『ビリギャル』の坪田信貴さんが「才能は、誰にでもある!」と語る一冊

才能のある、なしを二者択一にしてはいけない!

私たちは、自分にない特別な能力を持っている人物を才能のある人として羨みます。同時に、自分には「才能がない」と嘆きます。

才能は、ある、なしの2択の話だと考えてしまい、大半の人は、自分には才能がないと決めつけています。

『ビリギャル』という大ヒット本を出した坪田信貴さんの新刊『才能の正体 (NewsPicks Book)』を読んで、自分も「才能」について考えてみることにしました。

「才能がある」と言われている人たちは、〝その人に合った〟動機付けがまず合って、そこから〝正しいやり方〟を選んで、〝コツコツと努力〟を積み重ねている。

結局、才能はコツコツとした努力が必要なのだと断言しています。

発明家も、起業家も、スポーツ選手やアーチストも自分に合った動機付けを、正しいやり方を選んできたのは間違いありません。

もし、孫正義がプロ野球選手を目指しても、無理があったでしょうし、王貞治が発明家を目指しても何も生み出せなかったかもしれません。

自分にフィットすることの重要性が才能のポイントだという点は納得ができます。

できる人の行動を「完コピ」するから西野亮廣はすごい!

今、時代の中で尖っている芸人といえば、キングコングの西野亮廣さんと言えます。

吉本の芸人が絵本を描いたというレベルの話だけではなく、批判されるようなことも大胆にやりきってしまえる行動力には注目が集まっています。

西野さんが坪田さんに本を売る秘訣を聞いたエピソードが書かれています。

特段、坪田さんは変わったことはしていないけども、強いて言えば、お土産やお中元・お歳暮を欠かさないことだと聞いて、西野さんは即行動に写します。

このスピード感ある完全コピペ(=完コピ)できるところに、西野さんの素晴らしさがあると認めています。

さらに、出版社の営業部のアルバイトにまで送るという徹底ぶりで自分のオリジナルにまで高めてしまえるのも、西野さんの尖っている点だと褒め称えています。

確かに、成功やうまくいった方法を相手に聞くことは誰にでもありますが、そのポイントをそのまま自分で真似をする人は少ないですし、スピード感を伴っている人も少ないです。

逆に、そういう人が近くにいると、尊敬できる相手として認めたくなります。

油断していたら、ヒントや情報を与えた側を大きく飛び越えていく存在になるのも、こういうタイプの人なのだと思います。

「猿まね」ではなく「完コピ」レベルにすぐに辿り着ければ、師匠に追いつくのは時間の問題であり、場合によっては追い抜いてしまうのです。

この「完コピ」+「スピード感」の西野スタイルは、誰もが意識して自分にインストールすることができれば、才能が磨かれる確度はアップすると考えます。

<西野亮廣さんの本>

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教育とマネージメントの工程の違い

才能の科学的エビデンス本かと思いきや、明らかに組織論まで坪田さんは語っています。

基本的に新しい知識を「テスト」や「実践」で使えるようになるためには、次のような工程を経ます。

知らない(聞いたこともない)

→知らない(聞いたことはある)

→わかったつもり(調べて一度は知ったけれど)

→わかった(口頭で、理屈も含めてアウトプットできる)

→(その知識を使って)一部できる

→(その知識を使って)過不足なくできる

この前半の3つの工程は「教育」が必要で、その後は「マネジメント」が必要です。

能力向上のために、「教育」と「マネジメント」が必要であり、その段階・ラインが明確に書かれている点は良書だと感じました。

誰もが曖昧にしている知識や理解のレベルを分類することで、相手や自分の現時点の状況が掴めます。

「教育」としてやるべきこと、「マネージメント」としてやることが混在したり、間違ってしまうと、人材の教育も組織の運営もうまく回らないのは確実です。

尖った才能を集めるチームが最強

坪田熟で、運営メンバーを募集したエピソードとして、普通ではない尖った人を採用したという話を何度か読み返しました。

一流の組織には平均点以上の優秀なメンバーを集めたいもの。ただ、同じような人間ばかりが集まり、リスクに果敢にチャレンジできないとしたら、無難な結果は出せても、大成功にはつながりません。

逆に、尖った、一癖ありそうなメンバーを集めた方が強いチームができあがります。

名作「七人の侍」を思い出してもわかるのですが、皆、尖った面々でした。

尖っている部分が違うメンバーが活躍できるような組織は、ビジョンを与えて大義に向かうと強くなるという例は、世の中にいくらでもある成功例なのです。

おそらく、マネージメントする側の理解と双方コミュニケーションが整えば、実現できるのです。

私も、ちょっと変わった(ある意味尖った)メンバーと一緒に仕事や活動をした時の方が成功できた記憶があります。

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結局、才能って誰にでもある

最終的に才能の正体は何なのか、という命題について、一般的な「才能」という言葉に縛られると思考停止になる、と言い切っています。

才能のある、なしを語るのではなく、才能の芽を見つけて、伸ばしていければ誰だって花ひらく存在なのだと背中を押してくれる坪田信貴さんの一冊でした。

大事なのは、個人の持つ可能性としての才能を見出して、育てることができる存在が誰にでも近くにいるわけではないという事実にこそ課題があるのです。

そうなれば、自分でコツコツと磨かなければいけないし、その方向性が合っているかどうかが不明瞭な点は心配が残るでしょうから、周りは、優しく背中を押してあげるのが理想です。

もし、方向が間違っているならば、諭しても構いませんが、最初から否定されては、モチベーションが上がらずにせっかくの才能を無駄にしてしまいます。

自分の才能って何だろうと意識しながら、向き合い続ける人間になりましょう。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。