関東大震災にジェノサイド(集団殺害行為)があった事実に向き合う

9月1日といえば、防災の日。

もはや、関東大震災当時に生きていた日本人はいないぐらい、時間が経過しています。

小中学校の防災訓練を行い、大きな地震が来たらどうやって対応すればいいのかを学んできた記憶が残っています。

そんなタイミングで気になっていた関東大震災 虐殺の謎を解く ――なぜ発生し忘却されたのか』(渡辺延志・著)を手に取って読んでみました。

関東大震災で虐殺があった話は知っていても、詳細はわかっていないだけにしっかり向き合ってみようとチャレンジしてみました。

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関東大震災の被害と防災の日を確認

1923年(大正12年)9月1日 午前11時58分に、相模湾北西部を震源とした関東大震災は、死者・行方不明者を約10万5千人、東京市では、64%の家屋が消失したとされています。

南関東を中心に、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県で震度6を観測しています。

近現代の天変地異としては、最大規模の被害を生んだのは間違いありません。

だからこそ、9月1日は、防災の日として長年、意識の啓蒙を与えています。

生活インフラを失い、混乱の中で、虐殺行為が起こっていた関東大震災

突然、大地震に襲われると、生活インフラを失い、混乱になります。

まずは、自分と家族の命を守り、食事を確保することが最優先。

その困っている、弱っている人に対して、悪事を働く連中がいる。

しかも、関東大震災では、「不逞鮮人」と言われた朝鮮の人たちが、槍玉に上がり、彼らが暴動や事件を起こしているような風潮、空気を生み出して、自警団、在郷軍人たちが虐殺行為を行なってきた事実。

中には、日本人なのに、誤解されて殺された人もいるという。

一方で、彼らはその後、重い罪に問われていないという不思議さもあり、歴史の中に埋もれている史実なのではないかと考えます。

危機的状況・パニックだから暴動が起きてしまうのは避けられないのか

危機的状況・パニックが起これば、何が正しいのかという判断ができなくなり、不安からくる感情の暴走が、常軌を逸した行動につながることがあるのかもしれない。

冷静ではいられないのだから。

普通の状態、日常ならば、絶対に行わない行動に突き進んでしまう状態まで追い込まれている人たちは、何をするのか予測不可能な部分は否めない。

関東大震災も街が壊滅的な状況になり、インフラだけでなく、情報も伝わらない中で、不安から起きたデマだけが一人歩きし、その結果、暴動、虐殺行為という結果につながっています。

不逞だったのは、朝鮮人と呼ばれる人々よりも、武器を持って相手を傷つけた側の人間のはずなのに、どうも不可思議な展開です。

都合の悪いことは消されてしまうものなのでしょうか。

混乱期にこそ、冷静に立ち回るようなリーダーが必要だと感じます。

朝鮮人だけが殺害されたわけではない!彼らに怒りをぶつけた背景はなんなのか

関東大震災の最中で殺害されたのは朝鮮人だけではなく、社会主義者なども含まれます。

今でいう、マイノリティな立場の人たちを追い込んでいたのです。

彼らに怒りをぶつけた背景を、当時の日本の背景からロシア、共産主義に対する危機感、当時の海外で起きた日本人殺害(本質はよく分からないですが)事件を持って、同種族の人たちへのレッテルを貼り、恐怖を打ち消すためには、やっつけてしまうしかないという発想。

一人ではなく、同調して集団化してしまう姿は、いかにも日本人の問題行動の一端を感じます。

あんてる
あんてる
赤信号、みんなで渡れば怖くない!とか言ってたもんな。

もちろん、日本人だけでなく、混乱して集団が暴徒化すると、とんでもない行為をしてしまうケースは世界中でも見受けられるのですが。

冷静になるために、正しい情報が欠落し、落ち着いて道を示せるようなリーダーが不在だと、このような展開は避けられず、どこでも、今後も起きてしまうのかもしれません。

SNSやメディアがなくても流言・デマは拡散される!

最近では、情報を操作して、SNSで拡散したり、そのネタをメディアが二次利用することで、流言やデマは拡散されるリスクが高まっています。

正しいかどうかを個人で考えないままに、感情の赴くままに、相乗りしていく行為。

これらは、悪意はなくても、加害への加担・協力をしているという自覚がないだけにたちが悪い。

しかも、情報が限られるような環境であれば、SNSやメディアがなくても、人伝で、情報は伝播され、拡散されていくのは、デマや流言の歴史を辿れば、誰もが納得できる話です。

東日本大震災でも、現地では犯罪が起きていたことは伝えられていないのでは

2011年3月11日の東日本大震災でも、地震、津波、原発の問題だけが注目されていましたが、盗難を含めた、いろいろな犯罪が起きていたという話があります。

微罪だから、世間に伝わらないのは仕方ないのでしょうか。

治安、安全が担保されないと、暴動が起きたり、暴行なども発生など、何が起きるかわからない。

通常時の判断や行動ができなくなると、人の行為は逸脱してしまうもの。

それらを裁かない、ちゃんと振り返らないと、また、どこかで同じようなパニック状態での犯罪は起きてしまうのではないでしょうか。

史実として、なぜ忘却されたのかが大事!事実を伝えないと

関東大震災 虐殺の謎を解く ――なぜ発生し忘却されたのか』(渡辺延志・著)を読み進めれば、進むほど、ジェノサイド(集団殺害行為)が関東大震災直後に起きていたことに恐怖を感じます。

すでに大震災の影響、家屋の倒壊、火災などで多くの命が奪われているというのに、さらに、誰かを殺害しなければ、と正義を考えながらの暴走を誰も止められないのは、なんとも恐ろしいことです。

是非、防災の日は、避難訓練だけでなく、混乱期の正しい情報と行動というテーマも盛り込んで擬似体験的な訓練をしておくことを望みたくなりました。

再度、同じ過ちを繰り返さないためにも。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。