作家デビューをするまでに、異分野で活躍していた人の本は、背景が違うので面白い本が多いです。
作家になるために全力を注いでブレイクする方の本も素晴らしいのですが、自分の経験・知識を言語化して、より多くの人にどう伝えるのかを本気で向き合っている本だとわかると、読者側としても、その熱を理解しようと必死になります。
外務省のラスプーチンと呼ばれて佐藤優さんの著書『本は3冊同時に読みなさい』を読んで、彼の書評レベルの高さを感じつつ、多読同時並行読みの大切さを理解できました。
佐藤優さんは元外務官僚で某事件で逮捕され、職業作家に転向した
鈴木宗男氏の事件で関係者として逮捕された、北方領土問題など対ロシア外交で活躍した、元外務省主任分析官といえば、佐藤優さんになります。
2020年に菊池寛賞を受賞されたことで、幅広い分野での執筆活動を続けていらっしゃいます。
人生の転機が突如訪れて、官僚から職業作家の道を歩んでいる、佐藤優さんの『本は3冊同時に読みなさい』を読んで、彼の読書歴・知識を体感しようと試みました。
3冊同時並行で本を読む男は、ジャンルへの理解を深めて知識を得るため
佐藤優さんの『本は3冊同時に読みなさい』はテクニック本ではありません。
読書も同様で、1冊ずつ読むよりも、並行して複数「読書中」の本を持っておく方が、読書の質とスピードが格段に上がります。1冊を読むのに疲れたら、別ジャンルの本を読むことで疲れをとる、そうするとまた1冊の続きが読みたくなって集中して向かうことができるという話kです。
頭の使う場所を切り替えることによって、たくさん読めるようになります。逆に、1冊を読み終えるまで次の本に手を出さないというルールを課してしまうと、読める冊数が激減します。
目の前の1冊に集中して読めるのは、よほど、自分がハマっている状態か、小説を読んでいる時ぐらいではないでしょうか。
1冊の新書・文庫などであれば、集中すれば、2時間程度で読みこなせるものが世の中の大半の本です。
ただ、まとめて2時間の読書時間を確保できるような人はいません。
佐藤さん自身も、3冊の本を同時並行読みするのは、同じテーマのものをまとめて読むこともあれば、ジャンするを跨いで読むこともあるそうです。
つまり、頭の切り替えを大切にしている点が最大のポイントになります。
1冊ずつ丁寧に読み切ると挫折しやすく、集中力が続かないから
もちろん、1冊ずつ丁寧に読み進める方法を否定はしません。
小説などであれば、無我夢中になれば、読み終えるまで他のことを忘れるぐらい没頭できるような作品に出会えたら、幸せです。
一方で、ビジネス書、専門書、などであれば、1冊に長時間集中するのは疲れます。
まして、1冊全体が優れた本というのは限られていて、面白かったり、興味深い箇所と、あまり自分にとっては価値がなさそうなポイントが混ざっています。
そこで、気持ちが切れてしまい、読むのを止めてしまうと、また、同じ本を読み進めようというエンジンがかかりません。
そもそも、よほどの速読メソッドが習慣化している方でない限り、1冊の本を集中して読み切れるだけの時間的な余裕を持った現代人なんていないのではないでしょうか。
私も同時に3冊程度並行読みしている
私は、佐藤優さんとは違う意味合いで、3冊程度の本を並行読みしています。
その理由は主に、下記3点に集約されます。
その1 どうしても読まないといけない本がある
その2 期限を持って返却しなければいけない本がある
その3 電子書籍で手軽にどこでも読めるものがある
その1 どうしても読まないといけない本がある
1つには、新刊本として、推薦されたり、書評ブログ記事やアマゾンレビューを書かないといけない本です。
もう1つには、読書会などの課題本になっていて、確実に読み切って参加しなければいけないという事情があるケース。
さらに、私が全く知らない、あるテーマについての基礎知識が急遽求められている時です。
これらの場合、必死になって読みます。
その本が、自分にフィットしていないと苦痛が伴い、他の本を読みたくなる心境に駆られます。(積読本を眺めて、手にとって読み始めてしまうこともあります)
その2 期限を持って返却しなければいけない本がある
図書館で借りた本、人から借りた本など、返却期限を持っている本は、返却日に追われます。
残り何日の間に、この本を読み切らなければいけないというプレッシャーに迫られます。
最近、インターネット予約ができるのは便利なのですが、どのタイミングで自分の手元に借りたい本が届くのかは予想できず、短期集中的に、本が届いてしまうと溜まってしまいます。
この場合、自分の興味と相性によって、最後まで読まない本が出てくることは仕方ありません。
次に待っている人がいるならば、その方に、早く届けてあげるのがベストだと考えているので。
その3 電子書籍で手軽にどこでも読めるものがある
もう1つ、紙ではない書籍という意味で、電子書籍(Kindle本)も利用しています。
とにかく、手軽に並行読みをする神ツールなので、途中まで読みかけた本が溜まっています。
Kindle Unlimitedのように10冊までは個別に費用がかからないケースもあると、読み切らないと次の1冊を手に入れられないという課題があるので、プッシュされます。
一方で、購入した本たちが埋もれやすく、隙間時間に気軽に読むものの、次のタイミングまでに内容を忘れて、手前に戻るということを繰り返しやすいのが難点です。
目が疲れることも考慮して、長時間読むのは避けたいですが、手軽で荷物にならずに、大量の本を持ち運べるので、同時並行読みには最適です。
3冊程度がポイント!気分転換でピッチアップしながら読めるに違いない
佐藤優さんの『本は3冊同時に読みなさい』は、書評集なので、今まで読まれた本のエッセンスがコンパクトにまとめられています。
正直、私が今まで読んだジャンルや本と被らない(外交や歴史、神学・宗教など)ものが多くて、新鮮でした。
自分の読書軸が偏ってみるかもしれないという補正のためにも、書評集(書評ブログ)などは定期的にチェックするのが、本選びのアプローチを変える上で役立つのは間違いありません。
私自身も、色々な事情と思いを持って、同時3冊程度の並行読みをしています。
ところが、どうしても読み進められない(寝てしまう、頭に入ってこない)場合、途中で読むのをギブアップしてしまうと、残念な気持ちに襲われることがあります。
実際、読書がスムーズにいっているときは、時間の確保、気持ちの余裕、目的意識などがピタッとハマっていて、自分自身が集中できている状態(ゾーンみたいなもの)でないと難しいです。
気分や状況によって、読む本を切り替えながら、同時並行で読むのは、おすすめの方法です。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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