仕事や家庭、人間関係など、私たちは日々、さまざまなストレスに囲まれて生きています。
思い通りに進まない仕事、相手との価値観の違い、将来への不安、自分ではどうすることもできない出来事。
誰もがストレスを感じる瞬間を経験しているのではないでしょうか。
ストレスが溜まったら発散する。できるだけストレスを避ける。ストレスの原因を取り除く。
こうした考え方は、決して間違っていません。
しかし、そもそもストレスを完全になくすことなどできるのでしょうか。
私は、ストレスをなくすことにこだわるよりも、ストレスとの向き合い方を知り、自分なりの付き合い方を身につけることが大切なのではないかと考えています。
そして、そのために必要なのが、自分を取り戻す時間と居場所です。
今回は、ストレスとの付き合い方を整理しながら、家庭でも職場でもない第三の居場所「サードプレイス」が果たす役割について考えてみたいと思います。
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ストレスをゼロにすることより、上手に付き合うことが大切
ストレスと聞くと、多くの人はネガティブなものをイメージするでしょう。
仕事のプレッシャー、人間関係の摩擦、日常生活での不満や不安。
確かに、強いストレスが長期間続けば、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方で、ストレスのすべてが悪いものというわけではありません。
例えば、新しい仕事に挑戦するときの緊張感。大勢の前で発表するときのプレッシャー。目標達成に向けて努力するときの適度な負荷。
こうしたストレスは、集中力を高めたり、行動するきっかけになったりすることがあります。
つまり、ストレスには私たちを苦しめる側面だけではなく、成長や変化を促す側面もあるのです。
もちろん、だからといって、ストレスを積極的に抱え込む必要はありません。
大切なのは、今の自分にとって、そのストレスがどのような意味を持っているのかを見極めることです。
乗り越えたい挑戦なのか。それとも、自分の心や身体を傷つけている負担なのか。
この違いを理解することが、ストレスとの付き合い方を考える第一歩になるでしょう。
ストレスに強い人になることよりも、ストレスに気づき、適切に対応できる人になること。
そんな考え方を持ってみてもよいのではないでしょうか。
なぜ私たちはストレスを抱え込んでしまうのか
ストレスが厄介なのは、必ずしも自分でコントロールできるものばかりではないという点です。
例えば、職場の上司や同僚の言動、家族との意見の食い違い、社会環境の変化など、自分一人の努力では解決できない問題が数多くあります。
それにもかかわらず、私たちは何とかしようと頑張ってしまいます。
相手に理解してもらおうとする。自分が我慢すれば丸く収まると考える。期待に応えようとして無理を重ねる。
その結果、知らず知らずのうちにストレスを抱え込んでしまうのです。
我慢することが当たり前になっていないか
日本社会では、我慢や忍耐が美徳として評価される場面が少なくありません。
多少の不満があっても表に出さない。周囲に迷惑をかけない。自分の感情を抑えて、その場を乗り切る。
こうした姿勢が、円滑な人間関係につながることもあるでしょう。
しかし、我慢を続けることが常に正しいとは限りません。
ストレスを感じていることを認めず、無理を続ければ、心身の不調につながることもあります。
眠れない、疲れが取れない、イライラする、集中できない。
こうした変化が続くなら、自分の状態を見直す必要があります。
我慢できることと、我慢し続けてよいことは違うのです。
自分で変えられることと、変えられないことを分ける
ストレスとの向き合い方を考えるうえで、私が重要だと思うのは、コントロールできることと、できないことを区別する視点です。
他人の考え方や行動を、こちらの都合で変えることはできません。
しかし、自分が相手とどう接するのか、どの程度の距離を取るのか、何を優先するのかは、ある程度選ぶことができます。
変えられないものを無理に変えようとするほど、ストレスが大きくなる場合があります。
だからこそ、すべての問題を自分で解決しようとせず、できることに目を向ける。
ときには、距離を置くことや助けを求めることも、立派な選択なのです。
相手を変えるなんて無理!たとえ家族であっても
私は家族と暮らす中で、どうしても相手の言動で気になることがあったので、何とか変えて欲しいと願って、何度も伝えてきました。
具体的にいうと
相手が嫌がるとわかっていることを、何度も言葉として繰り返して、本人が温度感を上げ続ける行為をやめてもらえないか
もちろん、穏やかにも言いましたし、何度か、その理由も説明しました。
理解はしてくれたものの、結局、相手にスイッチが入ってしまうと、この癖は本人の無意識なので止められません。
相手のストレス発散方法なのだろうから、俺は受け流すしかない。正直にエバ、少ししんどいことなのですが。
カウンターとして、私もイライラしてしまい、口喧嘩になってヒートアップするぐらいなら、聞き流すスタイルで過ごそうと決めました。
もちろん、人間なので、完璧にやり過ごすことはできませんが、相手は変えられないけど、自分は変えられるというスタンスで、乗り切れば、少しはストレスは削減できているはずです。
あなたも身近で身に覚えはありませんか?
