No.2が似合う人っていますよね。
副部長、副社長など、明らかにトップを近くで支えることが役目として適しているタイプ。
なのに、手違いのような運命の悪戯で、トップになると苦しんでしまうもの。
この1年、菅総理大臣という人物を見て、感じたことを確認するために、彼が、就任当初に出版した本『政治家の覚悟 (文春新書)』を読んでみました。
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総理になりたかったわけじゃないのに、急遽、その座に着いてしまった人物
体調不良を理由に、任期中に辞任をした安倍晋三・元首相の後任をどう決めるのか、2020年の秋、コロナ禍の先が見えない状況で起きたハプニング。
長期政権の間に、後任を育てたとは言えないために、最適な人物が見当たらない状況に、当時、官房長官だった菅義偉は、出馬を決めて、総理大臣に就任してしまいました。
彼の本音を『政治家の覚悟 (文春新書)』から垣間見れます。
私には、総理を目指すという気持ちは全くありませんから、あくまで自分は裏方に徹して、安倍政権の実績を積み上げていくことだけを考えているのです。
官房長官時代の菅さんが残している言葉です。
総理の女房役である立場を大切にしつつ、自分の個性をわかっていたのだと思います。
『政治家の覚悟 (文春新書)』は、総理になった時点よりも、今までの政治活動を振り返る事例がたくさん並んでいます。
地方議員、国会議員、総務大臣などとして、彼が官僚に怯むことなく、挑んできた姿が伝わってきます。
自分が何とかしたいという政策に対しては、全力で法案も通して、実現してきた姿。
一方で、総理になった上で、この国にどんな未来を作りたいというビジョンは理解できなかったのです。
やらねばならぬことに全力を尽くすタイプは目の前のことにしか視座がない
菅さんという人物を見ていると、自分がやらねばならぬことに全力を尽くすタイプだとわかります。
そのためには、多様な人物と食事をしながら情報を収集し、官僚たちを叱咤や鼓舞をしながら、邁進していく能力は高いものを感じます。
ただ、目の前のことに対する全力さというのは、今は、理解されないかもしれない未来への布石や、大きな方向性に関するものを持っていない人物だとも言えます。
日本という国を、我々の未来をどんな風にするのか、と考えた際に、携帯料金を下げることは一時的な満足(通信会社の利益率云々の話は、政治が民間に介入しすぎだと個人的には思います)で指示を得ることではなかったはずです。
デジタル庁を作ることを目的にするのではなく、デジタル庁が生まれることで、私たちの未来がどんなふうに変わるのかを指し示す言葉が欲しかったのではないでしょうか。
目の前のことをこなしていく天才なのに、もしくは、誰かを支えてでもやりぬくスペシャリストなのに、彼は、国のトップに立ってしまい、新型コロナウィルス対策というゴールの見えない課題を与えられて、右往左往したように見えてしまったことは残念です。
専門家の意見に頼りすぎる姿は、無責任とも言える
国のリーダーシップを取る人間が「専門界の意見を踏まえ」と発言する機会が増えています。
もちろん、専門家の知見は素人には及ばない量と深さを持っているのは事実です。
ただ、さまざまな専門家の意見や知見を集めて、判断するのは政治家であり、その説明責任を果たすことが国民からの指示を得る唯一の方法なのではないでしょうか。
同時に、国の役割と地方の役割も混沌としていた対応で、生活する民を困らせたのは事実。
2021年夏の菅総理大臣の表情は虚になっていて、ギブアップ寸前のボクサーみたいな様子だったと思います。
彼は、急遽、総理にならざるえなかった、ワンポイントリリーフだったと誰もが想定していた一年前に戻れば、何の不満も出てきません。
人事権の掌握で組織や社会を動かすのは、本当に幸せな国を作れるのか
菅さんの人物像の一つとして、人事権の掌握により、組織をコントロールする怖さが伝わってくる話があります。
自分の言うことを聞かなければ更迭し、自分が評価すれば、抜擢する。
強い経営者やマネージャーによくある手法ですが、ここには、相性とか、冷静な目で人物判断ができているのか、という疑問は残ります。
結果として、恐怖感を組織や社会に与えて、意のままに動かそうとするのは、本当の意味で、幸せな国と支える国民たちなのでしょうか。
私は、全員に与えられる最適なポジション(役割)で、誰もが活躍できるような社会が望ましのではないかと考えています。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。