故・瀧本哲史さん著『ミライの授業』は14歳の中学生と元14歳に読んでもらいたい一冊

良書と言われても、読みたい本が多すぎると、時間が確保できないと後回しになりますよね。

もしくは、書評ブログ記事でダイジェストな内容で、大枠を理解して済まそうとします。

ただ、瀧本哲史さんの『ミライの授業』は、一度、読んでおいて、自分の頭の中にインストールすべきメッセージが多いので、絶対にオススメしたい本です。

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未来をつくる5つの法則を学ぼう

瀧本哲史さんの『ミライの授業』は、歴史上の偉人の話が羅列してある本に過ぎないのかもしれない。

私が、この本を手にした時の第一印象です。

ヘンリ・フォード、ビル・ゲイツ、フローレンス・ナイチンゲール、伊能忠敬、嘉納治五郎、など偉人伝や名言集などで取り上げられる人ばかり。

14歳であれば、知らない人物もいるかもしれませんが、普通に中年として生きている大人な私にとっては、全くエピソードを知らない人物などは、数名しかいませんでした。

偉人すごい、君もなれる!

このメッセージを若者に伝えるならば、大人には不向きな一冊かもしれない。

しかし、この1冊は5つの講義から成り立っていて、「?」を並列している特徴が気になり、読み進めました。

この本の骨子、未来をつくる5つの法則は下記の通りです。

法則1:世界を変える旅は「?」からはじまる

法則2:冒険には「?」が必要だ

法則3:一行の「?」が世界を変える

法則4:すべての冒険には「?」がいる

法則5:ミライは「?」の向こうにある

この5つに対して、真摯に向き合って語りかける瀧本さんのメッセージには深さを感じます。

?の5つの答えを埋めてみる

5つの法則の「?」部分を埋めて見ましょう。

法則1:世界を変える旅は「違和感」からはじまる

法則2:冒険には「地図」が必要だ

法則3:一行の「ルール」が世界を変える

法則4:すべての冒険には「影の主役」がいる

法則5:ミライは「逆風」の向こうにある

穴埋めの回答を楽しみにしていた人には申し訳ないですが、この5つのフレーズに、大きな価値とメッセージを感じました。

「違和感」「地図」「ルール」「影の主役」「逆風」

生きていく上で、何事かに「違和感」を感じるし、自分の生き方に迷ったら「地図」がいる。

固定概念と思われていることは「ルール」を書き換えればチェンジできるし、表舞台に立つ存在の裏には、必ず「影の主役」は不可欠なのは理解できます。

さらに、「逆風」がない人生、「順風満帆」のまま生きるなんて無理な話。

誰の人生にあっても遭遇するキーワードです。

私は「影の主役」であろうと思ったことが何度もある

この5つのフレーズの中で、一般的に使う頻度が少ないフレーズは「影の主役」だと思います。

言い方によっては脇役とも思われがちな「影の主役」ですが、不可欠な存在です。

子供のころ、勧善懲悪なヒーローものが大好きで、必ず悪を懲らしめる時代劇も好きでした。

誰が主役なのか、わかりやすい、必ず倒すというのはかっこいい。

このままの価値観で大人に向かおうとした一歩手前の思春期に、大事なことに気がつきます。

誰もが主役になれるわけでも、敵役になれるわけでもない。

この頃、白と黒の間にある、グレートいう存在について噛みしめるようになりました。

また、表に立つ主役だけがすごいのではなく、主役を引き立てる、育てる存在。

スポーツであればコーチ、教育であれば指導者(先生)、生活習慣であれば親、など。

それぞれ導いてくれた相手がいたらから成功しているのではないでしょうか。

私は、中学生まではトップに立つ野望を持つ子供でしたが、高校生からは、表舞台で目立つ大活躍するのではなく、裏方に近いポジションで成功させるのが好きになりました。

小さな例になりますが、高校の文化祭の後夜祭の出来事。

私は、当日は、部活の大会があるので、事前準備の手伝いと後夜祭以外は参加できません。

部活の試合を終えて疲れた体で、必死に学校に戻ったのは、後夜祭のクラス対抗の大縄跳びを競うイベントがあったからです。

私は、この大縄を回す係でした。

当然ながら、飛んでいるクラスメートは無我夢中で必死になります。

だって、No.1になりたいと思っていたわけですから。

ただ、縄を回す立場としては、皆の息を合わせて、同じリズムで回し続けるのは大変な作業。

しかも、自分は陸上の大会後、自転車で学校に戻ってきているので、正直、疲れています。

めちゃくちゃ頑張って回しました。

確か1位は取れなかったような気がしますが、僅差の2位になりました。

残念な表情をする面々の中で、たった一人、私に話しかけてきた友達が一人いました。

「試合後で疲れてるのに、ありがとう。お前のお陰で、こんなに跳べたんだぜ。練習中にうまくいかなかったから」

私は、大縄跳びの練習に参加をしていませんでした。試合前に余計な疲れを溜めたくないという、ワガママな理由でした。

でも、この友達は、ちゃんと私のことを見てくれていたのです。

表舞台の主役級でなくても、大事な役割ってあるって気づいたエピソードです。

それ以降も、何度も、「影の主役」に徹する場面が増えました。

大半の人には見えていなくても、状況を丁寧に見てくれている人にはわかる存在が「影の主役」です。

無理やり、主役として目立つのではなく、しっかりと支える裏側の立場で主役の役割を果たすのも悪くない生き方です。

14歳の中学生に語るようで、大人たちにメッセージを伝えたかった瀧本さん

年齢を区切ることでターゲットが明確になりますが、この『ミライの授業』の後書きのパートで2つのポイントを伝えています。

わたしは14歳のきみに、いちばん若くて可能性に満ちあふれたきみに、投資することを決意した。(中略)14歳の君たちには、未来がある。可能性がある。

瀧本さんは、14歳にミライを託したいと願って書いています。

人生訓でもなければ、偉人の素晴らしさの押し売りではなく、きみたちならできるんだよ、という温かいメッセージを送っている。

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そして、もう1つ、大事なメッセージがラストに残っています。

誰もがかつては14歳だった。自分の可能性をあきらめ、愚痴や不満ばかりこぼしている大人たちも、かつては14歳あった。わたしはきみに、そしてすべての「かつて14歳だった大人たち」にこの本を送りたい。たとえ何歳であろうと、未来をあきらめることは許されないし、わたし自身が未来を信じているからだ。

瀧本さんは47歳の若さで亡くなられましたが、未来を信じて生きていた人なのは間違いありません。それだけに、残念でならない気持ちが込み上げてきました。

私は、瀧本さんと同じように未来をあきらめないで前に進んで生きていく、一人の大人であり、若者の見本でありたいです、と本を読み終えて、手を合わせて祈りました。

<瀧本哲史さんの著書>

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。