日本近現代史を学べる『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は高校生向けだったという驚き

日本の近代史を学ぼうとすると、他国との戦争の話は避けられません。

日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、太平洋戦争と続く歴史。

日本は、それぞれの戦争で何を考えていたのかを高校生と向き合いながら、東大の教授・加藤陽子さんが語った内容をまとめた1冊が『それでも、日本人は「戦争」を選んだ 』です。

今回、読書会の課題本になっていたので読んでみました。

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なぜ、国力に劣る日本が戦争をしなければならなかったのか

近現代史の中で、日本が世界と戦争をする理由は何だったのでしょうか。

戦争を知らない世代から冷静に見れば、国力に劣る日本が、他国と戦争をして勝てる見込みがあったとは思えません。

ただ、事情がなければ、戦争なんてことは起こさないわけですから、このあたりのポイントを本の中で探っていきました。

戦争を望んでいた好戦的な国ではなかったはずなのに、戦争を続けた日本

江戸時代に鎖国をしていた日本が、明治に入り、国を開き交易を行いつつ、産業と軍事力を高めていたことは、歴史が証明しています。

元々、好戦的な国ではない日本人(混乱期は除く)が、なぜ、日清戦争から太平洋戦争まで、無謀なまでに戦いを挑まなければいけなかったのか。

この本のタイトルそれでも、日本人は「戦争」を選んだ のような思いは、長らく私の頭の片隅に残り続けていました。

精神論を振りかざす面で鼓舞しようとしたとはいえ、冷静な分析をすれば、勝てるはずのない戦争を戦術(戦略ではない)で、勝負をしたように思えていました。

特に、日清戦争、日露戦争までは、大きな損害を抱えても奇跡的に勝ててしまったことで、勘違いをしてしまい、他国との中で軋轢を生み、確実性のない他国の事情を想定して、仕掛けた戦争。

多くの人が巻き込まれ、亡くなっていきました。

軍部が独走をしたとか、国家として暴走していたとか、異常だと語ってしまうことで片付けられないものが残っているのではないでしょうか。

空気を読んでしまう日本人の原型が、この戦争を止められず、突き進んだ背景にあるような気がします。

冷静に考えれば、戦争に勝てる国とは言えないのに

具体的に戦力や軍事品の生産力、人口などを考えれば、日本が勝てる要素など、ほぼなかったですし、島国をわざわざ攻め込むような外国もなかったはずなのです。(貴重資源があると思われれいた、黄金の国ジパング の幻想があれば別ですが)

冷静に考えれば、戦う前からわかっていただろうに。

戦力として比較して勝てないことなんて。

本の中にも出てきたように、駆け引きであったり、様々な要素が絡み合って、戦争への道を選んでいった日本の指導者と軍部関係者。

彼らに長期的なビジョンやゴールが明確であったとは考えにくい。

いかにも、その点は、場当たり的な日本人にありがちな思考回路だと言わざる得ません。

私の祖父はスマトラ島に行ったけど、詳細な話をしてれくなかった

私の母方の祖父は、太平洋戦争でスマトラ島で戦った陸軍兵(階級などは不明)だったらしいことは話を聞いて覚えています。

ただ、それ以上の詳細な話は何も語らずにこの世を去っています。

過酷な体験として、食料も衛生面も、様々なことが厳しかったことは推測ができますが、明治生まれの男らしく、不平不満を述べることは一度もありませんでした。

「戦争はやってはいけん」

それだけしか、私の記憶には残っていません。

現地で、どんな思いをして、何を考えていたのか、今となっては聞きようがありませんが、どうしても気になるのが本音です。

戦争を知らない世代として、歴史を多角的に知る価値は必要

大学の研究者である加藤陽子さんの話を高校生(一部中学生)の歴史に興味がある若者が耳を傾けていたという光景(年末年始あたりの特別授業だったらしい)を思い浮かべます。

本の中に出てくる登場人物は、知らない外国人もいれば、日本人も出てきます。

そして、知識量としては圧倒的な差があるなかで、彼らが理解したのでしょうか。

しかも、講義から10年を経て、彼らは社会に出て働いているだろうと思われます。

日常の中で、戦争を歩んだ日本人たちのことを思い出すことはあるのだろうか。

彼らが直接聞いて学んだ、歴史の多角的な情報が、何らかの形で、今、活かされていることを願っています。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。