ストレスとの上手な付き合い方、今日からできる5つの方法
では、日常生活の中でストレスを感じたとき、私たちはどのように対応すればよいのでしょうか。
特別な道具や大きな費用をかけなくても、取り入れられる方法があります。
1.ストレスの原因から一時的に距離を置く
ストレスを感じる出来事から、物理的にも心理的にも距離を置くことです。
例えば、仕事で煮詰まったら席を離れる。人間関係に疲れたら、無理に交流を続けない。SNSの情報に振り回されるなら、見る時間を減らす。
その場から離れることで、気持ちが落ち着き、別の視点から考えられることがあります。
逃げることと、自分を守ることは同じではありません。
ときには距離を取ることが、問題に向き合うための準備になるのです。
2.身体を動かして気分を切り替える
散歩やストレッチ、軽い運動なども、ストレスへの対処法の一つです。
身体を動かすことで、気分転換や睡眠の改善につながる場合があります。
激しい運動をする必要はありません。
近所を15分ほど歩く。公園の緑を眺める。肩や背中をゆっくり伸ばす。
日常生活の中に、少しだけ身体を動かす時間を設ける。
考え事で頭がいっぱいになったときこそ、身体を動かすことが気持ちを切り替えるきっかけになるかもしれません。
3.自分の気持ちを言葉にしてみる
ストレスを抱えているとき、頭の中ではさまざまな感情が入り混じっています。
怒り、不安、寂しさ、焦り、悔しさ。
その感情を整理するために、誰かに話したり、紙に書き出したりする方法があります。
必ずしも、相手に解決策を求める必要はありません。
ただ話を聞いてもらうだけで、自分の考えが整理されることもあります。
一方で、誰かに話すことが負担になる人もいるでしょう。
その場合は、日記やメモなど、自分だけで気持ちを言語化する方法でも構いません。
大切なのは、自分が何にストレスを感じているのかを理解することです。
4.物事を別の角度から捉え直す
同じ出来事でも、その受け止め方によって感じるストレスが変わることがあります。
例えば、仕事で失敗したとき。
「自分は何をやっても駄目だ」と考えるのか、「今回の経験から何を学べるだろう」と考えるのか。
後者の視点を持てれば、失敗を次の行動につなげられるかもしれません。
心理学では、こうした捉え直しを「リフレーミング」と呼びます。
ただし、何でも前向きに考えればよいわけではありません。
理不尽な扱いや過度な負担まで、自分の考え方だけで解決しようとする必要はないのです。
現実の問題に対処しながら、必要以上に自分を責めない。
「物事をどう捉えるかによって、悩みとの向き合い方も変わってきます。以前、サードプレイス・ラボで開催した『心を大切にする』イベントでも、悩みや物事の捉え方について考える機会がありました。」
2025年という年も、元気に生きる 〜働く・生きるにとって心を大切に!〜
そんな柔軟な考え方が役立つのではないでしょうか。
5.自分が安心できる居場所を持つ
最後に紹介したいのが、自分を取り戻せる居場所を持つことです。
職場でも家庭でも、私たちは何らかの役割を担っています。
会社員、上司、部下、親、配偶者など、立場に応じて求められることがあります。
その役割が充実感や生きがいにつながる一方で、責任や期待がストレスになる場合もあります。
だからこそ、役割から少し離れて、自分らしく過ごせる場所が大切になるのではないでしょうか。
「自分らしく過ごせる場所は、必ずしも外にあるとは限りません。自宅の一角に、趣味や読書などに没頭できるスペースをつくることも、一つの方法です。」
自宅でサードプレイスを味わうために、没頭できるスペースを作れ!
