毎年の交通事故死者数と自殺者数の数値から考える
年末になるとお決まりのニュース・話題というものがありますが、年末に出てくる交通事故者数と自殺者数という数値データを見ながら考えてみます。
暗くなりそうな話題になりそうですが、掘り下げながら一緒に考えるヒントにしてください。
交通事故死者数が減った原因を推測してみる
私の記憶によれば、交通事故者数は年末に1万人に到達するか否かが話題の中心でした。
政府の発表する公式データ、「平成29年中の交通事故死者数について」(交通局交通企画課)で推移を確認してみました。
昭和40年代までは、右肩上がりに増えていた交通事故者数が大幅に減り、毎年緩やかに減っています。
交通事故死に関する分析や違反行為への取り締まり強化、自動車メーカーの技術革新と、継続的な交通安全の啓蒙活動などが大きな要因だと推測されます。
・シートベルト着用率の向上
・悪質・危険運転、飲酒運転禁止などの徹底(罰則・処分強化)
・エアバック・自動停止システムなど車両側の技術改良
今後、自動運転が主流になる時代が訪れた場合、さらなる、交通事故死者数が減っていく傾向が高まることを期待したいです。
自殺者数は減ってはいるものの、毎年2万人を割ることはない
自殺者の年度推移データ(「平成29年中における自殺の状況」 厚生労働省自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課)を調べてみました。
2017年まで8年連続の自殺者数は減少という意味で、2006(平成18)年に制定された、自殺対策基本法(通称:自殺対策法)が効果を上げているという見解も耳にします
1998(平成10)年~2011(平成23)年までの13年間が3万人を越えており、バブル崩壊後の失われた10年(20年の前半)で、自殺者の男性が大幅に増えていたことを物語っているデータです。
自殺対策法により、相談窓口を増やし、自殺総合対策推進センターの活動、命の門番である「ゲートキーパー」による支援、自殺予防週間、自殺対策強化月間などの広報・啓蒙活動などの施策を厚生労働省と関係各機関ともに取り組んできた成果という意見もあります。
一方で、自殺者数や交通事故死者数、病死などにカウントされないものの、行方不明者が年間8万人(警察への届け出受理件数のみ)を維持していることを考えると、本当の数字は見えていないのが現状です。
日本人に自殺が多い理由を探った一冊
NPO法人「ライフリンク」を立ち上げ、「自殺対策基本法」成立の原動力となった清水康之氏と、「生きる意味」を問い続ける文化人類学者の上田紀行氏が「自殺社会」日本を考えて、「生き心地の良い社会」まで考察した対談本『「自殺社会」から「生き心地の良い社会」へ』を読みました。
改めて、この自殺というテーマについて考えることになりました。
親が自殺した子どもの生きにくさ、生活の苦しさ、社会の自殺者への冷たいまなざし、いじめの問題、などを考えつつ、本当に豊かに生きるにはどうすればいいのかと展開されています。
この本は、既に8年前刊行されているので、当時よりは時計の針は進んでいます。
「好きなこと、得意なことをやればいい」(無理はしなくても大丈夫)
という空気を作り出して、ブラック企業から逃げ出すことや、自分を追いこまないようにメッセージを伝えています。
実際、年々、心療内科などに通う人は増えて、精神疾患の鬱病、気分障害、発達障害などを理由に社会の中で閉じこもっていく状態です。
心の不調を訴えて、社会復帰できている人もいますが、自殺を選ばないレベルでとどまるものの、セーフティーネットに守られて生きている印象はありません。むしろ、社会から隠された存在に落ち込み、「1億総活躍社会」(最近、総理の口から聞かなくなりましたが)のメンバーから外されているのではないでしょうか。
幸福の価値観も、人の生き方も多様で構わない。自分のスタイルも相手の生き方も尊重して、お互いが幸せな毎日を生きられる社会になるというグランドデザインをしっかりと描いていきましょう。
人生100年時代が苦痛の期間となるのではなく、健康で、好きなことを楽しめる人が多い日本という社会を未来に作るために、今の自分に何ができるのか、ということを私は考えていきます。
もし、今、あなたが煮詰まって、つらい状況ならば、Expand(拡張)してほしいと願っています。やったことがないものの、やってみたかったことに、ちょっとチャレンジしてみましょう。
1人で勇気がないならば、私がそっと背中を押してあげます。話も聞いてあげますので。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。