何かを再生させた人の言葉は重い・深い・学べる 『黒川温泉のドン 後藤哲也の再生の法則』から

「再生の法則」 後藤哲也が学んだ12の教訓を味わう

黒川温泉のドン後藤哲也の「再生」の法則』の肝となる12の教訓・法則を素直に受け止めてみようと思い、このブログに書き出していきます。

法則1:現場の声を「お客さんの後ろ姿」で判断する

人は後ろ姿にしか本音はないという後藤さんの聞き耳による生の情報収集力。
顧客中心主義などを掲げる企業が多いなか、顧客満足度調査などを実施されているケースもよく見かけます。しかし、アンケート形式など、相手が回答する意図を探りながら実施する場合と、自然な姿から聞こえてくる生の声には大きな違いがあります。

法則2:毎日、自分を振り返る

僕が思うに、スランプになってこういうふうに右往左往するのは、自分の「原点」を見失ってしまっとるのが原因じゃと思います。(中略)「原点」を自分で確かめるには、毎日、自分を振り返ることを繰り返すしかありません。

温泉コンサルタントとも言えるレベルの後藤さんが、自分の原点を忘れない為に、自分の旅館の「洞窟風呂」「穴風呂」「岩戸風呂」を1時間以上かけて風呂掃除をするそうです。この時間に「原点」があると仰ってます。

誰もが、立場や状況が変わると、自分の「原点」を忘れがち。だからこそ、常に定点観測的なルーティンであっても、自分を振り返るポイントを持つことは重要なのだと思います。

法則3:部分に気をとられて全体を見失うな

「木を見て森を見ず」なんて言葉は使い古されてますが、リアルに後藤さんが語ると面白くなります。会社の経営者に投げかけた言葉が印象的です

社員に対して『売上げを伸ばせ』とだけ言うのは、もうやめにしたらよかじゃなかとですか。それよりも、『お客さんに喜びを与えてこい』と言うたらどうですか。そのほうが社員も育つし、会社も伸びますよ。

目の前のことを無理矢理やっても意味がない。個々の数字や評価を追えばおうほど、全体としてちぐはぐになるのは誰もが気がついています。何がゴールなのか、全体感を意識できる世の中にしようと誰もが変えれたら、素敵なものばかりになるように予想できます。

法則4:忍耐、忍耐・・・・・・忍耐力

最近の若い人は忍耐がでけんで、すぐあきらめてしまう人が多いと言われとるけれども、やはり、それは勉強不足が原因なんじゃないだろうか。突き放しとるように聞こえるかもしらんが、自分が「これだ」という固い決意がないと、人間なかなか突き進めるもんじゃありません。そして、「これだ」と思うものは、勉強を重ねたうえでないと見つからんもんです。自分を奮い立たせる土台があってこその「信念」なんですな。

黒川温泉街に植樹運動という地道な活動を時間をかけて取り組んだ黒川さん。成果が出るまでに反対や異論を組合関係者から言われても、未来を信じて、信念を曲げなかったことが、黒川温泉ブームを作り出した根本だけに、言葉の重みが違います。少しばかりの忍耐で根をあげるんじゃないと、叱咤激励された気持ちになれました。

法則5:速度(スピード)よりも間(スペース)を大切にする

実に、後藤さんらしい考え方で人材育成を語っています。
ベンチャー企業だけに限らず、人を育てることにスピード重視になっている企業は多いです。即戦力として活躍して欲しいという願いは充分にわかるのですが、じっくりと育てるという意味でのゆったりとした時間の価値としての間(ま)は、日本人は大事にしてきたはずなのですが、いつのまにか忘れてしまったようです。

成長のスピード違反的な行為は、人間をどこに連れていってしまうのでしょうか。
燃え尽きたり、飽きたり、ダメにしてしまうかもしれないという思いは伝わってきました。

法則6:出番は必ず訪れる

まあ、チャンスというのは、どこからやって来るのかわかりませんからな。そして、チャンスは、マッというに仕事をしている人にしか訪れてこん、ちゅうのも確かですな。

プロスポーツの世界で言えば、控え選手の役割をどう捉えるか。レギュラーじゃないから、その日の試合では出番がないかもしれない。だからといって、準備を怠っていいわけではないのです。常に、いつでも、自分の出番があるはずだと信じてコツコツと続けている人のもとへ、必ずチャンスは訪れると後藤さんは語ります。

