人生を三分割して味わい尽くすフランス人と日本人の違いを考える

フランス料理や芸術など、日本とは明らかに違いそうな文化なのに、両国を知るエッセイストの吉村葉子さんは、対比させながらも、お互いの良さを提示してくている本を読みました。

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日本人から見て、フランス文化って遠い存在に感じていたのに、実は似ているかもしれない

フランス料理、フランス文化って、オシャレすぎて、日本人の私にはフィット感は少ないもの。ずっと、そんな風に考えていました。

文化風俗も対極にあると思っていたフランスという国と、そこで暮らすフランス人をじっくり眺めて見ると、私たち日本人とあんがい似通ったところがあるではないか。彼ら、彼女たちが気取って見えたのは錯覚で、素顔のフランス人はむしろひょうきんだ。
そして、もっとよく知ると私たち日本人の感性が、アメリカ人よりフランス人に近いことに気づく。大量生産、大量消費を手放しで喜べないし、物が捨てられない点でも私たちとフランス人は似ている。もちろん当のフランス人にも、私たちのそうした気持ちは以心伝心。

エッセイストの吉村葉子さんの『フランス人は人生を三分割して味わい尽くす (講談社+α新書)』の冒頭に書かれていたメッセージを読んでいたら、なるほどという納得感が高まりました。

フランス人のお金と食

フランス人は日本人と同等以上に、懐具合は究極のプライバシーだと語られています。

いつの間にか、私たち日本人は、寿命が延びて、将来の不安からお金に対する対策を必死に考えることにムキになっています。

人生をどうやって生きるのが良いのか、お金に何を求めるのかを考えて見直してみましょう。

フランス人はグルメだというのは間違いないですが、料理を作るのは、ムッシュ(男性)出会っても問題ない。

美味しい食事を楽しむのが彼らの流儀です。

私たち日本人は、ファーストフードやコンビニ食で簡易で食することが当たり前になっています。

食が楽しいというよりは、淡々と済ます用事の1つになっているとしたら、日本人の食は寂しいと言わざるえません。

フランス人の人生三分割する生活設計の考え方

フランス人は、人生を三段階に分割して生活設計をしているそうです。

学びの第一段階、育ての第二段階、定年後のパラダイスの第三段階。

確かに、私たちも同じ三段階を考えているような気がしますが、定年後のパラダイスという発想は出ていないように感じます。

定年後の時間の長さが健康とお金の不安から消えない日本人が多いから、ワクワクしている人が少ないと感じます。

以前、大杉潤さんの『定年後不安 人生100年時代の生き方 (角川新書)』を読んで、人生のトリプルキャリアということを学び、考えたことを思い出しました。

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定年後もステップを分けながら働くという考え方と比べると、定年後をパラダイスとして過ごすというフランス流の考え方は異なるのかもしれない。

もう1歩深く、掘り下げてみましたが、共通点の方が大きく感じました。

つまり、年齢を重ねて、自分ができることは変わっていく中で、何を楽しみながら、生活していくのかという発想を持てれば、どちらも同じ方向性だと気づきました。

定年後、高齢になったら資産を持って、自由に過ごすというだけのビジョンを描くだけでは、楽しい未来を思い描けないのです。

フランス人のおしゃれと仕事とコミュニケーション

フランスと言えば、パリをイメージします。

オシャレな人がたくさんいる街。

ところが、吉村さんは、パリジェンヌ以外、いわゆる地方に行くと、そこまでオシャレに過ごしているわけではないという事実を語ります。

大手町で働くキラキラ女子と、それ以外の街で働く女性は、同じ働くにしても、放つオーラが違うように感じますが、同じことがフランスの中にもあるのだと理解できました。

食べ過ぎれば、食事を抜いたり、仕事とコミュニケーションに際しても、無理をしすぎないスタイルで取り組んでいるフランス人たちが、ゆったりと過ごしている印象を与えているので、せかせかした日本人との違いに、向き合ってしまいます。

フランス文化の真似をすればいいわけじゃないけど、日本社会に向けてのヒントがある

単純に異国文化に憧れて、真似をするだけでは、何も変わりません。

でも、この1冊を読み、まだ足を運んだことのない、フランスという国をイメージした私は、日本人も、もっと、ゆったりと文化を楽しむ時間を増やせるようになると、素晴らしい日常が訪れるのではないでしょうか。

日本文化の真髄を求めるのではなく、気軽に、着物を来たり、芸事(書道、花道、茶道など)を習ってみるような時間を盛り込みながら、あくせくしない生き方を目指すだけで、本当の幸福感に近づくのかもしれません。

1円でも多く稼ぐ、1秒でも無駄にしない・・・。

そういう呪縛から放たれたら、私たちは、本物の笑顔を振る舞えるようになると信じています。

フランス人を知るための本たち

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。