【映画】「ボクの妻と結婚してください。」(2016年公開)は残される家族への愛を感じた

原作本(小説)があり、ドラマ化もされて、映画化も、というコンテンツの多重展開。

文章と映像という意味では、被らないものの、ドラマと映画というジャンルはバッティングした場合、評価が分かれることになります。

映画「ボクの妻と結婚してください。」は、織田裕二主演の作品であり、ドラマ版では内村光良主演という違い。どちらが原作に近いイメージなのかは視聴者側が判断すれば良いのです。

今回、映画版の感想をまとめてみました。

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テレビ番組の構成作家を演じる家族思いの男を織田裕二

織田裕二といえば、「踊る大捜査線」の青島俊作刑事の役であったり、「東京ラブストーリー」のカンチ役など、印象に残る主役を演じてきました。

寡黙な男もできれば、陽気なキャラクターも演じられるという多彩な役者さんです。

一方で、あまり、ファミリー系の作品に出ている印象はない。

Oh,My Dad!!(2013年、フジテレビ)ぐらいしか記憶に残っていません。

それだけに、「ボクの妻と結婚してください。」で構成作家でありながら、家族思いで奥さん大好きな男というのは、違和感がありました。

ただ、奥さん役の吉田羊と、キーマンになる男を原田泰造が演じることで、作品全体に温かみが増して、感情移入しやすい作品になっていました。

タイトル通り、残り少ない自分の人生の最後に妻のために最高の結婚相手を探そうと夫と候補の男性、という非常識な展開がストーリーの軸なのは、予告編を見てもわかる話。

世間では、不倫騒動で叩かれる芸能人や有名人の話が話題になりやすいものの、余命を宣告されたので、後夫(後妻という言葉は聞きますが、夫バージョンは聞かないです)を選ぶプロセスに関わるなんて、キテレツで奇想天外です。

だからこそ、面白い番組を作る構成作家という職業の人物設定なのでしょうけども。

織田裕二さんの良くも悪くもオーバーな表情のアクションで、喜劇とホームドラマの境目を演じると、浮いてしまう部分は否めないのでしょうけども、周りのメンバーがしっかりと固めているので、納得できる作品に仕上がっっています。

※興行収入としてのヒットとは言えない作品だったようですが(映画化するコンテンツなのか、ドラマで十分なのでは?という声も納得できます)

3人でデートって、若者の恋愛ドラマみたいで、不自然な光景

現夫婦と、将来の夫候補の3人で楽しそうにデートをするシーンが出てきます。

2組のカップルのダブルテートみたいなものならば、わからなくもないですが、この組み合わせで、ほんわかさせるって、おかしな話ですよね。

前夫と現夫が一緒に妻と会話をするなんて、トラブルの姿しか浮かばないですから。

ストーリーの展開として、残された家族、妻はどんな選択をするのかというのは、見ものでした。

痛みや苦しむシーンをカットしていることで、非現実感が伝わってきて、悲しい物語の部分をあっさり目に仕上げてくれています。

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残された家族に何を残してあげられるのか?という命題は、遺言書云々ではない!

人の命はいつかは尽きるもの。

どちらかが先立ち、残された家族には、何を残してあげられるのか。

常識的には、資産などでの生活の安心を与えてあげたいもの。

預貯金や生命保険、不動産などを残して、遺言書などの形で明らかに残して、最低限の生活は維持できるようにしたいと考えるのが普通でしょう。

ただ、それ以外のことについては、責任の取りようがありません。

自分の亡き後、幸せに新しいパートナーを見つける、見つけないって考えるのは、自分では関与できない未来の話です。

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もし、自分がバトンを渡される役に指名されたら

もし、自分が独身者で、誰かにバトンを渡される役、今回の原田泰造さんが演じた立ち位置だったらどうなのだろう?と想像してみました。

実は、日本では、戦前までの時代ならば、大家族の関係の中で、養子に出したり、妹が亡くなった姉の後妻のポジションに収まるというケースは、ある程度、普通のことだったと聞いたことがあります。

大家族のグループの中であれば、今回の展開は親戚内の調整として落ち着かせることができるのかもしれません。

核家族になった現代は、このバトンを引き渡される側のプレッシャーも、その周囲の家族のことも考えると、理解を得るのは容易ではありません。

ボクの妻と結婚してください。」は、現実には起きそうにもないけれども、夫婦の愛や家族のことを考えるには、良いテーマだったと思います。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。