私は、ダニエル・クレイグがジェームス・ボンドを演じた007シリーズの作品は欠かさず見てきました。
今回、007シリーズ25作目『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年公開)を映画館で見てきました。
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アクションもいいけど、半世紀以上続く作品って時代を超えた「007」の世界
イギリスの作家、イアン・フレミングが1953年に生み出した架空の英国秘密情報部(MI6)
のエージェントをジェームズ・ボンドを主人公とする小説が元になっています。
映画化も25作品目に到達し、作家も引き継ぎ、主人公のボンドも交代しながら、継続しているというシリーズが「007」(ダブルオーセブン)の世界観です
私自身、古い作品は知らないものの、ジェームズ・ボンドといえば、ダニエル・クレイグという印象が強く残っています。(オールドファンな方、ごめんなさい)
金髪のボンド?!主役級でなかったダニエルがエモいボンドを作り上げた!
ジェームズ・ボンドは、元々は、黒髪だったらしいと聞いて、不思議な感覚に襲われたのは、「ダニエル=ボンド」という刷り込みが私の中で完成していたからかもいれません。
今回、細かい設定を事前に頭に入れずに、スクリーンに向かったため、MI6を辞めたはずのボンドがなぜ、任務につくような展開になるのか、想定できていませんでした。
今までの戦いで心も、身体も、過去も含めて清算して、ジャマイカで大人しく、悠々自適な生活をしていたのに、彼は見つけられて、巻き込まれていきます。
ここで大事なのは、今までのように、指示や依頼がMI6から届くというのではなく、彼自身の恋人との関係の中で、動き出した点にあります。
使命感で果たすミッションというよりは、人間・ボンドが立ち向かって戦おうとした部分を、MI6が結果としてサポートしている点にあります。
ネタバレになるので、細かくは書きませんが、彼が何を考えてラストシーンに向かっていったのか、想像すると、深いものがありますし、ダニエル版のボンドのラストを飾るにふさわしい作品でした。
かっこいい、モテるだけでなく、ダメな部分もある人間臭さが魅力
ダニエル版のジェームス・ボンドは、かっこいい、モテるというだけでなく、ダメな部分もある人間臭さが最大の魅力でした。
秘密情報部のエージェントとなると、自分のプライバシーや人間性を無視して、職人として相手を暗殺したり、守るべきものを死守するイメージが強いのですが、彼は、苦悩し、傷つくという当たり前の人間の部分が、盛り込まれていました。
一方で、前々作、前作ぐらいから、MI6のような組織は、もはや時代と合っていないという「古臭さ」を否定するような部分も、ボンドのような存在の必要性に迫る感じがしています。
サイバー犯罪や戦争になるような時代に、拳銃や拳で相手と戦うスタイルは、ミスマッチな印象は拭えません。(Qのような人物が主人公になりそうな時代なので)
普通の人間が、ボンドのような仕草や言葉を吐くと、白々しかったり、しっくりとこない人が多いだけに、主演を演じる役者さんの苦労は想像を絶します。
リアルには、映画の中で、スタントマンを使わずに、自らアクションシーンを演じたために、ダニエルは何度も怪我(骨折など)をしています。
無茶なんかしなくてもいいのに、と思いつつ、身体を張って、かつては脇役俳優で、ボンドとして襲名した時点では、評価が低すぎた彼を関係者が盛り上げて、人間臭さも盛り込んだ、キャラクターとして完成させています。
100%かっこいい、すごい!という人よりも弱い部分が感情移入をできる
昔なら、完璧で、完全無血な主人公に、庶民は憧れを持っていました。
だからこそ、スーパーマンだろうか、ウルトラマンだろうが、ヒーローに思いをのせていたのでしょう。
彼らも作品の中では、弱さがあって、乗り越えて行くのですが、どうしても、特殊すぎて、自分とは違う世界の人という、距離感が存在していました。
もちろん、ジェームス・ボンドも架空の人物で、007というコード名を名乗る存在も世の中にはいないでしょう。(モデルがあって、現実にこのような人物がいたら、少し怖いですけど)
ダニエル版のジェームス・ボンドは、自分の過去や弱さと向き合う場面が何度も出てきていました。
なぜ、彼が、007となっていったのか。そこで何を感じていたのか。
好敵手である相手が、ボンドに何を訴えていたのかを思い出すと、どれもが人間臭いテーマが土台のあくしょんストーリーだったと気付かされます。
結局、他人の弱い部分は、自分の写し鏡みたいなもので、向き合っていく、乗り越えていく姿は、感情移入しやすいのは言うまでもありません。
007シリーズは、日本では作れないから、今後も期待したい
日本でも、さまざまな映画(邦画)が作られて、かつては、シリーズものとして、ヒットした作品も多くありました。
最近では、テレビドラマの劇場版としての扱いが多く、日常見ているものの延長線に、スケールを大きくした設定を設けて、多くの人に見てもらうと言うスタイルです。
細かい設定を映画を見に来た人に伝えなくても、わかっているキャラクターの個性があることで、スムーズにストーリーに入っていけます。
原作があって、映像化して、シリーズ化していくには、固定ファンだけでなく、時代に合わせて変化していくものが必要です。
しかも、現代は、このスピードが激流の川のように早いものに変わっています。
007シリーズのジェームズ・ボンドのような存在は、スクリーンでのアクションが必須。
邦画で作るには、どうしても難しいものが多いですよね。
ダニエル版のジェームズ・ボンド(007)の後継者が誰になるのか、今から楽しみです。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。