【映画】「ロストケア」(2023年公開)介護の現実と苦労をどう考えるべきなのか、真剣に向き合う作品

介護に関わる現実を目の当たりにする作品、映画「ロストケア」を見ました。

誰もが歳を重ねて、自分も変わり、家族との関係性も変わっていくのは避けて通れないもの。

苦しいのは果たして誰なのか、考えさせられました。

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介護の現実は厳しいと感じるのは当事者たちだけなのか

介護職という職業の人も大変ですが、家族で介護をしている人たちも負担はままならぬものがあります。

家族だからこそ、今まで、社会に貢献してきれたからこそ、礼儀を持って接しようと考えても、厳しい現実が待ち構えています。

街中に介護関連の施設やサービスは増えても、当事者にならないと実感がわかないのも事実。

そんなことを考えながら、映画「ロストケア」を静かに見ました。

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42人も殺した殺人鬼なのに、どこか悟りを開いたような介護士を演じる松山ケンイチ

映画の設定としては、介護士が、自分たちが担当する高齢者をニコチンを注射で打って殺していた男が捕まる話なのですが、残酷性をそこまで感じない作品です。

切り取り方によっては、訪問介護センターで働く、斯波宗典(松山ケンイチ)が残酷な殺人鬼だったという設定も可能なのに、そこを薄めながら、介護の現場にある現実を語り尽くす点は秀作だと感じさせます。

高齢社会の日本において、寿命は伸びているものの、健康寿命とは限らず、誰かの支援がなければ日常生活が困難な高齢者は増え続けています。

それを支えある介護職の方々は、高賃金でもなければ、汚れる仕事といえる役割をこなしています。

介護施設ではなく、訪問介護だけに、介護を受ける家の状況がつぶさに見られて、そこにある苦労やつらさに共感していた、斯波が犯行に及んでいたわけです。

その事件を検事の大友秀美(長澤まさみ)が解決に向かうのが、警察の取り調べ、自白を求めるものと違い、淡々と調査をして事実に向かっていく、静かな映画。

一番は、悟りを開いたような介護士を演じる、松山ケンイチの演技だったように思えます。

介護の現実に目を背けたくなる検事も対照的に描かれる

長澤まさみ演じる大友検事は、母親が介護施設にお世話になり、たまにしか顔を出せないという、ごくありふれた設定。

明らかに年老いた母親とのコミュニケーションは、頻度が少ないからこそ、そこまで深刻ではないですが、難しくなっていることは描かれています。

訪問介護の現実と対比すると、綺麗で、サービスも常時完璧な環境であるのに、どこか、寂しそうな年老いた母親の存在。

仕事に夢中になり、介護を無視したわけではなく、プロに預けたというスタイルも、今の世の中では普通のことです。

映画の中で、斯波と向き合う大友の複雑な思いが伝わってくる場面は、誰が見ても、胸が締め付けられたと思います。

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祖母を介護していて叔母の話

私の母方の祖母は90代まで生きたのですが、60歳で脳梗塞系の病で倒れて以降、自分でできることは年々減っていき、誰かの支えがなければ生きていけなくなりました。

結局、私の叔母が中心となって面倒を見ていたのですが、叔母も仕事を辞めて、日中、向き合いながら、お世話をすることにだいぶ疲れていた様子。

暴れるほどの体力はないものの、話が噛み合わないことも増えて、本当に苦労をしていたと思います。

結局、叔母が、先に病で倒れてしまい、この世を去りました。

人生後半の20年近くを自分の親の世話に明け暮れて、人生を終える運命は、どのようなものだったのか、改めて考えさせられます。

叔母が亡くなった翌年、祖母もこの世を去りました。

おそらく、祖母は、叔母が亡くなったことを理解しないままだったと思うと、切ないです。

介護問題を直接ではないものの、間近で感じた人間としては、大変複雑な思いが残っています。

人生100年時代で長生きするようになったとはいえ、幸福なのかはわからない

人生100年時代という言葉を普通に耳にするようになって久しい。

一方で、元気溌剌で100歳まで生きるというケースは限られています。

長年生きてきたのだから、心身ともにダメージと老化からは逃げられず、自活して生きるのには限界があるのは想像できる話。

いわゆる健康寿命というレベルを超えてからの人生のエンディングに向けて、どう生きるのか、もしくは、誰かの支援や協力が必要なのか。

年金がもらえる、もらえないの世界の話ではなく、どんな状態で、どうやって生きているのか、その最後に向けて時間は幸福なのかどうか。

改めて、映画「ロストケア」で考えさせられました。

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安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。