あなたは、山口周さんの述べる『クリティカル・ビジネス・パラダイム』を理解できる?

素晴らしいけど、理解するのが難しい有名な著者として、山口周さんだと私は思う。

伝えている内容は間違いないのはわかるけど、腹落ちして、脳の奥に入ってきにくいのは何故なのか。

月1の読書会に向けて、必死に『クリティカル・ビジネス・パラダイム:社会運動とビジネスの交わるところ』を読んでみた感想です。

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「社会運動」と言われると、どうもピンとこない

クリティカル・ビジネス・パラダイム:社会運動とビジネスの交わるところ』の表紙と目次を読んだ時点での私の違和感は、「社会運動」という言葉にあるような気がする。

新興企業のビジネスの成り立ちや成長を語る上で、「社会運動」と言われてしまうと、どうもしっくりとこない。

確かに、AirBnbや、テスラは、かつての常識外のところで生まれて成長してきた会社なのは間違いない。

ただ、社会運動を起こそうというよりは、市場を新しく作ってしまう感覚でスタートしたのではないかと、私は勝手に考えています。

少数派による反抗が社会を変革するビジネスを生み出す

クリティカル・ビジネス・バラダイムについて、山口さんは下記の通りにまとめています。

投資家、顧客、取引先、従業員などのステークホルダーの価値観を批判的に考察し、これまでとは異なるオルタナティブを提案することを通じて社会に価値観のアップデートを起こすことを目指すビジネス・パラダイム

わかるようで、わかりにくいのですが、本を読み進めていくと、具体的な企業の事例が出てくるので、イメージが湧いてきます。

「少数派による反抗」というのも、なんかレジスタントなのはわかるものの、そこまで反逆精神に溢れているのではなく、今までのビジネスとは視点やアプローチが違うので、周りも理解が追いつかない存在だと認識します。

昔は、ビジネスよりも、ムーブメント的なもので見かけたのですが、今回のクリティカル・ビジネス・パラダイムだと、明らかに急成長した異端な企業の姿をまとめていると理解できます。

それは、立ち上げ時期に、ベンチャーキャピタル(VC)から投資してもらえない時点で、ビジネスとして厳しいと見られていたGoogleやAirbnbの話を読めば納得できます。

ソーシャル・ビジネスとも違う!新興企業群にアップルも入ると

ソーシャル・ビジネスとクリティカル・ビジネスって同じカテゴリーかと思っていたら、コンセンサスが取れていない状態での社会課題に取り組むのが違いだと比較の図表を入れて解説してくれています。

とすると、新興企業、スタートアップとして、取り組んで成功したから、クリティカル・ビジネスというのであって、途中で頓挫しているビジネス・企業も山ほどある点は、なぜなのか、というヒントが書かれていないのが残念でした。

つまり、クリティカル・ビジネスの成功者と失敗・脱落者の違いはどこにあるのかを明示して欲しい気持ちにならざる得ませんでした。

この振興企業群にアップルも入れられていたのは、驚きました。

アップルがマッキントッシュを世の中に出した時点でも、少数派の異端児企業だったのは間違いないと思うのですが、独自性を貫いたという点では、このカテゴリーに入れても良いのだとは思うのですが。

マイノリティ側の反抗は多数派に駆逐されることが多い

大事なことは、マイノリティ側の犯行は多数派に駆逐されることが多いという事実に対して、なぜ、彼らは乗り越えたのか、がわかるようで、再現性という点が気になりました。

私自身、若い時に、社内ではマイノリティ側の部門にいたので、全体会議に参加するときは、異端児扱い、まさにマイノリティの代表そのものでした。

多数派・王道側の人たちから見下されるような物言いも受けましたし、ビジネスオーナーの代理で参加したのに、ここまで小馬鹿にされるのかと腹を立てたことを思い出します。

その後、一定の成果を上げて、急成長させたことで、マイノリティにも発言権が生まれて、予算も立場も、イケイケな時期は味わいました。

ただ、社会にインパクトを与えるほどのことはなく、社内のバトルで終わり、世間への影響度は、断片的なものになったのは残念でした。

果たして、全てがこのパライダイムシフトに合致するのだろうか

クリティカル・ビジネス・パラダイム:社会運動とビジネスの交わるところ』を読み終えて、果たして、全てがこのパラダイムシフトに合致するのだろうか、という疑問は残りました。

世界の流れとしては受け止められても、日本企業が同じようにパラダイムシフトできるのか、と問われると厳しいと感じてしまうからです。

つまり、クリティカル・ビジネス・パラダイムに取り組むほどのスケール感を持って、成長できるのかどうか。

例えば、ユニクロ(ファーストリテイリング)は、クリティカル・ビジネスに加えていいのかと、山口さんに聞きたいぐらいです。

逆に言えば、日本では、この少数派による反抗の活動って、スケールアップできない、ローカルビジネス側に留まっているような気がしてなりません。

この原因は何なのか。読み終えたのに、どこかモヤモヤした気持ちが残りました。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。