東野圭吾『架空犯』は期待値ほどの満足感が得られなかった!どこまで人生を遡るんだろう?

日本で一番人気のある作家といえば、東野圭吾だと疑わない。

彼の作るストーリーは、シンプルすぎず、最後まで飽きることなく読ませてくれるミステリーが多い。

しかも、トリックよりも、登場人物たちに焦点が当たっているから面白い。

期待感を持って読んだ『架空犯』は、正直いえば、不満とは言わないまでも、少し残念な気持ちが残りました。

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タイトル『架空犯』をどう捉える

本のタイトルには、著者のメッセージと、出版社・編集者の思いが込められています。

今までにない言葉、インパクトなどを持って、興味を惹きつけられないと、読んではもらえないのですから。

架空の犯人って、何のことなんだろう?と思わせることが大事なのだと思います。

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若い頃の事案を引っ張りすぎてるんじゃないだろうか

どんな登場人物が出てきて、ストーリーが展開して、謎が解けて、犯人が見つかる展開。

ここの流れは、流石、東野圭吾さんだ!と思わせるものがあります。

まさか、犯人と事件の経緯が最後に解き明かされるまで、こんなゴールは予想していなかったのだから、当然です。

ただ、40年近く前の出来事から、引っ張り上げて構築している部分は、必要性はあるのだけれども、少々無理があると感じました。

誰にだってある若気の至りみたいなものって、心の奥深く、記憶の彼方に残っているものの、それを掘り出すような展開力に、どの程度、意味があるのか。

込み入った関係があって、複雑な人物背景としては欠かせないものの、そこから、今回の事件を導くには、あまりにも時間の流れがありすぎるのではないかと。

事件の謎を解くために、遠回りに付き合いながら

推理・ミステリー系ですから、著者が読者を少し惹きつけて、どんでん返しをさせることは、当たり前のやり方です。

今回の『架空犯』も、東野圭吾にリードされるように、最初の方向が少し変だと気づき、中盤で引っ張られた展開の先があるのは、本を手に取っていると予想ができます。

なぜなら、まだ、読み始めて半分程度の時点で成立してしまう話なら、後半は不要なものになりますから。

この分厚いミステリーに引き込み、遠回りをさせながら、真実に辿り着かせる。

まさか、あれが、事件の謎を解き明かすパーツになるとは(ネタバレをしたくないので書きません)

お互いの関係性があるのに語れないことが、青春時代の出来事にまで遡って、人を動かし、事件につながるとは、恐ろしくもあり、今回、強引だなあと読者の一人として、不満を感じたのはここにポイントがあります。

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どれほどの秘密でも、時間と共に忘れてしまうのではないか

自分に置き換えて考えてみると、青春時代の思い出の中で、今も忘れられない、もしくは、そこから発展して、大問題、事件に発生することがあるのか、と考えてみます。

正直、思いつきません。誰だって、そうなのではないでしょうか。

目の前の現実、日常を生きているのだから、過去に縛られて、どれほどの秘密でも、時間と共に忘れてしまうのではないでしょうか。

当時の日記やカセットテープの音声で残していたとしても、その存在すら、どこに置いたかを忘れていたり、どこかのタイミング(引越し・片付け)で、捨ててしまうことで、消し去っても不自然ではないものです。

もちろん、人の命、人生に関わる深いものであれば、今回の『架空犯』のような展開もあるのかもしれませんが。

ラストのやりとりが良かったから、読了感は悪くない

全体の構成や展開には、不満はあるものの、私は、ラストのシーンには納得感があります。

確かに、「片思い」って悪いものではなくて、壊れることがなければ、素敵なものかもしれないと考えさせられました。

正直、学生時代のことまで根掘り葉掘り調べられるのは、私個人は嫌です。

素敵な「片思い」の記憶は、自分の中に留めておきたいので。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。