人生100年時代に、個人のキャリアアップは何歳までできるものなのでしょう
以前から、キャリアアップを目指す人間は、デキるビジネスパーソンの象徴として認められてきました。
例えば、以下のような会話はキャリアアップについて日常、交わされています。
「Aさんは、データ分析の知識を身につけて資格も狙っているらしい」
「Bさんは、転職して、ポジションも年収も大幅アップした」
キャリアアップとは、2つの意味があることを調べてました。
(1)より高い専門的知識や能力を身につけること。 経歴を高くすること。
(2)高い地位や高給職への転職。(大辞林 第三版より)
どんどん上を目指して、専門性を高めて、能力と給与をアップしていく道。
上り坂な人生は大変でも輝かしい、なんて価値観は、崩れていませんか?
人生100年時代ならば、60年近く現役で働き続けるとして、キャリアアップを延々と続けられるのか?と問われると疑問しか沸きません。
なぜ、キャリアアップには限界が生じてしまうのか
日本人の働き方の考え方に根強く定着している「年功序列」型の人事給与制度。
若い頃はどんなに頑張っても、肩書や給与がついてこないものの、長期間の実績を鑑みて、ある年代以降は、現在の実力以上の処遇を得てきました。
かつての日本のキャリアアップとは「終身雇用」と「年功序列」のセットで、耐え忍んで滅私奉公をしてきたことに対する報酬も織り込んで、定年までの設計がされていました。
実際には、年齢を重ねることと反比例して問題が発生しています。
◆ 新しい考え方・知識の習得が厳しい
◆ 判断・行動のスピードが遅くなる
◆ 過去の成功体験に縛られて、リスク回避をしたくなる
老化・劣化とは認めたくないものの、明らかに、どの項目も若い世代や優秀な人間と比べると差が広がってしまう。
常にアップデートについていける方もいますが、確実に少数派になってきます。
となると、あきらめてしまったり、我慢すればいいのか、と考えてしまうかもしれない。
そこで、もう一つの言葉、「スキルアップ」について整理してみたい。
スキルアップとは、腕前を上げること、技術力を高めること
今回のブログ記事を書くにあたり、「スキル」とは何かを調べてみました。
「スキル」とは、一般的に訓練や学習などを通して身に付けた能力。
知識、経験、マインド、保有資格などはわかりやすいスキルです。
スキルアップとは? 意味と方法、効果、キャリアアップとの違い【カオナビ 人事用語集】
年収や肩書などとスキルアップは、連動していないことです。
どちらかと言えば、スペシャリストを目指す方は、常に自己鍛錬として、スキルアップへは貪欲です。妥協なきスキルの積み上げ、吸収力の高さは、こういうタイプの方の個性です。
スキルアップは、年齢による衰え、劣化が見いだしにくい面もあり、意欲によって補えるとも言えます。
キャリアアップやスキルアップが崩壊する場合
キャリアアップもスキルアップも崩壊する場合があります。
自分の目指してきたキャリアが崩壊してしまうケース。
例えば、転職先で出世街道を歩んでいたのに、倒産・解散、不祥事に巻き込まれれば、企業内でのキャリアアップは望めません。(また、新しい企業に転職するという道はありますが)
時代に合わないスキルを磨くと、スキルアップにつながりません。
極端な例ですが、大人になって、数字に強くなるために、珠算(そろばん)のスキルを今から高めたとしても、個人としてスキルアップはできても、社会的に認められるものではありません。
キャリアアップとスキルアップは、どんなに頑張っても、成功につながるという確約はできません。特定の一本の道だけを目指して、がむしゃらなまでに、一心不乱に突き進むのはリスクが高いのです。
キャリアとスキルも分散するのが良い!
キャリアもスキルも未来を予測することができないのだから、本気で取り組んでも意味がない。
この考え方は間違いです。
1つだけのキャリア、スキルに固執するのはリスクが高いと考えましょう。
英語力だけを磨いても、自動翻訳ツールの機能が格段に向上すると、通用しなくなるかもしれません。
英語力にIT(情報技術)分野のスキルも伴えばどうでしょうか。
情報技術IT(情報技術)知識をいかして英語圏で活躍もできるでしょうし、海外の新しいIT(情報技術)の情報を日本の環境に合わせて活用する方法を提示していくビジネスを考えてみる道を選ぶこともできます。
可能性の広がりとリスク分散ができます。
この考え方としては資産運用の分散投資と似ています。
生涯現役でキャリアを築くには、「トリプル・キャリア」の考え方を持とう!
1社で1つの仕事だけでキャリアを磨く、出世コースを歩むのは、成功要因ではありますが、リスクになると考えましょう
キャリアは仕事で収入をえるだけでなく、ボランティア活動やサードプレイスな活動で幅広い、ゆるやかなつながりの人脈を得ることで、新しい変化が生まれてきます。
定年後に、セカンドキャリアに何をするのか。組織を離れて同じ仕事ができる人は限られています。(会社の名刺、ブランド以上に、個人が評価されているケースは限られているため)
人生の早い時期に、「トリプル・キャリア」まで戦略的に考えてきた男といえば、大杉潤さんです。
年齢を重ねて、体力・気力ともにピークをこえることを見据えて、自分の得意分野、専門性を磨き、最後は、好きなことに絞って取り組んで社会に貢献する生き方にシフトしていこうとする、「トリプル・キャリア」論。
生涯現役で活躍する人は、「トリプル・キャリア」を実現している人が多いのではないでしょうか?
ぜひ、『定年後不安 人生100年時代の生き方 (角川新書)
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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