心理テクニックをうまく活用すれば、多少のことは乗り切れるはず。
もちろん、それが職場でなんらかの問題を感じる相手であっても。
『職場の困った人をうまく動かす心理術』(神田裕子・著)は、いろいろな意味で話題になった一冊です。
もしかしたら手に入らなくなるかも、と思い、取り急ぎ、Amazonでポチりました。
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どんな人が職場で他人を困らせているのか、と素直に考える
チャートで、職場の困ったさんと言われるタイプを診断することで、この本の価値がわかります。
神田さんは以下の5つのタイプに分けています。
1.ASD
2.ADHD
3.愛着障害
4.トラウマ障害
5.世代ギャップ
それぞれのタイプと思われる相手とどう接していけばいいのか、という視点で捉えています。
究極的に、相手を変えることはできないので、自分自身がどう受け止めて、対処していくのが望ましいのかという視点で、心理的な観点でまとめています。
1つ1つの事例を見ながら、自分自身が該当するのか、もしくは、職場で似ているような人に会ったことがないのかと考えながら読めるのではないでしょうか。
困った人は、もしかしたら、自分自身も困っているのかもしれない
相手を困らせる厄介な人という切り口だけで考えるのではなくて、その相手自身も実は困っているのではないか、という視点が重要だと感じました。
無意識な人もいれば、何となく自覚を持っていて、どうすればいいのか悩んでいるのかもしれないと思うと、この本を読んで考える軸が変わります。
困った人は、困っている人だと捉えるだけで、関係性が変わると言ってもいいのでしょう。
自分がどうも周りとしっくりといけていないこと、そのことをどの程度まで認識しているかは、計り知れない部分はありますが、完全に無自覚な人でなければ、どうしたらいいのだろうと答えを出せずに苦しんでいるとも言える気がします。
一方で、対応や関係性に困ってしまう相手を排除したり、無理やり指導する時代ではなくなりました。
相手の価値観、人間性を認めようと、特性として捉えようとする気持ちはあるものの、彼らに応対している時間や労力で疲弊している人がいるのも事実。
本当に難しい問題です。
誰だって、もっとうまくいけたらいいのに、と思っているのでは
思い起こせば、一緒に仕事をしていて、少し変わっていると思っていた相手のことを思い浮かべながら、『職場の困った人をうまく動かす心理術』を読むと、視野や視点が変わります。
あの時、彼・彼女が理解できない存在だと捉えたのは、こんな特性を私も含めた周囲の人がわからなかったからだと。
理解しようなんていう余裕がないとどうしても、相手をなんとかしようと思うか、距離を置いて離れようと考えてしまいがち。
この本に書かれているような心理テクニック的に相手と関われたら、もっと、お互いに良い関係性を築けたのもしれません。
今、目の前にいる人をどう扱うか、というだけのテクニック本ではなく、相手のことを知り、その上で、自分がとう接するのか、という切り口が心地よく、良い方法を教えてもらえた気持ちになる人もいらっしゃるはずです。
誰もが特性があって、状況によって変化するのが人間だから
精神疾患、その周辺の特性について、誰かを名指しして批判するのではなく、その個性と本人、周囲がどう関わるが、ものすごく重要なポイントなのです。
もちろん、人の特性は単純に数値化して測れるものではなく、時と場合、状況によって変わるでしょうし、うまくコントロールしている人もいるはずです。
その状況によって変化する、自分の多様な特性をどう理解して、相手を困らせているのかもしれないという自問自答をしながら向き合えるかどうか。
一筋縄では行かないのが、人間だと思い知らされた一冊でした。
補足:発刊前のバッシング的な騒動はなんだったのか?
誰もが本を手に取る前のタイミングでX上で激しく炎上したいた本『職場の困った人をうまく動かす心理術』でした。
日本障害者協議会の見解を読むとポイントが整理できます。
神田裕子著『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』に関する見解(日本障害者協議会・05/15)
もちろん、本の表紙のイラストは動物を擬人化しており、職場での人間関係や業務においてトラブルを起こす(著者の表現だと「困った」)人が、人間ではなく動物という扱いであり、差別的な内容が本文内にあるという指摘は理解できます。
著者の神田さんが長年のカウンセラー歴から語る部分には一定の評価もされているので完全否定ではない点も注目すべき見解でした。
このように団体として、本の内容全体を読み込み、意見を述べる姿勢は正しいと思いますし、もちろん、この体裁、タイトル、表現の本を出した出版社さんのコンプライアンスはどうなのか、と問われるのも納得できます。
一方で、大きく反論しなかったものの、出版社としては、商業的な部分だけでなく、表現の自由という部分も踏まえると、特定の誰かを名指しで誹謗中傷するような極悪本ではなく、読者自身の立場で何か職場で問題を抱えている、特に人とのコミュニケーションにおいて、を心理面で解決できないか、という提案の本だという側面があると、私は認識しました。
このような建設的なやりとり、意見や考えの相違は、正当なものだと捉えます。
話題に乗っかるだけのXのポストは、イメージと誰かの意見に賛同する姿勢を感情的にぶつけているものが多かった記憶があります。
おそらく、大半の方は、発刊前の本ですから、読んでいなくて、誰かの強い意見・コメントに被せることで、インプレッションを稼いだのだと思います。
何らかの特性は、誰にだってあるもので、この本に取り上げられたものは、程度の問題として誰もが自分自身の中に多少は持ちうるのではないでしょうか。
つまり、困った人と自分が思われているとしたら、もしくは、職場の人間関係で悩んでいるならば、どう捉えて考えてみるのか、というヒントが書かれていると認識すれば、腹は立たないレベルでした。
決して、指南本や、「べき論」の押し付け本ではなかったので。
もちろん、部分的には、問題がありそな箇所、誤解を受けそうな表現だと感じたところもあります。
完璧な本、議論、動画などのコンテンツなんて、この世には存在しません。
最後は、情報やアイデアを受け取った側が何を理解し、それをどう自分に生かしたり、他者との関係性の中で活用するのか、というのが大事なのではないでしょうか。
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投稿者プロフィール

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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。