ご本人も仰る通り、黒川温泉の旅館仲間の中では、変わり者で認めてもらえない不遇な期間が長かったのでしょう。そこに腐ることなく、自分の出番を信じて地道に続けてきたからこそ、このメッセージは心を打ちます。

法則7:「我が身かわいさ」から脱皮せよ

自分中心、自分が良ければ他人はどうでもいい。こういう考え方は、定着しすぎて違和感がなくなってきたのかもしれません。

自分が幸せになるため、お金持ちになるためなら、どんなことをしても構わない。

恐ろしい考え方が蔓延しています。

敬天愛人を掲げた西郷隆盛にはなれなくても、我が身だけを重視する生き方や風潮にブレーキをかけたいものです。

法則8:「状況」は自らで変えていく

自分では変えることができない状況を、わが身の不運なんちゅうて嘆いていても始まりません。その中で、何を変えていくか。僕の場合、いつでも与えられた状況を自分でよか方向に変えていったとです。

後藤さんの方言まじりの言葉を文字にして読むと、リアル感と親近感が増してきます。

誰かが、自分を変えてくれると他人任せの人生を生きるのではなく、自分から状況を変えていくのだという強い意志と姿勢こそが大切だと、自らの事例を交えて教えてもらえていることに感謝の念が湧いてきます。

法則9:心の持ち方で人生は変わる

雰囲気で人間が変わるんじゃから、自分の気持ちの持ちようで人生が変わるというのも、やはり人間の心理なんですな。

後藤さんお再生の法則には、心の話が続きます。事実は変えられなくても、自分の考え方、心の持ちようはいかようにも変えられる。

最後は人間の心理をどう理解するかが、人間の成長を促してくれるキーなのでしょう。

法則10:スキルや資格は志がなければ役に立たない

難しい試験に合格して資格を取っても、それについての実務を有る程度わかっとっても、世の中の仕組みが理解できなくて頭でっかちに考えとったら「心」のこもった仕事はでけんとです。

スキル、資格、最近は評価が下がっている感がありますが学歴。これらは、公的にその人の一定時点での勉強した成果を表すツールだと思っています。

ツールさえあれば万能なのかと言われれば、間違っています。

包丁だって、おいしい料理に使うこともできれば、人殺しの道具にだってなりますよね。

弁護士資格も困っている人を救うこともできれば、法の穴を見つけて悪巧みをする側で活用する人もいるわけです。

スキル、資格と志の掛け合わせの重要性には納得させられます。さすが、後藤哲也さんです。

法則11:嫉妬はなくならない、前進あるのみ

成功する人を羨ましく感じ、妬んでしまう。行き過ぎれば、相手を困らせて落とし込む活動だってありえる。でも、この世の中から嫉妬は絶対に消えない存在だと認めたうえで、その嫉妬されている感情や行為を相手にせずに、自らは前進するだけ、というスタンス。

人間の心理を考えると難しい。

どうしても人は自分と他人を比べたがるので、そのギャップが自分に不利であれば、絶対に嫉妬的な感情は湧いてきます。

相手から受ける感情としては受け流し、自分は嫉妬に囚われない。そんな生き方を目指したいものです。

法則12:理想の状態は最悪の事態の始まりだ

「最高です!」と発言する人が増えたような気がしませんか。

最高だとしたら、それはピークを指します。理想な状態に到達したということは頂上。

ここまできたら、あとは下るのみ。

私も仕事の中で、相手から絶好調だと惨事を受けた時に、これからは下がりのが確実と答えたことがあります。(ある意味、現実的な未来予測になりました)

ピーク後の時点でどう対応するのか。どう変えていくのか。こういったことを考えて準備をしておかないと、最悪の事態に突き進むだけなのです。

人生は山と谷を繰り返すので、さけられない現実です。

再生の法則・教訓とは、特別なことは何もありませんでした。

それだけに、このポイントを外してしまうと、困ったことになると理解できるので、大変役立つチェックリストのような存在を与えてもらったような気がします。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。