ

小泉卓登さんをサードプレイス・ラボの登壇ゲストに呼ぶことを決めたのは、2019年のサードプレイス・ナイト2開催の時点で決めていました。

当時は、何をテーマに小泉さんが話せるのか、具体的なイメージが湧いていませんでした。

コロナ禍で、突然、彼が始めた #おうち先生 という活動を、遠くから様子を伺いながら見続けて、苦労もしながら毎日、オンライン生授業を配信し続けている姿に感動しながら、どこかのタイミングで、まとまった話を聞かせてもらう場を用意しようと決めていました。

2020年8月23日に活動を終えた直後のタイミングでの開催に至りました。

#おうち先生 誕生・授業は思いつきのようで戦略・戦術を組み立てていた

2020年4月9日にスタートした #おうち先生のプロジェクトは、参加する子どもたちに学習よりも、居場所を提供するものだったという点に特徴があります。

そもそも、教育学部でも、教員免許を取得している訳でもない、小泉さんは、保護者のコロナ禍の悩みを解決するために、たった一人で活動を始めました。

子どもたちに国語、算数、理科、社会などの生授業を伝えるというスタイルで、手作りのカリキュラムを試行錯誤しながら作って進めていきます。

参加する子どもの数が増えるだけでなく、教える先生も13名という体制にまで拡充をしていきます。

教える先生は、大学生と高校生。

本来は、彼ら自身も大学で学ぶ側の学生であり、サークルやアルバイトなどに向かう青春の日々を、コロナ禍で失っていました。

石川愛さんのグラレコです

素晴らしいのは、しっかりとした戦略を構築したことにあります。

・オンライン生授業

・親しみやすさ

・学力向上ではなくリフレッシュ

重要なのは、録画ではなく生授業を行い、学力向上という目的ではなく、リフレッシュしてもらおうという姿勢です。

学力向上であれば、大手塾や通信教育事業者などのオンライン教材もあったので、そちらを優先していたことでしょう。

ただ、とにかくライブ感を持って、楽しんで過ごせるように気を配っているのが特徴です。

戦術としても、バラエティ豊富な先生を集め、毎日決まった時間に配信という生活リズムを大事にし、人に優しいオンラインを心がけたことにあります。

長沼奈美さんのグラレコです

仲間を集め、トラブルや危機に向き合っても、走りきった

私が注目したのは、13名の先生の集め方、チームビルディングにありました。

学生団体となると、一緒に顔を合わせて時間を過ごして、お酒も飲みながら仲良くなるという過程が一般的。

今回、コロナということもあり、全員が一同に集まることもなく、しかも、自ら志願して応募してくるという志がある仲間たちだったそうです。

一人一人に #おうち先生 について理解を深めるための説明会を開催し、選考を行っていくというのは、生半可な覚悟ではできません。

しかも、彼らは、無給のボランティア活動として期間中を駆け抜けました。

もちろん、トラブルや危機がなかったわけではないと、小泉さんは語ります。

当然、このような取り組みに反対する立場の人間や組織がいます。

それでも、こまめにミーティングを重ねながら、乗り切っていくという貴重な経験。

もちろん、この事業に未来を感じて、ビジネスに向かうという構想も生まれるわけですが、彼らは、ボランティアの立場に留めました。

コロナ禍で、アルバイト代も稼ぐ機会を失っている以上、窮地になった大学生も多いわけで、苦しい事情もあったものの、ここでビジネスとしての取り組みに向かわなかったことが、彼らを支える周りの空気を生み出したのです。

彼らの活動への真の理解を生み出すには、避けて通れない道でした。

他にも、4ヶ月半のプロジェクトですから苦労も苦難も味わいながら、彼らは、自らができることに全力で取り組み、子どもたちとの交流、保護者を支える役目を見事に果たしきりました。

