『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(2013年発刊)は映画化されて、一躍脚光をあびたビリギャル・さやかの物語は、インパクトもあり、記憶に残っていますよね。
では、ビリギャルの母親ってどんな存在だったのか、気になりませんか?
今回、『ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』を読んでみました
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ビリギャルの成功秘話には子どもを信じる母親がいなければ成り立たなかった
分厚い一冊『ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』でしたが、自然体に、赤裸々に家族のことを正直に書かれていました。
その中でも、私は、ああちゃん(ビリギャルさやかの母親)があとがきに寄せた文章が胸に刺さりました。
本書は、何ら偉いところのない母親が書いた本です。
ダメ人間の私が、間違ったことをたくさんして、たくさんのご批判をいただき、けなされ、バカにされても、子どもを信じてきた、それだけのお話です。
でも、こうした「負けるが勝ち」の「雑草のような」子育てから、たくさんの奇跡が生まれるのを見てきました。
子育ては早期教育であり、しつけであり、世の中には、様々な育児書と情報にあふれています。
子育て真っ只中の親たちは、日々、悩み、うまくいかずに苦しんでいるというのが本音です。
親の思い描くように子どもが育っていうわけではありません。
そもそも、親の考え方が正しいのかさえ、わからないものでしょう。
ビリギャルが素行不良な面がありながらも、学校に対しても、夫である父親に対しても、ひるまずに子どもの良さを信じたからこそ、この偏差値を大幅アップして慶応大学合格という奇跡が生まれたわけです。
ビリギャル本人の頑張り、塾の先生、坪田信貴氏の手厚い指導などがあったのは事実でしょうが、そのベースになるのは、この母親の存在があってのことだったと理解できました。
母親は自分がダメだとわかっていても子供たちへの愛にあふれていた
ああちゃん(母親)は、自分の生い立ちと家族の関係までストレートなまでに書き綴っています。
ああちゃんの母親、叔父・叔母の生き方などを見て、自分はどうやって子供を育てていくのかという基本線だけはぶれずに生きてこられたのがわかります。
世間体を考えたら、もっと叱る・怒る母親であるのが普通だろうに、ビリギャルさやかを含めた子ども3人とそれぞれ向き合って、相手の個性と良さを求め続ける点は、溢れる愛としか言いようがありません。
どんなことがあっても、子どもを信じて、支えてあげるという触れ合い方があったからこそ、3人の子供たちは、育っていく中で様々な問題があっても、しっかりとした大人に成長していけたのです。
ここまで愛に溢れるのが親に育てられるって、本当に幸せな気持ちをもって人とも仕事とも向き合っていける人生を歩めているのだと想像できます。
自分を信じ守ってくれる親のありがたみ
私の場合、自分と親の関係から振り返ってみて、このビリギャル家族と比べてみます。
私は兄弟がいない一人っ子ですから、ある意味、わがままで、勝手気ままに育ちました。
やりたいことは、家計の許す範囲の中で、何でもやらせてもらました。
◆母親は、習い事をさぼる私を知っていたはず
私も、いくつかの習い事に通っていましたが、小中高と、その時々によってサボりたい気持ちになって、自主的に休む(家は出るものの習い事先に行かない)を何度か繰り返した経験があります。
当時は、月謝袋に現金を入れて届ける習い事ばかりですから、袋の中に入っている金額も、それをねん出する親の気持ちや苦しさもわかっていたのですが、どうにも気が乗らずサボっていました。
宿題が出てやりたくない、一緒に塾に通っている友達が気に食わない。
色々な勝手な理由をつけてさぼる私。
考えてみれば、習い事先から親に連絡が一切いかないはずはないので、母親は知っていたはずなのです。
それでも、母親は一切怒りませんでした。
ただ、一度だけ
「嫌なら辞めてもいいんだよ」
と、小さな声で囁いたのを覚えています。
頑固者な私は、始めたら、あるところまではやりたいと心に決めて頑張るタイプなので、途中で逃げ出すのが嫌だったのです。
ただ、しっくりしない、うまくいかないストレスを母親に伝えられずに、悶々としてたのはバレていたのでしょうね。
◆父親は、トラブルの時に何も語らずに飛んできてくれた
亡くなった父親のことで思い出すのは、高校1年の時に、私が帰宅時に、友人と一緒に地域の不良に絡まれてしまって、暴力を振るわれたという事件。(単純にいうと、ヤンキーが金を出せと近寄ってきたのです)
詳細は書きませんが、私と友人はそれぞれ部活があるので、こちらからは一切手を出さずに、ある意味やられ放題でした。
お巡りさんたちがやってくるまで、鼻血も出して、ボロボロになった私と友人は、警察署に連れて行かれて、相手について、色々と聞かれました。
複数の写真を見せられて、誰だったかを聞かれましたが、正直言って、顔を見て覚えている余裕なんてないわけで無理です。
友人はひたすら泣いていたし、私はうなだれていました。
父親が、警察署に私を迎えに来ましたが、何も言いませんでした。
元々、饒舌に話ができる人ではなかったのですが、黙って、私を連れて帰る父親の背中を覚えています。
青春待った中の男子高校生がやられただけっていうのは、父親ならば何か言いたいこともあっただろうに、黙ってくれていた。
私の両親は言葉を発せずに、私と触れ合うタイプだったので、このビリギャルの母親とは大きく異なります。
ただ、子ども側が愛情を受け取ったと感じてくれるのであれば、それで十分なのです。
周りの目じゃなくて、自分の子どもと本気で向き合って愛情をもって接して生きよう!
今、子育てをしていると、周りの目を無視できないことがあります。
厳しくしかれば、虐待だと言われ、放っておくとネグレクト(育児放棄)を言われます。
たくさんの経験をさせて、本人のポテンシャルを高めることができないと、親としては失格のような社会です。
それに、親の両親(子どもの祖父母)たちも、今までの子育て経験から、あれこれと求めていないアドバイスや情報をくれます。
無責任な他人たちもあれこれと言うでしょう。
結果として周りに意識が向いてしまい、子どもに向き合って、本気の愛情を注ぐことができないとしたら、本末転倒です。
この『ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』には育児のプロフェッショナルや専門家ではない、本当の愛情を持った親がどうやって子供と信じて育ててきたのかという真実が書かれています。
是非、子育てに悩む方、育児書と現実のギャップに苦しむ方、親の愛情って何なのかと考えたい方などには読んでほしい一冊です。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。