ミステリーでない作品も見事に仕上げる東野圭吾って天才だと思う!『クスノキの番人』を堪能できた

爽快感だけを味わえる、エンターテイメントは心が踊ってワクワクするもの。

一方で、小骨が刺さったように複雑な思いも残る作品もある。

東野圭吾というミステリーの天才作家が、ファンタジーを描きたくなる気持ちも分からなくはないし、彼の作風は、この不思議な読了感にあると思う。

クスノキの番人を読んで、東野作品の奥深さを感じました。

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スピリチュアルな話に終わらせない!人の思いを残して、伝える

東野圭吾のミステリー路線とは趣が異なるクスノキの番人は、ファンタジー的な要素を盛り込みながら、スピリチュアルな世界に受け止められそうな作品です。

単に、スピリチュアルにさせないあたりが、東野圭吾の見事な腕前。

今回も、今までにないキャラクターたちを動かしながら、クスノキでの預念・受念に人間関係を絡ませる妙義で引き込まれました。

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願いが叶うというより、クスノキを通して伝わる思い

その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキの存在。その番人を引き継ぐことになった、玲斗を主人公に、この不可思議な話が現実世界とリンクしていく物語。

人の思いを伝えるには、遺言書などのような形で文字にして残したり、今ならば、動画として残しておくのも方法だと思います。

あえて、念じてクスノキに託して、相手がその念を受け取るというファンタジー要素は、書き手によっては、荒唐無稽過ぎて、途中で読むのを辞めてしまいそうなストーリー。

最後の1ページまで、相手を引き寄せてしまう力は、東野圭吾の作家としての力量です。

大事なことは、言葉にできない思い、伝えられない相手は、身近な家族にいるという真実。

世間で「パワースポット」と騒がれる場所には、もしかすると同じような力があるのかもしれません。

願いというよりも思いをしっかりと相手に伝える「メッセージ」の伝播に価値があると感じました。

伝えたい思いを相手にちゃんと受け取ってもらえるのか

読了した時点で、感動というよりも込み上げてくる思いが読者に残ってきます。

自分が伝えたい思いを相手にちゃんと受け取ってもらえるのか。

どれほどコミュニケーションをとっていたつもりでも、真意が伝わる保証はありません。

しかも、今回の作品のように、認知症などを患えば、うまくいかないでしょう。

家族の関係も多様性があり、ストレートに伝わるばかりではなく、複雑な思いを残しておきたい、伝えたいと思っていても難しいというのは誰もが納得します。

純粋に伝えたい思いだけでなく、ダークな自分の面まで相手にわかってもらいたくないという気持ちもあるのですから。

リアルにダイレクトに伝えるよりも、クスノキを通して、相手に伝えようとするスタイルは、実は、私たちがどこかで望んでいるものとも言えます。

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もし、自分がクスノキの番人を託されたら

玲斗が、クスノキの番人(管理人)として着任した事情は、避けられない展開でした。

もし、自分がクスノキの番人を託されたらどうなるだろう、と想像してみます。

まずは、クスノキの番人としてのルール(マニュアル)をしっかり守り、念を伝える場として大切にしていくと思います。

一方で、神秘的な要素を伝承で残すだけでなく、どうしても科学的に証明できる術を探そうという行動も取ると予想します。

つまり、根拠・証拠を持って、誰にでも理解できるものに進化させたいと考えてしまうからです。

確信を持って真理を知りたいとしても、解明できないものを伝承する側に立ったら、甘んじて運命として受け入れる覚悟を持つのでしょう。

目に見えないもの、非現実的なものを受け入れて感じるのも悪くない

実は、東野圭吾のファンタジー系作品は、『ナミヤ雑貨店の奇蹟 』を映画で見て、がっかりしてから、避けようとしていました。

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考えてみれば、ミステリーなどのフィクションの世界は、現実とは違うファンタジーの要素があるから、毛嫌いしても仕方ないのですが。

目に見えないもの、非現実的なものとして、拒否反応をするのではなく、不可思議なことが世の中にあるのかもしれないという思いで読んでいく。

細かい部分は現実的な作品だからこそ、ファンタジーな要素が際立っています。

現実社会に疲れている時には、クスノキの番人のような作品は、心に響くのだと思います。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。