『医者の正体』平松類(著)で納得!医師と患者のコミュニケーションの大切さ

「お医者さまは神様」という時代から、「医者だって人間だ!」という意識に誰もが変わってしまって久しい。

ただ、医者の本音や実情を患者や一般人は知らないままな状況は変わっていない。

今回、医師(眼科医)の平松類先生の『知ってはいけない 医者の正体 (SB新書)』を読んで、改めて医者・病院の実態を考えてみました。

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医者は患者とどんな思いで向き合っているのかを知ろう!

病院に自分が患者として出向けば、待合室で待たされて、検査や診察を受けるまでに長い時間がかかります。

それなのに、あまり話もできず、薬を処方されるだけという行為に物足りなさと不満が溜まっている人は多いもの。

そもそも、医者はどんな思いで患者と向き合っているのでしょうか。

医者は患者という人間を見るのか、病気というパーツをた見ているのか!

医者になるには、最低でも6年間医学を学び、研修期間を経て、1人前になるまでに、相当な時間がかかります。

医者となれば、目の前にいる患者について、検査や診察を行い、相手の症状から適切な処置につながる薬を処方する、もしくは、行動を示唆するというまでは行ってくれます。

毎日、たくさんの患者と出会い、診察や経過観察を行う医師にとってみれば、一人の患者に対する情報量としては、病気に該当する部分のパーツに意識が集中しているのは当然の話です。

患者さんがどんな人間なのかという点まで掘り下げて付き合うほど、時間が取れるのは地方の診療所で医師をされている方ぐらいなのも仕方ありません。

ただ、患者側の立場で考えれば、もっと、自分自身の病気や症状に加えて、人間として見てほしいという気持ちが残ります。

おそらく、短時間で当たり障りのない言葉で診療を終えてしまうという流れ作業的な印象に要因があると思われます。

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医者は激務のなか、限られた時間で多くの患者を診なければならない

大学病院、一般病院、クリニック、規模も環境も違う病院(専門病院・総合病院などの違いもあり)があります。

入院患者をかかえる大学病院や一般病院と診察だけで終わるクリニックに違いがあるとはいえ、医師が限られた時間の中で、患者をたくさん診察しなければならない事情は変わりません。

1人あたりの患者を丁寧に見ようと思えば、効率が落ちて、多くの患者を待たせてしまうこともありますし、定期的な診察で変化がなければ、ほとんど会話もないまま、血圧程度と触診(最近、聴診器を患者に当てない医師も増えているような気がしますが)でやり過ごすとコミュニケーションなんて成り立っていません。

いつもの薬を処方しておくだけの患者だったら、医師もカルテをコピペするばかりで、次の患者の診察に向かわなければなりません。

もちろん、急患や原因不明で急変をしている患者に向き合うときは、自分の知識や経験を駆使して全量を注いでくれていることは間違いありません。

患者も病気だけのことを話したい人もいれば、雑談も含めて話がしたい高齢者などまで含むと、対応も個人ごとに変えなければならないでしょう。

このあたり、診察、手術、病院、投薬など、細かいアプローチで医師が何を考えているのか、そして、実は問題があるという点まで、現役医師である、平松類先生は、赤裸々に書いています。

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医師は、患者の訴える症状の改善や命を守ることに必死な人たちです。

一方で、彼らも一人の個人としては人間であり、疲労もすれば、ミスも犯す可能性がある存在です。

患者が医者を崇め奉る存在として向き合うのではなく、医者も一人の人間として言葉を投げかければ、関係性は変わるはずです。

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私自身が点滴で診察を待たされたのは病院・医師の都合が優先されたから

2016年、私が夜明けに激痛(疝痛)に襲われて、救急車で運ばれたことは、以前、このブログにも書きました。

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尿路結石ということで、たまらない痛みだったのですが、4時台に救急搬送された私は、専門医が現れる、9時過ぎまで待たされ続けました。

勿論、救急医療として痛み止めや、点滴の処置はされていたので、病院側には何の落ち度もなかったと思います。

ただ、痛みを伴う患者としては、少しでも早く、この苦痛から解放されて欲しいという切なる願いを持っていました。

きっと、診察時間前に、専門医の先生がやってきて、適切な対応をしてくれるのだから、と信じて辛抱していました。

徐々に、病院スタッフの声が聞こえて、明るくなってきたことを感じた私は、だいぶ安堵したのを覚えています。

ところが、9時前に診療を始めたであろう医師の近くのベッドで寝かされたまま、私は10時過ぎまで、ほっとかれました。

もちろん、病院の都合、予約患者の対応などで、医師が忙しいのはわかります。

さすがに、10時過ぎに、ベッドのカーテンを開けて、早く診察をしてほしい!と訴えました。

救急車で運ばれて、6時間近く経過しています。

レントゲンなどの画像を見て、病名を伝えて、薬を出して、経過の注意事項と、今後の生活に関するポイントを案内する、と言う行為は短かいものでした。

「大変でしたね。おつらかったでしょう」

この一言を医師からも、看護師からもかけられませんでした。

唯一、調剤薬局だけは、痛みや苦しみに寄り添った言葉をくれましたけども。

私が、あの時に、一番嫌だったのは、点滴のスピードを落とした理由でした。

「先生が来るまで待っていただくので、点滴をゆっくりにしますね」

夜勤の看護師さんは、さりげなく仰りましたが、私は痛みに耐えていたので、点滴によって苦しさが落ち着くのであれば、少しでも早く体内に点滴の成分を入れてほしいと思ったのです。

患者よりも、病院・医師の都合が優先されているな、と感じたエピソードです。

もちろん、その病院や医師が特別に悪いのではなく、彼らにとっては日常の一コマだったに違いありません。

ただ、突発的に患者となった私にしてみれば、頼れるのは医師(病院)だったので、その気持ちは汲みとって欲しかったという話です。

医者だって人間、患者だって人間、お互い専門用語や感情用語だけで済ませてはいけない!

家族が入院して、細かい経過などを医師が説明してくれる場合、専門用語と表現で、淡々と話をされます。

現状の症状、要因、処置、今後について、順を追って説明しているのは事実。

ただ、患者本人や家族の場合、パニック状態に近いので、感情が優先しています。

痛みはどうなのか、命はどうなるのか、という直球的なことを訴えて、何とかしてほしいとすがるわけです。

お互いの立場や役割は違うといっても、人間同士ですから、少しでも歩み寄れる必要があります。

患者側も医者を信頼しながらも、適切なコミュニケーションをとらなければならないのです。

医者は神様ではありません。

平松類先生は、『知ってはいけない 医者の正体 (SB新書)』を執筆したのは、医師と患者の溝を埋めたいという気持ちによるものです。

特定の医師や病院を断罪する暴露本ではなく、医師・医療者の立場から見た、実情を経験をもとに、丁寧にひも解いてくれています。

平松先生は、眼科医としての専門的な著書だけでなく、メディアにも出演して、臨床の現場で患者と向き合い、新しい知識や情報を調べて、必要な情報をわかりやすくアウトプットしようという真摯な姿勢は、尊敬できる人間(医師)だと思います。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。