『武漢日記』方方(著)から「日記」という描写で発信を続けた価値を感じた

コロナウィルス(COVID-19)が発生したのは、湖北省武漢市だったことは記憶に刻まれています。地域限定のウィルス感染だと思っていた頃は、対岸の火事のようで気にならなかった日本人は多いはず。

世界に感染が爆発的に拡大してからは、なぜ、武漢市は初期に封じ込めきれなかったのかと、恨み節の感情が芽生えなかったといえば嘘になります。

当時、中国の女性作家で、武漢に住む方方(ファンファン)が60日間綴った日記が1冊の本『武漢日記 封鎖下60日の魂の記録』になり、話題になっていました。

1年以上経過して、私は気持ちも落ち着いたことで読むことができたので、感想も交えてまとめます。

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当事者の生の声、想いが伝わる60日の公開日記

未曾有の経験の中で、悩み、苦しみながら明日に向かって生きた証

現地で過ごす一人の人間が作家という立ち位置を無視して、日々を綴っている内容は、彼女の心情と、武漢の町の様子、病院・医師の姿などを知る上では価値のある資料になっています。

一部、彼女の批判精神が出過ぎている場面に閉口したくなる点はあるものの、当事者としての思いと受け取れば納得できるものでした。

武漢から始まった新型コロナウィルス(COVID-19)と彼らの生活

2020年末から、武漢で発生していた、新型コロナウィルス(COVID-19)が、爆発的に広がったのは、何故なのか。

どうして、行政府や中国という国がギリギリまで情報をオープンにしなかったのでしょうか。

結果として、春節を迎えて、大量に人々が動き回ったことで、武漢、中国国内だけでなく、世界中に蔓延して、今もなお、終息する時期が読めない、新型コロナウィルス。

間接的にしか情報が伝わってこない、武漢という街と発生源と拡大の理由は、明確な検証は終わっていません。

方方の『武漢日記 封鎖下60日の魂の記録』を読むと、原因究明には至っていないものの、武漢が封鎖下でどんな生活を強いられていたのかが理解できます。

最初にSNSで発信した医師の話

2019年末に、眼科医の李文亮氏は、この新しい感染症についてSNS上で発信しています。

ブログを書き終わったところで、李文亮医師(1986年生まれ。武漢市中央病院の眼科医。12月30日に感染症の発生を最初にSNSで発信した医師の一人)が亡くなったというニュースが入った。彼は訓戒処分を受けた八人の中の一人で、コロナ肺炎に感染していた。いま、武漢市民はみんな彼の死を悼んで泣いている。本当につらい。

方方さんが日記の中で語った通り、この眼科医は、コロナ肺炎に感染して亡くなりました。

警鐘を上げた本人が亡くなってしまい、当時の振り返りや事実を語れません。

今までの医学の知識、症例にはない病気や感染が起きていることを伝える役割を行った彼に向けて、方方さんは何度も日記の中で語っていました。

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全般的には、中国の事情や文化が絡むので日本人にはわからない部分がある

中国の作家が、日記という体裁で、公開を続けた内容は、中国の事情や文化をよく理解できていない私のような日本人にはわからない話もたくさん出てきます。

また、彼女を批判する相手に対してだったり、感染を不作為に広めたであろう相手に対して、痛烈に批判している部分が続くと、正直、辟易してしまう感じは否めませんでした。

方方さんが、日記の中で、唯一、日本に触れていたのは以下の部分です。

聞くところによると、日本の感染症対策はすぐれているらしい。日本人の衛生意識が高いことに起因していると思われる。確かに、全世界を見渡しても、日本ほど清潔な国はない。だから、日本人は長寿なのだ。とにかく、衛生は多くの病気の予防になる。

日本の衛生意識と感染症対策は素晴らしいと賞賛されているものの、違和感が残ります。

そこまで完璧に感染を防御できたわけではなく、実際は、いまだに、日本ではコロナとの戦いは終わりが見えていない。

感染症と戦うのに考え方と情報の差は大きいけども

感染症との戦いは、情報の理解の格差と考え方の差は大きいのは、中国も日本も、世界各国で同様のことが起きているのではないでしょうか。

正しい情報を集めて、分析して、発信する役割は専門家と行政府側にあるのは間違いない。

ただ、都合が悪い情報であれば、隠蔽をしたくなるのは、彼らも自らを守りたいという防衛反応なので、全責任を取りたくてたまらない人間はいない。

さらに、主義や考え方まで及ぶと、本筋でない、批判や批難合戦が生まれやすい。

本質は、立場や地域を越えて、この感染症を撲滅する(無難な対策を図る)ことに全力を注ぐべきであって、誰かの揚げ足を取ることではない。

一方で、見えない敵と戦うストレス、予測できない展開にイライラするのも避けられない。

私たちは、コロナ時代で何かを見出して、アップデートされなければいけないのだと感じます。

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安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。