マリー・アントワネットやフランス革命というのは世界史を学んだことがあれば、概要ぐらいは理解できているものの、この設定から何が学べるのか、という点に注目して読んでみました。
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「ベルサイユのばら」は、女性の人気マンガ・アニメで有名
「ベルばら」という略称ぐらいは、どの世代でも聞いたことがあるかもしれません。
フランス革命前〜革命前期のベルサイユを舞台に、男装のオスカル、フランス王妃のマリー・アントワネットの人生を描く、池田理代子作のフィクション作品です。
女性に人気なのはわかるけど、正直言って、男性には響かない感じがしますよね。
フランス革命を研究をした上で、「ベルサイユのばら」は作られた

1972年に「ベルサイユのばら」を連載して、社会現象になっていたと言います。
フランス革命がなぜ起きたのか、ということを掘り下げて理解していない日本人は多いはず。
よほどの世界史マニアか、フランス大好きな人でない限り、当然の話です。
ルイ16世とマリー・アントワネットの贅沢三昧な姿と庶民とのギャップ。
市民たちが怒り、革命まで成し遂げて、彼らをギロチンで処刑するという衝撃さ。
ここで大事なのは時代背景にあります。
この時、自由と平等を掲げて、絶対王政を廃止して、共和制に移行するという大転換に、何が起きたのかを想像するには、「ベルサイユのばら」を読むと世界観に浸れそうです。
池田理代子さんの歴史知識の背景をもとに作られただけに、当時のリアルティも含まれながら、作り込まれています。
フランス革命によって、社会制度が大きく変わっていく姿まで理解できるので
男性中心にしない物語設定の魅力があった
マリー・アントワネット、オスカルなどの登場人物により、革命の最前線にいる男たちだけに注目を集めないように脚色されている点が魅力の1つなのです。
当時であれば、社会の中心は男性たちであり、マリー・アントワネットが王妃といえども、決定権は贅沢をすること程度だったはず。
革命の物語なのに、女子・女性に響いたのは、キャラクターと絵の秀逸さと、女性に響く心理描写が散りばめられていたことだと想像します。(原作マンガ・アニメを見たわけではないので)
一方で、史実に従うべき、庶民の怒りが暴力・暴動的になり、社会を変えるのは、まさに革命そのもの。
多くの血が流れた結果、フランス革命が成り立ったことは忘れてはいけないでしょう。
男子は幕末好きで、フランス革命に響かない
私自身、世界史よりも、日本史が好きであり、フランス革命よりも、幕末の志士の物語の方が興味が惹かれます。
江戸幕府側と新政府側の戊辰戦争などは、古い体制と新体制の戦いであり、考え方の違いも含めて、エピソードも多い。
しかも、サムライたちの考える意思は強く感じるものの、庶民たちがどこまで理解していたのかは、フランス革命と比べると微妙です。
意見や立場の対立と個性が溢れる幕末なのに、江戸城を無血開城していくあたり、とても興味深く、徳川慶喜は、大政奉還後も処刑されることなく、生き残っている点も大きく異なります。
フランス革命を想像するには「ベルサイユのばら」が最適なのはいうまでもありませんが、女性の感情に訴えかける部分も謙虚なので、ここは思惑の違いと認めるかないでしょう。
庶民が立ち上がるフランス革命は成功だった
近年で振り返ると、天安門事件、アラブの春など、庶民が戦った世界の出来事はありました。
ただ、大幅に体制が変わるほどのことは起きていません。
権力側の武力が強すぎて、庶民が束になってかかっても、世の中をひっくり返すような革命は成り立ちにくいのではないでしょうか。
その点、フランス革命は、庶民が立ち上がり、社会を変えたという点は劇的であり、「ベルサイユのばら」を詳しく知らなくても、心動かされるのは間違いありません。
池田理代子さんは、このフランス革命を漫画にしようと思った時点で勝っていると思います。
空想・想像の多いマンガ・アニメの世界の中で、史実を引っ張り上げて名作にするというのは、なかなか尋常な人ではできない偉業ですから。
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投稿者プロフィール

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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。