大阪の昭和40年代を想像しながら不思議な世界に没入できる『花まんま』が直木賞を受賞に至ったのは納得できる!

第133回直木賞受賞作「花まんま」が映画化決定!という話題から、逆算して、朱川湊人さんの傑作短編集『花まんま』を知り、読んでみました。

大阪の空気感、しかも昭和40年代がベースなような空気が漂う作品に想いを馳せながら読みました。

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なんだか、自分も作品の中の一人にいるような感覚がする

『花まんま』を読んでいたら、いつの間にか、自分も不思議な世界の作品の中にいる一人の登場人物の友達ぐらいの感覚が残って、どの作品も読めました。

この絶妙な距離感を堪能できるのが、この作品の、朱川さんの文章力の素晴らしさなのだと改めて実感したことは、正直にお伝えしたいことです。

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大阪の昭和40年代の光景を想像しながら読む

「トカピの夜」「妖精生物」「摩訶不思議」「花まんま」「送りん婆」「凍蝶」の合計6つの短編からなる『花まんま』は短編の1つ1つに主人公を巻き込むような不思議な物語の数々。

引き込まれるのは、大阪という地域性と昭和40年代ベースの部分が印象に深く刺さります。

物語の展開には、デジタルなツールは出てくるはずがなく、時間の流れもゆっくりしていて、関西弁の会話でストーリーが展開していきます。

もしかしたら、若い世代からすると、異国の物語のように感じてしまうかもしれません。

私自身は、この短編の時代より1世代後になるのですが、共通する時代の空気感みたいなものはイメージが湧きます。

1遍ずつに、不可思議なファンタジーとも言える設定と展開が繰り広げられて、なんとも言えない余韻を残して終わっていく。

子どもの心情も、街の様子も、人情、人間関係も盛り込まれながら、丁寧に描いていく点は、目の前の忙しい日常を忘れさせてくれる。

しかも、20年近く前に世に出されたので、当時、これを読んで共感できた世代は、現役バリバリのバブル世代とシナジーがあったはず。

小説・物語は、方言でなくて、標準語になりがちだから

大半の小説や物語は、方言が馴染む昔話以外は、標準語、いわゆる東京の言葉になっています。

当然、メディアも含めて、スタンダードなので違和感はなく、日常生活の方言や何弁ということは減りながら、日々を暮らしています。

それだけに『花まんま』に出てくる、大阪弁・関西弁の醸し出す雰囲気は、地域性を感じさせるのに十分過ぎます。

もっと、会話の部分だけでも、多様性があれば楽しいのに、標準化するメリットはわかるものの、何か個性が薄まっているのも事実。

それだけに、読んでいる最中に、自分が、大阪に溶け込み、当時の子どもの一人みたいな感覚を味わえるのはとても良かったです。

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思い出!関西人の中に紛れ込んだのはエセ関西弁とノリ

関西人と関東人は別物だと考える人がいる通り、価値観、ライバル意識など違っているものはあると思います。(昨今、だいぶ似通っていますが)

私が新入社員研修で、関西出身の宿泊研修グループと仲良くできたのは、宿泊施設が私の当時住んでいた沿線にあったから、帰り際に一緒に飲みに行けたという点が大きい。

何を話したかは覚えていませんが、彼らと合わせるために、必死に、エセ関西弁とノリは彼らに合わせました。

普通、関東(東京)の人間がこれをやると嫌われるのですが、私はキャラクターも含めて、ある程度、彼らの中にフィットしていたのではないかと勝手に考えていました。(彼らも本音は言わなかたのでわかりませんが)

食べるもの、文化、考え方が違うんだ、というのは、今の時代であれば、グローバルな関係性の中で感じることは増えたのでしょうが、当時は、国内の地域性の差を実感したものです。

彼らの愛する粉物・ソールフードへの熱い想い、地域の話題は、正直、理解するまでには至りませんが、あのテンポ良い会話のリズムに触れた短い期間は楽しかったのを覚えています。

『花まんま』を読みながら、ほぼ連絡の取れない当時の関西の新卒同期の顔を思い出してみました。

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解説のパートで重松さんが最後に語ったことが印象に残る

ストーリー性のある作品1つ1つを解説すると、ネタバレになるので、実際は、『花まんま』を読んでもらうのが最適です。

もしくは、映画の「花まんま」を動画配信系で見るのも良いかもしれません。(短編小説を軸に大きく話を展開してますから、違いはありますが)

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重松清さんが文庫本の解説を書かれているのですが、その最後の部分で、朱川さんと対談した際に、この本を朱川さんの小学生のお子さん(当時なので、今は大人ですね)が読んで、泣いたという部分が印象に残りました。

時代背景みたいなものも違うのに、この作品に小学生が入り込めていたとしたら、やはり、直木賞を受賞するだけの価値があったのは間違いではない、と納得させられました。

是非、『花まんま』を読んでもらいたいです。どんな世代、地域の方であっても、没入できる感覚は味わえることは保証します。

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安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。