最近、戦争映画を見ましたか?
バーチャルな宇宙戦争的なものではなく、リアルな戦争の姿を語る映画です。
映像としては技術によって、リアルに近づいているのに、見たいとは思えないのは、古い時代の設定の場合、女性が登場・活躍しないストーリーが興味を引かない理由なのです。
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最近の日本の戦争映画の伝えたいメッセージと映像・価値観・ニーズとフィットしていない
以前、8月になると戦争映画、太平洋戦争の時期のドラマ、などが必ず流されて、平和について誰もが考えるというパターンが存在していました。
命をかけて戦場で散っていく登場人物たちのおかげで、今の平和はもたらされていることに感謝の念を抱いていました。
最近、VFXなどの映像技術が進んだことで、戦場映画は、リアル感を増したことで、残酷な姿を目に焼き付けてしまう場面が印象に残るようになりました。
以前は、役者さんの演技力によって補ってきた部分が、バーチャルでありながらもリアルな映像になることで、映像を見る側にとって、心地よいものにはならなくなりました。
どうやっても救われないストーリーとして、多くの人が亡くなっていく場面を見せられても、全く嬉しいものではなく、むしろ嫌悪感が出てしまうようになったのではないでしょうか。
二度と戦争を起こさないで平和であることの価値を伝えたいというメッセージがありながらも、見るに耐えないシーンが盛り込まれる戦争映画。
現代の日本のニーズにはフィットしていません。
リアルな緊張感と絶望感、生と死への感覚が変わっているから
なぜ、この戦争映画がフィットしなくなったのかというと、リアルな緊張感、死に向かう絶望感は、他のジャンルの映画で充足しています。
特に、バトルロワイヤル的な生と死が出てくるストーリーは戦争ものに関係なく増えているので、国のために、命を差し出して戦うという強烈なメッセージが押し付けに感じられてしまい、共感につながりにくいのです。
また、日々のニュースの事件、事故でも、命に関わるものが取り上げられているので、戦争だから死と隣り合わせで、不遇な命として扱われてしまうもの、という特別感がなくなっています。
もう一つ大事なポイントは、映像に男性ばかりが出てきて、昔の価値観に伴う美徳を流されても、感情移入できる世代が確実に減っているのも事実。
私の親世代であれば、身近な知り合いが戦争で命を落としたというリアル感があるものの、当事者が高齢者になり、その話題に触れる機会が減っている現実があります。
映像としては、戦争の現場で起きた事実に近いリアル感を与えているのに、見ている側は、架空の出来事に過ぎないと感じてしまうズレが生じています。
映画「男たちの大和」に女性は感情移入できないのでは
最近、アマゾンプライムビデオで、 映画「男たちの大和/YAMATO」を見ました。
日本が太平洋戦争末期、敗色濃厚な中、期待と絶望を背負って海に散った戦艦大和の存在は、長らく、日本の歴史の中で、悲劇の運命として捕らえられてきました。
もちろん、この映画の中でも、若者たちを中心に散っていくであろう未来を見据えて、挑んでいく姿は儚く、生き残る側の人間が背負った重荷についても語られています。
戦後に作られた戦争映画の鉄板ストーリーです。
おそらく昭和生まれ世代ならば、この鉄板に感情が響くのでしょうが、平成生まれ世代ぐらいは、別の感情を抱いています。
わかりやすく言えば、幕末史の戦いのように、遠い昔の物語として自分と距離感があるのです。
女性は戦場に向かう男性たちを慮っている存在としてスポットで描かれます。
今や、男女平等というよりは、女性主人公の映像ストーリーが増えているだけに、戦争映画の男だらけ感が特殊過ぎて、感情移入ができません。
もちろん、自分の好きな俳優、かっこいい人がたくさん出ていれば、胸はときめく女性がいるのかもしれませんが、自分を投影する存在がいないと楽しめないのです。
私は「男たちの大和/YAMATO」を見て、女性が感動したという話は聞いたことがありません。
女性の活躍場面が少ない戦争映画は、現代の価値観・ニーズに合わない
女性が戦っていくストーリーも映像作品に増えているので、男性だけが戦う戦争映画というのは、感覚として古過ぎて、史実とは合っているのに、価値観・ニーズとは合っていません。
決して、戦争の悲惨さや残酷さを無視しているのではなく、日常で男女が近い場所にいるだけに、男性だらけの悲惨な末路を追ってしまうだけに、心に響く度合いが少なく、関心が持てないのです。
世の中の女性が注目しない限り、今の時代、ムーブメントは起きません。
結果として、戦争映画は大ヒットすることは考えにくいという結果が予測できます。
もちろん、価値がないわけではありません。あくまでヒット作として注目を集めるかというと厳しいという話です。
平和に慣れきったからだと、私の親以上の世代からお叱りを受けるかもしれませんが、現実として、限られた時間を楽しむエンターテイメントにはなりにくいと思います。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。