2015年12月25日、電通に入社した新入社員の高橋まつりさんが、過労のため自殺したニュースには衝撃が広がった記憶があります。
なぜ、あの超有名な大手広告代理店に入社したばかりの彼女が、命を絶ったのか。
そして、労働基準法違反として労災認定されて、家宅捜査まで進み、社会に与えたインパクトはなんだったのかを改めて知るために、『電通事件』(北健一・著)を読んで考えてみました。
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なぜ、死ぬまで働くオーバーワークを求めるのか
死ぬまで働くという話を信じられないという人は多い。
もちろん、仕事に没頭することは悪いことではない。
だからと言って、心身が壊れるほどのオーバーワークは命を削ると言わざるを得ない。
どうして、そこまで激しく働くことになるのでしょうか。
電通という会社の中で、彼女の職場・働き方だけの問題ではない
大手広告代理店・電通の新卒社員として高橋まつりさんは、とても短い期間しか働いていない。
つまり、蓄積された疲労というよりは、一過性の異常な労働時間によって、心身ともに限界を迎えて自殺を図ったというのが顛末です。
彼女個人の職場(部署)や働き方だけに問題があったのではなく、以前も同様に働きすぎで命を落とすトラブルや事件は起きていた会社です。
広告を軸として社会を動かす存在だけに、その中で働くことは給与もプライドも高くなるのは当然としても、その身代わりとして命を削るほど働かなければならない環境。
個人ではなく、組織文化として働きまくらないといけない風土があったと認めるしかありません。
とにかくハードに働くことを求める企業体質「鬼十則」の存在
電通の社員手帳に2016年度まで載っていたのが電通の「鬼十則」と呼ばれるものになります。
電通の4代目社長である吉田秀雄氏が1951年に作成したものになります。
仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
なんとも気合と根性がこもった内容です。
確かに、この内容に従えば、粉骨砕身働かなければいけない文化が身に染み付いてるのは理解できます。
果たして、今の時代の働き手にとって納得できるものかと問われると疑問が残ります。
私も若い頃はかなり働いたけども、命を削る感覚まではなかった
私も20代の頃、猛烈に働いていた時期があります。
週6は確実に働いたし、朝8時〜夜10時までは確実に職場にいたし、その後、同僚やお客さんなども踏まえて飲みに行ってました。
もちろん、週末も夜中も溜まっていた仕事を片付けていたし、仕事をすればするほど成果につながるので、ある意味、麻薬的に仕事にハマっていた時期です。
到底、電通の社員さんと比べると大したことはないのでしょうが、労働時間という観点では壊れていた感覚はあります。
月100時間は確実に残業をしていたはずなので(その頃は、いろんな事情があって、細かい記録が残っていません)。
受け身ではなく、自分がやりたいこと、人に負けたくないと思って突っ走っていたので、疲労感よりも恍惚感に近いものを抱いていました。
当然、周りとの軋轢もあったし、最後には自分が壊れる感覚(心身、人間関係ともに)があったので、あのタイミングで踏みとどまり、当時の上司から無理やり異動をさせられて、シフト勤務になったことは、結果として私の身を守ってくれたのだと解釈しています。
あのまま、突っ走っていたら、私も倒れたり、自分の命を削った状態の未来は明るいものではなかったと思うので。
過剰な労働時間は人の健康を害し、心を壊してしまものだから
1日8時間の労働でも、本来は十分すぎるわけで、それに輪をかけて、過剰な労働時間を強いられてしまう状態は、やはり、異常としか言いようがありません。
結果として人の健康を害して、心も、身体も壊してしまう結果にしか結びつきません。
今も、猛烈に働く人、会社は存在しています。
それぐらい夢中になって突っ走れることは人生の一時期は必要な経験なのかもしれません。
ただ、この耐性は、個人差があり、望まない仕事を無理やり長時間やったり、ストレスの溜まり続ける状況であれば、確実に壊れます。
電通は変わったのかもしれないし、まだ、根付く文化・DNAは残っているのでしょう。
結果として、社会を明るくして、人を幸せにしないのだとしたら、とてつもなく残念なことだと言わざるえません。
月100時間の残業の生み出す価値って、本当に素晴らしいものですか?
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。