ラグビー日本代表を変えた男・廣瀬俊朗『なんのために勝つのか。』でリーダーシップ論を学ぶ

ラグビー選手といえば、頑強な体のぶつかり合いができる荒々しいプレーヤーたち。

彼らは、ゲームにおいては個人ではなくチームとして機能していく。

そのために、ハードな練習を繰り返して、鍛えたげています。

だからこそ、尊敬や憧れの存在になる、元日本代表キャプテン、廣瀬俊朗さんが2015年に出版された『なんのために勝つのか。 (ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論)』を読んでみました。

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廣瀬俊朗さんは、超エリート選手ではないが、リーダーとなるべき人物

なぜか、リーダー、キャプテンになる人間というものは持っているものが違います。

決して、会社の役職で課長、部長という話とは違います。

本当のリーダーは、しっかりと全体のことを考えて、導ける存在なのです。

その点、廣瀬俊朗さんは、高校、大学、社会人(東芝)、日本代表とキャプテンを任されてきた人物です。

ものすごいプレーができたり、強引なまでに仲間を引っ張り上げるキャプテンシーがあったとは思えないエピソードばかり。

彼は、自ら手をあげるというよりは、周りや監督からキャプテンを任されてきた。

恵まれた才能と努力で、選手としても一流だからというのは間違い。

ただ、同年代で同じポジションであれば、No.1だったとは言えない。

彼は目指すべき方向を指し示して、個人もチームも一緒に突き進める点は素晴らしい。

レギュラーを外れて、キャプテンも外れても、ラグビー日本代表チームには必要な存在

2007年に日本代表に選ばれ、2012年には日本代表のキャプテンを任された廣瀬俊朗さん。

エディー・ジョーンズ元ヘッドコーチも

「素晴らしいキャンプテンシーの持ち主!日本代表の根幹をつくったのは間違いなく彼だ!」

と断言している。

だからこそ、2014年以降、キャプテンをリーチ・マイケル選手に引き継いでからも、彼は代表チームに残っています。

ところが、彼は試合に出れる機会は減り、完全にリーチや五郎丸選手などのリーダーグループのサポートに徹していきます。

プレーヤー個人として、試合に出れないのに、元キャプテンとしてチームに帯同する思いは複雑に違いないです。

それでも、彼は、2015年のワールドカップを最後までチームの一員として残り続けました。

この時の彼の心境について、『なんのために勝つのか。 (ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論)』の中で、当時の日記として正直に書いています。

つらく、悔しい思いを抱えながらも、彼は大義のために、チームと共に最後まで残った思い。

ここで逃げ出さなかった廣瀬さんに魅力が溢れる人物と言われる所以があると感じます。

チームのリーダーグループで、チームの目標・ゴールを大義として決めています。

当時のラグビー日本代表は、廣瀬キャプテンの元、リーダーグループと一緒にチームの大義を作り出しています。

「日本のラグビーファンを幸せにできる喜び」

「新しい歴史を築いていく楽しさ」

「憧れの存在になること」

憧れの存在になるために、1年の半分以上をチームと帯同しながら、ハードワークすぎる練習をこなしながら、自分を犠牲にしながらも、廣瀬さんたちラグビー日本代表は突き進んだわけです。

新しい歴史を作るということは勝って、ベスト8、決勝トーナメントに行くという意味なのはわかります。

そのために、日本ラグビーファンを幸せにしようという姿勢。

つまり、ファンがいなければ成り立たないと理解していることがわかります。

さらに、「憧れの存在になること」という短いメッセージに深みがあります。

世界で活躍するスポーツ選手、俳優、芸術家、研究者を見ていれば、子どもたちは憧れます。

大人たちも勇気を与えてくれる存在であれば、素晴らしい人、チームとして憧れを持たれます。

最近、職場やあなたの周りで憧れの人っていますか?

身近なところに、憧れの存在が減っているような気がします。

あの先輩、上司、経営者を目指したいという声を聞かなくなりました。

完璧な存在出なくてもいい、人間として尊敬の念を持てる人がいれば、個人も組織も前に突き進んでいけます。

世界で認められる存在は、気高くプライドを持ちながら、優しさとフレンドリーでなければなりません。

勝つチームには“大義”がある

大義をミッションと言い換える人もいても構いません。

チーム・組織をまとめるには、数字だけではダメです。

何のために、誰のために、何を目指すのかが明確な大義を持つことが大切だと再確認できる一冊でした。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。