「タロ〜 ジロ〜」【映画】『南極物語』(1983年公開)を映画館で大泣きした少年

子供の頃、見た映画で鮮烈に覚えているものって何ですか?

私は、1983年公開の『南極物語』です。映画館で大泣きしていた自分を思い出します。

何十年か振りに、Amazonプライム・ビデオで視聴しました。

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南極に置き去りにされた犬たちの存在

南極物語』では、極限の地でセリフを言わぬ犬たちの姿。

人間がいない中でのサバイバルの日々。

感動物語として作られているのは知っている今でも、ウルっと来てしまう作品です。

◆粗いあらすじ

1956年(昭和31年)南極地域観測隊第1次越冬隊が、1年以上の南極生活を終えて、第2次越冬隊と引き継ぎ交代する時点で、悪天候のため、南極への上陸・越冬を断念。

第1次越冬隊の樺太犬15頭を、無人の昭和基地に置き去りにするという結果に。

1年後の第3次越冬隊が南極に訪れた際、兄弟犬、タロとジロだけが生きて再会できた。

◆15頭の犬たちは志願して南極に行ったわけではない

そもそもの話、樺太犬15頭は、ソリを引っ張る動力として越冬隊に加わっています。

今ならば、もっと対応できる乗り物があって、わざわざ犬たちを南極に連れて行くことはないと思いますが、当時の技術力では、南極大陸を横断・移動する上では、犬たちの力は必要な存在でした。

大事なのは、この15頭の犬たちは志願して、南極に行ったわけではない、という点。

例えば、人間がエベレスト登山をしようと思うのは、自分の決意と判断で実行しています。

どんなに苦しい思いをしても、死と隣り合わせの厳しい道のりでも、受け入れざるえません。

樺太犬たちは、訓練されて、南極に連れてこられて、事情により置き去りにされたわけです。

しかも、極限の南極の地(最近、温暖化の影響があるようですが)に、食料もなく首輪もされて、放置される運命なんて、悲惨以外のなにものでもありません。

◆首輪抜けをした犬たちと、できなかった犬の境目は

首輪と鎖に縛られた15頭は、人間たちがいない極限の状態で、必死にもがいて首輪抜けをできた犬たちと、そのままの場所で命を引き取った犬たちに分かれます。

彼らを分けたのは、体力なのか、運なのか。

もちろん、首輪と鎖に縛られたまま、体力を失い空腹で餓死した犬たちも悲惨です。

一方で、逃げ出した犬たちも、食料を探して生き残るサバイバルの道に進みます。

15頭のうち、タロとジロ以外の13頭は亡くなってしまったわけですから、悲惨な物語としか言えません。

◆もし、取り残されたのが人間だったら

首輪と鎖に繋がれた状態でないとしても、もし、あの時、昭和基地にいた人間たちを南極観測船・宗谷にまで運べずに、取り残されたとしたらどうなったのでしょうか。

食料や燃料が尽きることは想像ができます。

犬たちのように、自然の中に飛び出して、狩りをするようなアクションはできたでしょうか。

おそらく、無理だったでしょう。

今、人間を撮り残したりしたら、社会的に大バッシングの嵐になるのは確実です。

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なぜ、私が『南極物語』で大泣きしたのか

当時の映画館って、完全入れ替え制でないところもあって、途中入場、途中退出もOKな雰囲気でした。

もちろん、タバコくさい環境だったし、子供が長い時間、集中するのは限界があります。

私は、この『南極物語』を2回連続で映画館で見た記憶があります。(今なら、完全入れ替え制ですから、NG行為です)

私が泣いたのは、後半にかけて犬が命を落として行く場面にリアルティを感じたシーン。

そして、タロとジロが再会したラストシーン。

どれほどまでに、辛く寂しい思いと過酷な日々を送った犬たちのことを思って純粋に泣いていました。

実話のスピンオフで無理やり感動秘話にしているかも

犬を置き去りにしたことで、飼育も担当していた二人は苦悩の日々を送っているシーンがあります。

実直で批判に耐える演技といえば、男は黙って、不器用に生きる役柄の高倉健には勝てません。

そして、直情的なサブキャラには、渡瀬恒彦の勢いと感情をぶつける演技が合ってました。

もちろん、生きていたタロとジロは奇跡の物語として語られています。

だからこそ、映画化されたのでしょうが。

当時の事情に詳しい人の言葉を借りれば、当時の日本が世界に認められるために、冒険的な調査活動をやるために、無謀な南極観測・越冬を選んだという前提を無視できないそうです。

ものすごく嫌な考え方をする大人としては、タロとジロの胃袋の中身とか、性格の変化とかはなかったのかと疑いたくなります。

感動するための作品作り、当時の派手な宣伝・プロモーションを見せられた少年は、すっかり、その世界観にはまっていたのです。

樺太犬15頭も数奇な運命だったと思いますが、この映画で人間の思惑通りの動き、演技をするために、彼ら役犬(役を演じる犬という意味)たちは、どんなことを考えていたのかと想像してみると、商業主義的な印象が強く感じられますね。

実話ベースといっても脚色は必要ですし、ドキュメンタリー映画ではないので、単純に批判をしてもいけないのが、エンターテイメントだと思います。

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1200万人 61億円の興行収入を生み出した、大ヒット映画

当時、フジテレビ(フジサンケイグループ)が、ヒットさせるために、既存のテレビ番組やタロ・ジロを全国行脚させたり、子供向けの学習雑誌「学研と科学」でも特集を続けるなどの気合の入れようは、作品をアピールする宣伝方法としては、特筆すべきものでした。

当然ながら、高倉健さんが宣伝活動にバンバン出るわけでもなく、タロとジロが喋るわけでもないのに、ここまでやり切るのはすごいとしか言えません。

実写映画では、私の好きな『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年公開)に抜かれるまで、日本映画の歴代映画興行成績(配給収入)第1位を20年もキープしていたという点からも、大ヒットした映画なのは間違いありません。

考えみると、当時はインターネットもない社会なわけで、どうして、そこまでブレイクさせることができたのかは、謎な部分はあります。

動物と人間のストーリーに、素直に感情移入をして、私のように繰り返したり、続けて映画に夢中になれる要素があったのは、宇宙系とか、特撮モノ、アニメにはない、リアルティさが受け入れられていたのではないかと思います。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。