藤原良さんの『闇バイトの歴史』は、たまたま、図書館の棚に並んでいて、手に取った一冊、偶然の出会いにすぎません。
実際に読んでみると、ここ最近の様々な犯罪の手法、流れが理解が進み、何が問題なのか、どう防げばいいのか考えるきっかけになりました。
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「闇バイト」の歴史を学んでみる
いつの時代から「闇バイト」という言葉が世の中で、普通に使われるようになったのでしょうか。
もちろん、ブラックなアルバイトは昔からありましたが、犯罪にまで手を染めるなんていうことは少なかったはず。
今は、入り口が簡単に見えて、抜けられない「闇バイト」という存在は、着実に世間に広がっているのは事実です。
トクリュウとは何か、ちゃんと理解できてる?
いつからか、オレオレ詐欺」が「特殊詐欺」と言われるようになって、詐欺の手法が巧妙になったのはわかっていたものの、「トクリュウ」という存在まではよくわからなかった。
今回、『闇バイトの歴史』を読んで、現代の詐欺の経緯・歴史を紐解いて理解することができました。
トクリュウとは、匿名・流動型犯罪のことを指します。
「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)による被害が後を絶ちません。トクリュウによる犯罪の特徴は、中核的人物の匿名化と犯罪実行者の流動化にあるため、その犯罪は特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺、強盗・窃盗、オンラインカジノ、フィッシング詐欺など多岐にわたり、取締りは急務となっています。(政府広報オンライン:匿名・流動型犯罪グループ対策より)
問題は、犯罪の組織が匿名で首謀者・中核的人物が特定できないことにあります。
実行犯となる存在は逮捕できるとしても、大元を断つことができないという点は、通信手法として、消える通信アプリSignal(シグナル)やTelegram(テレグラム):を用いる点などが特徴です。
芋づる式に、一網打尽に犯罪グループを根こそぎ捕まえることができないという点がネックになっています。
楽して稼ぎたいの延長にある「闇バイト」
額に汗して働くような昭和の労働が求められない時代になると、なるべく楽をして手軽に嗅げるような、スポット型のアルバイトが増えています。
その中に「闇バイト」が埋もれており、知らぬ間に犯罪グループの一員となり、抜けられなくなっている人もいるという話。
借金を背負ってしまった、楽して稼げいたい、色々な思いを利用するような形で、普通の一般人を犯罪者の一員に仕立て上げてしまう恐ろしさ。
首謀者などは捕まらずに、トカゲの尻尾のように切られる存在は、手軽なバイト感覚で手を出したがために、個人情報を奪われてがんじがらめになっているとのこと。
暴力団対策は法整備、警察なども合わせて取り締まりを強化したものの、トクリュウ型犯罪の場合、組織が見えずに、根絶することが難しい。
「闇バイト」で稼ぐことを悪いと思えない感覚になっている社会、個人共に問題は根深い。
「簡単」「楽」という響きの向こうに何があるのか
苦労して稼ぐ1万円も、お手軽に手にいれる1万円も、金銭の価値としては一緒です。
それだけに、「簡単」「楽」という言葉に引き寄せられる人の心情はわからなくはありません。
冷静に考えれば、そんな安直な方法はないわけで、何かしらのカラクリがあると捉えるのが正しい判断であって、自分で熟慮するか、誰か周辺の人に確認すれば気づける問題を見落としているのでしょう。
もちろん、犯罪には被害者がいるわけで、被害者側の理解やリテラシー、対策不足も拭えない問題であり、本の中にもあった通り、日本人はターゲットにされやすい国民なのでしょう。
「闇バイト」などしなくても、安心して暮らせる国であるために
「闇バイト」などに手を出さなくても、安心して暮らせる国であれば、加害者になってしまう個人が増えなければ、当然ながら、被害者も増えないことになります。
もちろん、生活が苦しい、欲求に勝てない、健康不安がある、など、様々な事情があるのはわかります。
そうは言っても、日本は生活困窮者が餓死にまで追い込まれることは少ない国です。
「闇バイト」に引き込まれないために、新しい犯罪を防止するために、もっと、知恵を使い、防御するノウハウと、個人の判断力を高めるしか道はないのでしょう。
結局は、イタチごっこに過ぎなくて、今の犯罪を排除できても、新しい犯罪を生み出す輩はいることでしょう。
いつも思うのですが、その知恵、能力をもっと社会の役に立たせる方向に向かわせることはできないものだろうか、といつも頭の片隅で考えています。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。