中学受験って、都市部では当たり前の姿になりかけていますが、あなた自身は、どう思いますか?
小学生のうちに、自由に遊べない姿は、放課後や土日に複数の習い事に通うだけでも、十分すぎると感じる方もいると思うのですが、中学受験は、レベルが違います。
強制的に勉強をさせられる環境に身を置き、必死になる彼らには、どんな思い、モチベーションがあるのでしょう。
多面的な切り口で、掘り下げて展開する中学受験に関わる小説『金の角持つ子どもたち』を読んでみました。
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ストーリーがシンプルなのに登場人物を掘り下げている
中学受験物語といえば、合否のゴールに向けた子どもと親の苦悩を語って、着地点は見えているものが多い。
逆にいえば、意外性は合否の結果の大逆転ぐらいしか考えられないものです。
藤岡陽子さんの『金の角持つ子どもたち』を読みながら、シンプルなストーリーに潜む、登場人物の掘り下げが見事な作品を味わいました。
中学受験ストーリーを忘れるぐらいの深みがある
中学受験ストーリーの作品が増えたのは、12歳で人生にチャレンジする子どもたちが増えており、その苦悩と格闘を本人たちと親、塾講師などを交えて描く世界観を作りやすく、誰もが身近で共感しやすいポイントが埋め込まれているのだと感じます。
『金の角持つ子どもたち』は、中学受験に関わる人たちにスポットライトを当てていますが、受験そのもののノウハウやテクニックは出てきません。(あくまでも、小説なので当然ですが)
主人公の小6の俊介の頑張る姿に、胸が打たれます。
日本最難関の中学を受験するために、必死になっていく中で、彼の家族、塾講師(担任)の加地が指導・サポートしていきながら、急成長を遂げていきます。
偏差値や合格判定というレベルに左右されず、受験へのスタートが遅かったハンデを乗り越えていこうと挑み続ける俊介の強い意志が、この物語の大事なポイントです。
母親のコンプレックス、心にわだかまりを持つ子ども、弟への思いが募る塾講師の存在
俊介の母親が、家族の都合で高校を中退させられて、学歴にコンプレックスを持ちながら生きています。
父親も同様に大卒エリートとのギャップを車販売の仕事で実績を出すことで乗り切ろうと努めています。
そこに、俊介の妹、難聴の美音がいて、手話でコミュニケーションを取る家族。
特に、母親の苦悩として、家計を預かる立場、子どもたちを育てる母の立場に加えて、保育園で働き始めて、ようやく自分の役割を感じている姿も印象深いものがあります。
また、妹が難聴になったのは、自分のせいかもしれないという疑念を、心のわだかまりとして抱える俊介。
だからこそ、受験に合格して、妹の難聴を直せる技術にチャレンジしていきたいという隠れた志望動機。
引きこもりを長く過ごし、自分のマンションの屋上から自殺未遂を図った弟、直也とともに生きる、加治先生。
彼には、教育への理想があり、頑張る子供達には、「金の角」が生えると語ります。
なぜ、中学受験にチャレンジするのかという理由の大切さ
『金の角持つ子どもたち』を読んでいて、小学生の子どもたちが、どんな理由で、自分を追い込んで勉強を続けて結果を出すという、中学受験にチャレンジするのかということを考えさせられます。
はるか昔、私の小6のクラスメートは3名ほど、私立中学を受験しました。
1名は、亡くなった姉の代わりに、開業医の実家を継いで、医者になることを目指し難関女子校を目指し、合格。
もう1名は、甲子園出場ができる名門高校の附属に入り、野球部で活躍することを夢見て、有名男子校を受けて、合格。
もう1名は、問題のある地元中学を避けて、落ち着いた環境で学びつつ、親元を離れることを考えて、中堅女子校を受験し、合格。
それぞれに理由・動機があって、果敢にチャレンジして、12歳の春を迎えました。
彼らが、その後、どんな大人になったのかは、全てを知らない私が語るわけではありませんが、当時の頑張りを生かして、今も、社会の中で貢献している人材なのは間違いないと信じています。
理由もなく、親に言われたから受験したとか、軽い理由ではなく、一人一人に頑張って戦い抜くだけの理由が必要なのではないでしょうか。
さもないと、子どもたちの貴重な時間を勉強に追い込むのは心が痛まない親はいないと思います。(将来の安定のため、だけが理由にならない時代なので)
金の角が生えるほど頑張れる子どもたちを讃えたい
金の角がリアルに生えるわけではないけども、それぐらいに頑張れる子どもたちを心から讃えたい気持ちになりました。
人生で初めて、自分を極限まで追い込んで、挑戦し続ける12歳。
遊びたい気持ち、つらい気持ちを抑えながら、必死に頑張っている健気さ。
彼らにとって、この中学受験に挑んだ経験がより良いものになっていることを願うばかりです。
『金の角持つ子どもたち』はオススメですよ。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。