脳科学者・中野信子の『ペルソナ』:自伝から見える彼女の原点と本質

同世代の脳科学者として、注目している中野信子さん。

今回、タイトルに惹かれて『ペルソナ 脳に潜む闇 (講談社現代新書)』を読んでみました。

彼女の初の自伝的一冊というコピーが気になったのです。

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天才特有の孤高さを感じる存在、中野信子は強いのか問題を読み解く

中野信子さんって、天才特有の孤高さを感じる存在だと思っています。

キャラクターとして、社会の切り出し方を専門性を交えて、グサッと突いてくるタイプです。

彼女は、どこまで強い存在のか、それとも、違う背景があるのかを知れる一冊です。

『ペルソナ』というタイトルに込めた想いは、本来の自分は見せない、わかってもらえない前提

脳科学者として、クセのある話題作を書く、中野信子さん。

社会の闇を抱えている部分を見事に切り取っている存在として、誰もが認める存在。

それだけに、彼女へのアンチも多いのは避けられません。

ただ冷静に考えると、中野信子さん自身のことを知りたくて、『ペルソナ 脳に潜む闇 (講談社現代新書)』を読んでみました。

私たちは、誰もが社会の中にあって役割を持って生活している。その役割をこなすには、本来の自分であることをしばしば覆い隠し、求められたペルソナを演じる必要がある。本来持っている性格そのままに、自然に振る舞いたいという衝動と、その衝動を空気を読む前頭前皮質が抑え込んでいるという均衡の上に私たちは存在している。

中野さんの仮面「ペルソナ」を子ども時代も含めて掘り下げて書いている中身には、彼女の特異性を感じます。

もし、自分のクラスの同級生に彼女がいたことを想像してみました。

きっと、あまり近づかない距離感をキープしていると思いますが。

天才だけに浮いている存在は何を考えているのかが垣間見える

ペルソナ 脳に潜む闇 』を読んでいて、彼女が女性の研究者として生き抜く苦労であったり、結婚と家族のことなど今まで、イメージが湧かない素の部分が興味深いものがありました。

学生時代が長かった彼女も、修士課程、博士課程のことまで、正直に書かれています。

古い考えに縛られた学術世界の男社会の中で、天才だけに、余計に疎ましい存在に思われたであろう彼女は、自分自身と向き合い、生ききたのが伝わってきます。

彼女自身、自分が世間一般の人とは違う感覚、思考を持っているのだと認めている以上、周りとの関係性がスムーズにいくとは限らないのは想像通り。

しかも、育ってきた家庭環境まで振り返り、自分は恵まれていたわけではないと断定する冷徹な眼差しも印象深いものでした。

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他の人と違う部分が多い人間が扱いにくいのは事実

当然、中野信子さんは、扱いやすい部下、学者ではないのでしょう。

彼女自身が、他の人と自分が違うという認識があるのですから、他人も彼女との距離感、ギャップには苦慮する部分は避けられません。

確かに、今まで、天才的な人物と一緒に仕事やプロジェクトを行ったときに、彼らの思考回路も行動も、想定の範囲を越えてしまっているので、言葉を失う場面は何度もありました。

軸が違う以上、噛み合わない部分があったり、理解不能な点を消し去ることはできません。

同調圧力の強い日本という国では、中野信子のような学者さんは生き残るのは、苦労も多いのではないでしょうか。

著書や、その他メディアでの露出で担保できていますが、本来の学者としての評価は厳しいものがあると彼女自身が感じているのが伝わってきます。

自分を語ることと理解されることは別問題!それでも残しておくことに価値がある

私自身、最近、自分史を語る機会があり、人生の棚卸しをさせてもらいました。

自分史なんて書けるほど、立派な人生でもないし、命の終わりに近いとも感じていないので、抵抗感はありましたが、実際に、書き出して、人に伝えようとすると、忘れかけていた記憶との対話が生まれました。

おそらく、この『ペルソナ 脳に潜む闇 』を書くうえで、同世代の彼女も同じような感覚を抱いたのではないかと思います。

まだ、半生を振り返るには、人生の後半戦があるはずだと考えると不要な作業に思たことも、結果として、自分自身の軸を呼び覚まし、これからの道標になるのは、このような振り返りを行わないとできません。

日々を生きて、少し先の未来や予定を考えていると、どうしても忘れてしまいがちです。

自分自身も、何らかのペルソナ(仮面)を被って、生きている存在だと改めて実感させられました。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。