全てのものを映像化しようなんて、どれほど技術が進んでも無理があります。
フィクションの世界、小説だからこそ成立すると言えるものがあって当然です。
その壁をぶち破る映画関係者というのもいるのですが。
今回、『天空の蜂』には、本当に驚かされました。
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原作が素晴らしくても、映像化が難しい作品はある
原作が大ベストセラーになっても、映像化に踏み切れない作品は存在する。
例えば、村上春樹さんの『1Q84』は映像化するのは難しいと感じます。あの世界観をどうやって表現するのか、と想像すると配役も含めて大変そうです。
逆に映像化から、ノベライズされていく作品も多々あります。
映画化されるとは思わなかった!『天空の蜂』
東野圭吾作品は、書店でも平積みされて、映画化された作品も多数あります。
その中で、私は『天空の蜂』だけは映像化(映画・ドラマともに)するのは厳しいと感じていました。
理由は2つ。
1つは、VFXなどの特殊効果のレベルが上がっても、リアルティに欠けてしまうぐらい、難しい映像場面が想像できたこと。感覚があること。
最近のハリウッドに限らず、洋画、邦画ともに、見事な画像技術でリアルな姿を表現できる技術レベルは上がっています。3Dを越えて、4Dの世界ですから当然磨かれていく世界なのでしょう。
ただ、「天空の蜂」の場合、あまりにもヘリコプター技術や原発の姿などを考えると難しすぎるのではないかと考えていました。(技術的要素だけでなく、コスト面なども含む話)
もう1つが重い課題。
犯人の対象が原発を標的としているという設定。クライシスサスペンスだけに、この設定は秀逸。しかし、東日本大震災後、この設定を受け入れて、観客がどんな気持ちになるのかという点。
正直、映像化に踏み切る映画関係社はいないと思っていました。
まさか、2015年に堤幸彦監督がメガホンを取って、社会派エンターテイメント作品として公開されるなんて、想像できませんでした。
(江口洋介・本木雅弘・堤幸彦監督『天空の蜂』舞台挨拶レポート!)
豪華な俳優陣とスケール感、素晴らしかった!
この作品は、俳優陣が全力を尽くされているのが画面いっぱいに伝わってきました。
(予告編だけでもたまらない、ドキドキ感がありました)
「日本の原子力発電所を全て破棄せよ!」という犯人の要望を受けて、戦う警察、ヘリ設計士、原発関係者、自衛隊などとのカウントダウンバトル。
Amazonプライムで見つけて、無料で楽しめることができました。
ハリウッド映画にあるような激しさがないのに、危機感も含めてハラハラさせられるのは、ストリー全体と俳優、映像も含めたコラボレーションの妙としか言えませんでした。
ラストシーンがどんな決着になるのか、原作で知っているのに関わらず、ぐいぐい引き込まれる感じは最高の証。
ある日訪れるかもしれない出来事に向けて、本当に大切なものを守れる?
この手のクライシス系のストーリーものは、実に良く調べられていると感じます。犯人対警察、善と悪みたいな単純な設計では作られていない点が、引き込まされるポイントです。
そこにあるのは、今、当然のように、安心・安全だと思っているものが、ちょっとしたことで危機に陥いるという前提で描かれていることです。
もしかしたら、自分たちの目の前に、起こりうるかもしれないテロや事故などの危機に際して、どう立ち向かえるのか、逃げるのか、などを自分ゴトとして考えさせられます。
追い込まれた状況で奇跡は起こるかもしれないし、何もできないで最期を迎えるかもしれない。そんな予想できない事態は、いつ、どこで起きたとしてもおかしくないと頭の片隅に意識がおけるかどうかと、啓蒙されているような印象が残りました。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。