経済ジャーナリスト・荻原博子さんの本は投資を進めない!
手持ち現金を確保することと、家計の無駄を減らすことを主張している荻原博子さん。
経済ジャーナリストという立場だからこそ、どの金融機関や商品からも自由な立場で意見が言えるので、各メディアへの露出も多い。
金融本のコーナーでタイトルが異質で目に引いたのが、荻原博子さんの『投資なんか、おやめなさい 』でした。
デフレの中でしなくてはならないことは、「借金減らして、現金増やせ!」。これは、私がデフレに突入して以来、一貫して言い続けていることです。
この後半に出てくる言葉こそが、荻原さんのスタンスだと理解すると、この1冊全体の主張がわかります。
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こんなタイトルの本を書いて、金融機関や経済学者などから嫌われてしまわないのだろうか、という素朴な疑問を持ちつつ、読み進めました。
金融商品による投資を全否定、外貨建て生命保険、毎月分配型投信、純金積立、投信積立、マンション投資、個人年金など
金融雑誌、マネー本などでは、トレンドに合わせた金融商品をアピールするものを目にします
外貨建て生命保険、毎月分配型投信、純金積立、投信積立、マンション投資、個人年金。
売り手側の都合からすると、個人が預金を定期預金においても、ほとんど増えないならば、確実に運用する方法があるという切り口は同じでありながら、それぞれの商品のパンフレットや営業マンは語ります。
「そこまで素晴らしいならば、販売しないで自分達だけで持てばいいのに」
デフレの中でしなくてはならないことは、「借金減らして、現金増やせ!」。これは、私がデフレに突入して以来、一貫して言い続けていることです。
こんな風に考えられる人は、いかなる金融商品には騙されないでしょうし、荻原さんのようなスタンスを潜在的に持ちうる賢い個人なのかもしれません。
一方で、将来は、年金が不安だ、日本は人口減少で不況に襲われる、などの暗い予測を耳にするだけに、生き残る方法として、虎の子の資産を投資に回そうと考えたくなる気持ちも生まれてきます。
その考えを、一刀両断に切るのが荻原さんのデフレ時代のマネー対策として訴えているからです。
確かに、手数料で儲かるのは誰なのか、なぜ金融機関が商品として展開するのか、と考えれば、個人にリスクが伴うのは事実。
どの商品も、数年後、数十年後の世の中や景気、経済状況を予想することはできても、実際は異なるかもしれません。
この『投資なんか、おやめなさい 』を読み進めると、いかなる金融商品も解約して、タンス預金(今は個人宅に金庫が増えているそうですが)に残しておくか、金融機関に利子はなくても置いておく道を探りたくなります。
投資は誰のためにやるのか
ここで原点に立ち返って、投資は誰のために行うのか、ということを考えてみます。
国家であれば、投資は国益や将来の世代のために行うのでしょう。
会社組織・団体などであれば、投資は今後の成長に向けた決断です。
では、個人は、誰のために、何のためにやるのでしょうか。
未来の自分と家族の生活を安心するため、のはず。
そのためには、金融商品に関する正しい知識だけを磨くのではなく、どんな生活をしていくのかというライフビジョンを作ること、その前提となる健康で安定して、楽しい毎日を送っていることがポイントです。
もし、宝くじで高額当選をしたとしても、幸せになるという保証はないのです。
投資は誰のためにやるのか、何のためにやるのか、ということを忘れずに、投資を実施するかどうかの選択することが大事なのです。
投資をしないで済む人生が送れれば
でも、投資って成功する話よりも、リアルには失敗した話のほうが溢れています。
投資をしないで済む人生が送れれば、余計ないことに気持ちが動揺せずに過ごせます。
デフレ時代に現金を増やす。
その考え方で、安心できる人は、荻原さんのスタンスに従って、成功してください。
このまま、日本がデフレから脱却できないならば、正しい選択です。
もし、インフレになった場合、その現金を元に投資(たぶん、荻原さんならば、株式投資以外は進めないのかもしれませんが)にチャレンジするという道もあるので。
投資をしないで済む人生が送れる人とは、現在、資産家であるか、他人や世間と比較しないで慎ましやかな生活を過ごせる人だけなのではないかと考えます。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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