#おうち先生 2.0  という未来への期待

小・中学校の授業も通常に戻り、大学生も授業が再開されたことで、この #おうち先生 は役目を終えました。

今後、#おうち先生2.0 という未来の可能性について、どんな風に考えているのかを質問してみました。

教育の多様化に関する話になり、オンライン上での「子ども食堂」のような存在の必要性を語っていました。

特に、パソコンやタブレット、Wifi環境などが確保できない家庭などに対しても必要です。

また、通常の学校の教室の授業に参加できない、不登校児童・生徒にとっても、学びを止めないという意味で、可能性を示す事例も話してくれました。

今、この時代の変化を前向きに捉えて、新しい活動ややり方を試みるのは、既存の教育事業関係者だけで足りなければ、彼らのようなアイデアや活動を補完的に取り込んでいくのも、社会として必要なものなのだと理解できました。

お決まりのサードプレイスポーズは指3本を立ててもらっています

今回もライブ配信を実施

1週間前の特別編と同じように、今回も、zoom開催とFacebookライブ配信を連携するスタイルを取りました。

今回は、活動を終えたものの、#おうち先生 の取り組みを一人でも多くの人に、偶然で良いから知ってほしいという強い願いを叶えるために、チャレンジしてみました。

当然、長時間のライブ配信を耐えうるほどの構成力はないので、チラ見をしたり、短時間視聴の方もいたかもしれませんが、このような取り組みは、今後も工夫を重ねながら実践していきたいと考えています。

お時間があれば、下記の動画でご覧ください。



今後、他のライブ配信との連携や、StreamYard(ストリームヤード)を使ってテロップ表示などもできるような発展を目指したいと思っています。

参加された方のコメントや感想、ブログ記事

毎回、サードプレイス・ラボ 開催後に、参加者のメッセンジャーグループに、記念撮影の画像や感想を共有させていただいております。

◆ 増田和芳さんのブログ

非常時に必要なリーダー・「おうち先生」ありがとう!

増田さんは、小泉さんと同じ、静岡県富士市に住む間柄ではあるものの、#おうち先生 の活動は、一定の距離を持ちつつ、冷静に状況を伺っていたようです。

今回、全体の振り返りを聞いた上で、小泉さんの頑張りへの賞賛を送ってくれました。

◆ 堀口英太郎さん「eitaroh7407のブログ」

#おうち先生を立ち上げた大学生

堀口さんは、#おうち先生 の活動全体を通して、若者の可能性に心を揺さぶられたようです。

確かに、若者には足りないものはあるかもしれないけれど、志と時代の変化への対応スピード、そしてプレゼン能力の高さなどを見て、彼らにしっかりと支えることの意識を持ったことが伝わってきます。

◆ 渕脇 毅さん 「ふちログ」

【学び】「#おうち先生」を立ち上げた大学生に学ぶ-第44回サードプレイスラボ

整体師及び心理カウンセラーである渕脇さんは、組織化された活動と行動力に驚き、教育の抱える問題、オンライン の可能性についても、ポジティブに感じられたようです。

渕脇さんは参加していただくと、毎回、丁寧にブログ記事にまとめていただけるので、心から感謝しています。

#おうち先生 の活動を知るために時間を使った理由

#おうち先生 は授業だけでなく、いくつかのオンライン企画を実践されていたので、私もいくつかに参加して彼らの活動を知ろうと努めました。

自らの活動を振り返る準備の場に参加したり、リアルな先生をゲストに呼んで話を聞くイベントを連続で開催したり、ラジオ体操を一緒にやろうという面白い企画も取り入れていました。

とにかく、やれること全方位に向けてチャレンジをしたことで、小泉さんの大きな成長に繋がったことは、私が保証します。

その上で、私は何度も、SNS上でサードプレイス・ラボのイベントについて告知を続けました。

活動を知ることで、切り口や説明のポイントを変えながら、一人でも多くに伝わってほしいという願いを込めていました。

活動そのものは全国規模でもなければ、世間一般からすれば、注目がものすごく高いものではなかったかもしれません。

それであっても、彼らが志と使命感を持って、楽しみながらプロジェクトを走りきったことに対しては、賛辞を送りたいですし、その締めくくりの1つに、今回のサードプレイス・ラボが少しでも貢献できていたら、本当に嬉しいものです。

小泉卓登さんと#おうち先生に関わった全ての皆様、お疲れ様でした。

ここで築いた経験やつながりという財産を、しっかりと活かしてください。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。