日本の医療技術も環境も世界最高レベルだと誰もが疑っていないかもしれない。
もしかすると、本質を勘違いして、錯覚を信じ込まされているとしたら、不都合な真実があるという観点を医師でありながら、執筆も行う森田洋之さんの『日本の医療の不都合な真実 コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側 (幻冬舎新書)』を読んで、考えさせられました。
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医療は、誰のための医療なのか
医療は、患者の病気を治し、健康で生きるために必要なもの。
そのために、医師や医療従事者、製薬メーカーなどが存在すると信じていますよね。
本当に、日本では、患者として扱うべき人に最適な医療が提供できているのでしょうか?
この扱いにくそうなテーマに向き合った本『日本の医療の不都合な真実 コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側 (幻冬舎新書)』と向き合ってみました。
病院や医療をありがたいと感じて、絶対視するのは辞めよ!
今や、訴えられる医師・病院というものも存在するものの、基本的に、医者は病気を治したいときに縋る存在として、崇め奉るような感じがしていないでしょうか。
彼らは、命を預かる神様ではありません。
専門知識と技術を使って、標準的で最適な方法で治療を施す立場であって、完全完璧な存在ではなく、基本的には一人の人間という立場は、医師も一緒です。
当然ながら、病院での医療を信頼するのは間違ってはいません。
自分の病状を改善するためには不可欠な存在ですが、最後は、自分の身体を支えるのは、個人の持つ免疫力であったり、体力・運も左右するわけです。
病院・医師も、オーダーメイドの対応をしているわけではないので、標準的な治療方針と方法で医療を行うものの、必ずフィットする保証などありません。
あってはならないと思っても、人間なのでミスは起こすでしょう。
つまり、医療を絶対視してしまう日本人の考え方は、本質とはかけ離れている可能性があると疑ってみる必要がありそうです。
病床を埋めるために病人を作るロジック
『日本の医療の不都合な真実 コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側 (幻冬舎新書)』を読んで、驚いたのが、病床を埋めるために病人を生み出すというロジックです。
病床が多いと埋めないと病院経営がうまくいかないという民間経営が多い、日本医療の実態。
入院患者が減ると損をしてしまうならば、自宅生活で治療を目指せる人まで、入院患者として扱うことにメリットが生まれてしまうという現実。
認知症を含めた老人の状態を体力を衰えさせながら、病院で過ごすことが、家族と病院にとってメリットが大きく、本人も安心した気持ちになる(意識や理解度は不明)という理屈で、成り立っていると、完治を目指せない患者が病床を埋めて、医療費を嵩んでいるとしたら、不都合な真実と言われても仕方がない世界です。
患者が減るということは、病院経営の存続に関わるのだから、健康な人が増えることはデメリットなのだという発想を私たちが忘れてはいけないのです。
病院で死ぬことが幸せなのか、家で死ぬことが幸せなのか
あなたの家族や親戚で亡くなった方の最期の場所はどこでしたか?
病院のベットの上ですか、それとも、家の布団・ベットの上でしたか?(もちろん、不慮の事故というのもありますが)
私自身、祖父母が、病院で亡くなった場合もあれば、自宅で老衰のように亡くなったと聞いたこともあります。
どちらも本人が選択したのかは微妙ですが、本来の人間の死のあり方は、家族に看取られながら、静かに自宅で息を引き取る方が自然な気がします。
あまりに医療ドラマなどで、人が亡くなるシーンを見すぎて、あの機器がゼロを示すことが人間の死だと思わされていないでしょうか。
その結果、ギリギリまで生きるには、病院で医療を受けることが幸せなエンディングと思わされているのかもしれません。
その辺りの話も、『日本の医療の不都合な真実 コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側 (幻冬舎新書)』を読みながら、考えさせられました。
医師があれほど忙しい中で、患者と向き合う時間が少なく、機械的に無感情になるのは、本来の医療が必要な対象者以外も含まれているからだと考えると、合点がいくものでした。
もう治療目的の医療から予防思考に切り替えていかないと無駄な医療は消えない
病気に見舞われると、治療をして治すしかないという気持ちになると、自力で厳しいのであれば、医療の力を借りるのは当然のこと。
この対処療法的な医療が今まで当たり前と思われてきたものの、遺伝子解析などによりリスクを把握したり、日頃の検査データから自分自身の健康を保つために、予防する観点で生活を見直す生き方にシフトしようとしている人も増えています。
生活習慣病やガンにならないための日々の生活習慣を啓蒙して、定着させることで、病気を予防して健康寿命を長らえることが、本当の意味で、医療が必要な人に最善な質で提供できる環境が保てるのではないでしょうか。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。