ここで考えたいのが、サードプレイスの存在です。
サードプレイスは、ストレスを抱えた自分を整える場所になる
サードプレイスとは、家庭という第一の場所、職場という第二の場所とは異なる、第三の居場所を指す考え方です。
カフェ、図書館、地域のコミュニティ、趣味の集まりなど、その形はさまざまです。
ただし、単に家や職場以外の場所であれば、すべてがサードプレイスになるわけではありません。
大切なのは、その場所でどのような人間関係や時間を持てるかということです。
「自分にとって居心地の良い場所とは、どのような場所なのでしょうか。以前の記事では、サードプレイスにおける居心地の良い場所を3つの種類に分けて考えています。」
役割から離れられる時間が心の余裕を生む
家庭や職場では、どうしても役割や責任がついて回ります。
期待に応えようとしたり、周囲に気を配ったりするうちに、知らず知らずのうちに疲れてしまうことがあります。
そんなとき、利害関係から離れた場所で過ごす時間は、心の余裕を取り戻すきっかけになるでしょう。
仕事の肩書きや家庭での立場に関係なく、一人の人間として過ごす。
何か成果を出す必要も、誰かに評価される必要もない。
そんな時間があるだけで、日常生活との向き合い方が変わるかもしれません。
誰かとつながることも、一人になることも大切
ストレスを感じたとき、誰かと話したくなる人もいれば、一人で静かに過ごしたい人もいます。
どちらが正しいというものではありません。
気の合う仲間と会話を楽しむことも、一人で本を読みながら過ごすことも、自分を整える時間になります。
厳密な意味でのサードプレイスは、人々の交流や関係性を重視する概念ですが、ストレスとの付き合い方を考えるなら、一人で安心して過ごせる場所も大切にしたいものです。
重要なのは、自分が無理をせずに過ごせること。
自分にとって心地よい距離感を選べることです。
ストレスが溜まったら、とにかく気分転換がいい
私自身、ストレスが溜まった瞬間、また、何かに囚われてイライラしている時があります。
そういう時は、朝散歩をしたり、読書、カフェなどでとにかく気分転換をします。
若い頃のように飲みに出かける、友人と長電話で話すということは減りました。
でも、この気分転換って、目の前のストレスを忘れる感覚が大事だと思っています。
究極は、寝てしまうことでリセットしようと努めています。(目覚めた時に、思い出すこともあるので、完璧な方法ではないのですが)
あなたは、ストレスが溜まったら、どう対処していますか?
サードプレイスがあればストレスがなくなるわけではない
ここで、一つ注意しておきたいことがあります。
それは、サードプレイスがすべてのストレスを解決する万能な場所ではないということです。
職場での問題がなくなるわけでも、家庭での悩みが消えるわけでもありません。
また、サードプレイスの人間関係そのものがストレスになる場合もあります。
コミュニティへの参加が義務になったり、役割や責任が増えたりすれば、せっかくの第三の居場所が新たな負担になってしまうでしょう。
だからこそ、サードプレイスは無理をして参加する場所ではなく、自分の意思で関われる場所であってほしいと思います。
参加したいときに参加できる。距離を置きたいときには離れられる。
そして、再び戻りたくなったときに、自然に戻れる。
そんな関係性こそ、ストレスの多い日常生活の中で価値を持つのではないでしょうか。
なお、強いストレスによって不眠や気分の落ち込み、日常生活への支障が続く場合には、居場所や気分転換だけで対応しようとせず、医療機関や専門家に相談することも大切です。
ストレスとの向き合い方を変えることは、自分の生き方を見直すこと
私たちは、ストレスを感じると、その原因を取り除くことに意識が向きがちです。
もちろん、解決できる問題は解決した方がよいでしょう。
しかし、人生には簡単に解決できない問題もあります。
人間関係、仕事、家庭、健康、将来への不安。
すべてを自分の思い通りにすることはできません。
だからこそ、ストレスをなくすことだけを目標にするのではなく、ストレスを感じたときに、どう自分を守り、どう立て直していくかを考えることが大切です。
無理をして頑張り続けない。自分の感情を否定しない。必要なときには誰かに頼る。
そして、日常の役割から離れて、自分らしく過ごせる時間や場所を持つ。
それは決して、現実から逃げることではありません。
むしろ、日常生活と向き合い続けるために必要な、自分自身のメンテナンスなのだと思います。
サードプレイスも、その選択肢の一つです。
ストレスの原因を直接解決できなくても、心の余裕を取り戻すきっかけにはなれる。
私は、そこにサードプレイスの大きな可能性を感じています。
ストレスをなくす人生ではなく、ストレスを抱えながらも、自分らしく生きていける人生。
そのために、自分なりのストレスとの付き合い方を見つけていきたいものです。
最後に、あなたに問いかけたいと思います。
あなたには、ストレスを感じたときに、肩の力を抜いて自分に戻れる場所がありますか?
そして、その場所で過ごす時間を、日々の生活の中で大切にできているでしょうか。
ストレスを抱えた自分とどう向き合うのか。マインドフルネスをテーマにした書籍を通じて、気持ちを切り替えるヒントを考えます。
仕事や家庭の役割だけに縛られない生き方とは。サードプレイスの価値と、人との緩やかなつながりの大切さを考えます。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。