定点観測をしながら街の変化から思うこと

定点観測している場所、福島県二本松市から思うこと

日々の生活の中で、あなたが定点観測している場所は何箇所ありますか?

毎日、利用するものだと変化は感じにくいと思うのですが、定期的に触れたり、見ているものであれば変化を感じるはずです。

例えば、私は、両親のふるさと、福島県二本松駅を定点観測しています。

もともと、二本松駅は、東北本線の急行停車駅だったため、ホームは上り、下り、もう一つと、3つあるのですが、今は、2つしか利用されていません。

今は短い数両の在来線が1時間に各1本程度しか走りません。地方の現実として、完全なる車中心社会だから仕方ありません。

数年前から、駅構内のキヨスク(売店)がなくなり、観光案内所になりました。おそらく、地元の電車利用者が減っていること、観光客も多くなく、お土産コーナーの売上も伸び悩んでいることが伺えます。

観光客や帰省のシーズン以外は利用者が少ないのです。

10月の提灯祭りの期間は、ものすごく賑わうことは分かっているのですが。

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駅前のロータリーは数年前に整備されました。

車寄せ的なスペースとタクシー乗り場。

お祭りのために、広々とした空間が寂しく思えます。

整備をしたために、街の玄関が寂しくなり、殺風景な印象を与えています。

以前なら、もう少し賑わいがありました。

今は、車で送迎する、一時停車の無料駐車場のようです。

安達太良山麓の岳温泉がニコニコ共和国として賑わっていたころならば、この駅前のバス停から観光客もいましたが、今は閑古鳥。

外国人向けのインバウンドなものもないので、静かさを感じます。

小さな工場や商店も減り、スーパーが数軒。

働く場所が少ないと、若者は都市か周辺の大きな街に向かいますので、活気がありません。

東日本大震災後、浪江町の方の避難先になった二本松市

明らかに、東日本大震災前から衰退していたものの、この数年で加速度的に静けさの溢れる街になってしまいました。

浪江町の方の避難先として受け入れをしてきた二本松。当初は、 B級グルメ「浪江の焼きそば」で交流があったようですが、今は、わからない状態。

お互いが馴染んだというべきなのかか、詳しいことはわかりません。

結局、被災者で補償を受け取るためには、住所は二本松になっていても、住民票などを移せないという二乗がある様子。学校も、仕事も、生活も、二本松市内でとけ込んでいるはずなのに、中途半端な状態です。

二本松市としては、避難先として浪江町の方々を受け入れたものの、本来は他の町の住民だけに、サービスと交流がわかりにくい部分、心情的にも、実質的にも残っているのではないか、と外野の立場の私でも考えてしまいます。

もし、自宅などの不動産を二本松市内に購入していれば、固定資産税は、二本松市に納めているでしょうけども、住民税は、実際には戻る見込みが薄い浪江町という不思議さが解消する日はくるのでしょうか。

国による継続的な補償ではなく、一括の一時金の増額や「生活再生資金」として被災者に支払ってしまうほうがすんなりしたような気がします。

強制的な移住ではなく、避難受け入れ先としての関係は、どこかに難しさを感じます。

子供を見かけない街に

私は、子供の頃、夏休みに戻ってくると、地元の子に混ざって遊んでいました。

昭和的な外遊びに加えてもらう、東京の子。方言もルールもわからないまま、一緒に過ごせました。子供の数が大幅に減っており、この暑い真夏だけに家の中でゲームやネットをしてるのだろうけど。

この静けさは、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を彷彿させます。

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今の高齢者たちが、この世を去って後、この街はどうなるのだろう。

もっと、厳しい村や町が日本にはたくさんあります。災害の度に、「限界集落」が孤立した話を知る。ボランティアがたどり着けず、支援がこないと嘆く映像を見せられる。(映像スタッフが1日でもサポートしてやればいいのに、などと考えてしまうのですが)

地方は、人が減り続けて、衰退していく姿は加速している。

日本のふるさとの原風景を失うのは仕方ない現実なのかもしれない。

では、代わりに、私は子孫の世代に何を残し、伝えていける存在なのだろう。

地方創生の話題が上滑りしている感覚を定点観測しながら感じることができました。

ネットやメディア上の一過性の消費される話題よりも、スローで静かな街の中に、現実の課題が潜んでいる。日頃は、このリアルな現実を知らぬままに、日常が流れている自分。

誰もが、非日常を過ごす休暇シーズンだからこそ、楽しみの先にあるものを考えてみませんか?

【追記】
地元の公営屋内プールに行ったら、小さな子どもを連れた家族連れがたくさんいて、安心しました。単純に、暑過ぎて、屋外で子どもが遊んでいないのだと理解できました。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。