「勝負眼」を持って「押し引き」してきた、サイバーエージェントの藤田晋氏が、どんな後継者選びをするのか気になる

IT企業を創業した世代の方々も、後継者に道を譲る時期がやってきている。

ITバブルと言われた頃に、競争の最中で、急成長を遂げたIT企業は、その後、サービスを拡充したり、世の中の変化に適応して、社会に欠かせないインフラ機能を持つようになった。

株式会社サイバーエージェント代表取締役会長の藤田晋氏の雑誌連載記事を書籍化した一冊『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』を読み、考えてみました。

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かっこいい経営者だけど、派手になり過ぎないところがいい!

IT企業の創業者といえば、かっこいい存在の経営者だと誰もが思っていた時代があります。

一方で、派手になりすぎることで批判を受けた方もいますので、イメージというのは難しい。

もはや、IT企業=ベンチャーと捉えられなくなっただけに、藤田晋氏という人物が、今、雑誌連載上で何を語っているのか、それをまとめたらどうなるのか、という点は興味が惹かれる一冊です。

IT企業を立ち上げて成長を遂げた経営者は勝負の押し引きで生き抜いてきた

株式会社サイバーエージェントといえば、インターネット広告代理店業からスタートした企業であり、その後、アメーバーブログ、AbemaTVなど広く展開を続けて、確実に成長を遂げた企業です。

創業者である藤田晋氏は、最年少での上場記録なども持つ、IT企業ベンチャーの雄ですが、この数年、後継者に会社を託すための動きをしているという情報は耳に入っていました。

そんな藤田氏が会社を経営してきた目線・考えはどこにあるのかを本音を交えながら語っている点で、この書籍(連載記事)は魅力に溢れています。

これまでありとあらゆる重大局面で勝負に挑んできた。チャンスと見て大胆に攻めるばかりではない。必死で守ることもあった。組織のリーダーとして、むしろ守る場面のほうが多いかもしれない。麻雀では、細かなスキルや読みも大事だけど、結局は押すべき局面で押せるか、引くべき局面で引けるか、その「押し引き」が勝敗の9割を決めると言っても過言ではない。これは、ビジネスの世界にも通じるものがあると思う。

藤田氏は、ゴリゴリ押すだけではなく、引くべき局面も理解できて、得意な麻雀の感覚で企業経営をしてきたのが伝わってきます。

部下たちに、新しいビジネスやサービスに果敢に取り組ませて、成功と失敗を経験させる。

もちろん、引き際のラインを明確にしているから、大損しない範囲でクローズできる。

嗅覚とも言える彼の感覚は、時代を捉えて、社会に伝わることで、着実に成長を遂げてきました。

あくまでも、インターネットサービス事業の周辺だった

数あるIT企業も、インターネットサービス事業だけでは限界を迎えてしまうので、早々に、ビジネスを広げていく企業も見受けました。

もちろん、成功した例もあれば、失敗したケースもあり、何が正解なのかは、結果論に過ぎません。

その点で言えば、サイバーエージェントという会社は、どこまで行っても、基本的にはインターネットサービス事業の範囲を守っていたような気がします。

だからこそ、爆発的な成長がなかった(プロダクト=製品がない、など)という意見もあるでしょうが、ブレなかったという点では素晴らしい。

特に、ガラケーからスマホの時代に適応するために、さまざまなサービス事業を展開する姿は、流れを読み切った藤田氏の先見性が光る話だと思います。

一方で、彼の好きな麻雀や競馬の話は、いわゆるメインコンテンツとしては、ユーザーに偏りがあるかもしれないけれども、競合が本気にならない分野をガチに勝負を仕掛ける。

結果、独自のポジショニングを確立していく。

この辺り、どこまで行っても藤田晋氏はぶれていない経営者だと感じます。

サイバーエージェントとの仕事上の付き合いを思い出す

私個人が仕事として、サイバーエージェント社と関わったのは、四半世紀前のこと。

当時は、インターネット広告代理店がメインの会社に、広告を成功させるために、サイトリニューアルを依頼して、低価格で実現してもらいました。

あの程度の予算で取り組んでくれたのは、まだ、彼らの事業規模も大きくなく、インターネットによるビジネスは、どこまで何ができるのか、海のものとも山のもともつかみどころがない黎明期の終わりに近かったのだと記憶しています。

当時の担当営業も、Webディレクターさんも腰の低い方で、こちらの無理な要望に対して、何とか乗り切ってくれました。

リニューアル後、ネット広告と連動したところ、集客力が予想以上のインパクトがあって、発注側の担当者でありながら、正直、驚いたことを思い出します。

もちろん、経営トップの藤田晋氏と会うこともなければ、言葉も交わしていませんが、当時、協力してくれて、実績を出してくれたことには感謝の気持ちは根強く残っています。

創業者が後継者に会社を引き継ぐ難しさ

サラリーマン社長が交代するのは、実は、そこまで難しい理屈ではないように感じますが、創業者という熱と思い入れがあり、会社の看板そのものだった人物から、二代目という後継者に引き継ぐのは本当に難しいと想像できます。

藤田氏も、早々に引退時期を決めて、時間をかけて後継者を選ぶプログラムを走らせています。

ここまで手間暇をかけないと、バトンタッチ以降、会社がうまく行かなくなるリスクがあるのは理解できます。

当然、後継者にも大きなプレッシャーは伴いますが、丁寧に時間をかけて準備をしてもらえているだけに、失敗は絶対に避けたいもの。

もちろん、比較もされるでしょうし、二代目の引き継ぎに失敗し、創業者が経営にカンバックする例も多く見受けられます。

とは言っても、人間には寿命があるわけで永遠に創業者個人が経営を続けることはできません。

後継者に引き継ぐという勝負眼を藤田氏がどのように実践していくのか、という点は興味が惹かれます。

もちろん、その後の藤田氏の人生、キャリアやライフというものも気になります。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。