日本の会社員が「やる気」を失ったのは、安い賃金と脅しの経営、無駄な仕事とマイクロマネジメント

日本の生産性が低い、給与が世界基準で見ると低いと言われて久しい。

私の場合、子どもの頃、日本の会社員ってモーレツに働いて、頑張っていたイメージしかない。

いつから、こんなに悪くなったのかと尋ねられたら、日本の会社員の「やる気」がなくなったからだ、という答えを導いてくれた本、『日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか』(渋谷和宏・著)を読んで考えてみました。

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会社員の「やる気」がなくなった理由を探る

渋谷さんは本の中で、日本人の会社員が「やる気」をなくした理由は、安い賃金と脅しの経営、無駄な仕事とマイクロマネジメントなどが理由であると述べています。

確かに、身の回りの会社員で「やる気」に溢れていると感じる人は少なくなった気がする。

むしろ、副業・複業などに意識を向けているからには、本業の会社員として全力で取り組みきれない事情があると言わざるをえないのが現実だと捉えても問題ないでしょう。

達成感がなく、満たされない賃金なら、モチベーションは下がるのは当然

日本の会社員は、メンバーシップ型のスタイルだったので、異動や転勤を繰り返しながら、徐々に給与もポジションも上がっていくケースが多く、専門性が高いとは言い切れない管理職が多いのが特徴でした。

個人も組織も目指すべきところへの達成感がなく、なかなか増えない賃金・給与では処遇としての満足感も得られないのだから、当然、モチベーションは下がってしまうもの。

同じ仕事を海外でやっていれば、もっと賃金が高いと知ると、余計に絶望的な気持ちになります。

日本はバブル崩壊後、デフレ経済な時代が長かったのだから仕方がないという人もいますが、渋谷さんは、経営側が「脅しの経営」をしていたことを語っています。

モノやサービスが安いということは、結果として会社員の賃金に跳ね返っていたことは事実。

失われた30年は、取り返しがつかない状況を生み出してしまったのは認めるしかない。

少し高い目標でも、見返りがあれば挑めるはずなのに

少し高い目標を設定されたとしても、それに対して見返りが明確ならば頑張れるはずです。

ところが、最近まで、この見返りは限られていて、どちらかといえば、達成しなければ罰ゲームという展開が大半だったのは事実。

なんとも厳しい世界だったと、一緒に会社員として過ごした人たちは、うなづいてくれるに違いない。

結局、この罰ゲーム設定な状態が日本の会社員に強いたことが、着実に、多くの人にダメージを与えて、やる気を奪ったことは間違いない。

この苦しい状況を乗り越えられた会社員など、一握りに過ぎないのだから。

その苦しさを乗り越えられず、ギブアップするか、感覚を失ってしまうような態度をとった人々を揶揄することなんて、誰にだってできないのだから。

目標設定が信じられなく高く、途中で上方修正された私

私自身、会社員(サラリーマン)として働いていて、毎年、毎月のように目標設定に追われまくった時期があります。

その当時の上司は、信じられないほど高い目標を私と私のチームに強いてきました。

なんとか、その高い目標をチームとしてクリアをして、満足して月末を迎えようとした時に

「悪いな、他の数字が悪いから、お前のところにオンする(乗せる)よ!」

あんてる
いやいや、勘弁してよ。俺も、チームメンバーも必死になって目標をクリアしたのに、他のチームの分を乗せて何とかしろ!ってめちゃくちゃでしょ!

確かに、残り営業日数には余裕があったものの、上方修正された目標はどう考えても到達できそうにない状態でした。

しっかりと計画をして、月末は翌月の数字の仕込みに時間を使いたいと考えていただけに、この悪意ある目標の修正にはイラっとしました。

「あの、今回の目標達成はチャラになるのですか?」と私が尋ねると、上司は次のように答えました。

「そんなことはないよ。でも、組織全体が数字がいかないと最終的な評価がどうなるかはわかるよな」

脅しの経営というか、脅しのマネージメントとしか言いようがありません。

せめて、目標をクリアしたことへの賞賛とか、プラスアルファを達成した際の、インセンティブとかを明確にしない時点で、私のチームのモチベーションは上がるはずがありません。

大事なことは、その月の目標はクリアしているのですから。

賃金・給与が上がれば、社員はやる気を出して国力も上がると断言できるか

私が子供の頃にイメージしていた、会社員(サラリーマン)は、年々、着実に給与が上がって、ポジションも上がって、幸福な人生を歩めるという姿でした。

もちろん、嫌なこと(例えば、疲れるだけの接待など)があったとしても、ちゃんと見返りや未来が見えるのであれば、頑張れるのだろうと大人たちを見ていたのです。

果たして、私が大人になり、会社員として働いていて、賃金・給与の推移がどうなってきたのか。

グラフ作成をするつもりはありませんが、長年勤めていたとは思えないほどの伸び率です。

私自身が、エース社員として大活躍していないとしても、大失敗はせずに、ある程度貢献してきたのにも関わらず、この程度ならば、やる気を失うとか、手を抜きたくなるのも心情として生まれてしまいます(決して、サボってはいませんが)。

おそらく、私のような会社員たちは、もっと悲惨な会社員(倒産したり、首になったり、大幅な給与ダウンを味わう、など)もいたでしょうが、国力を上げるために貢献しきれていません。

もちろん、見返りがないから、そこまで頑張れない。

制約がありすぎて、チャレンジできる機会が少なかったのも事実。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。