働き方 完全無双とはどんな考え方なのか
“個人としては、ワンチャンを狙いながら幸せを目指す”という生き方を、ひろゆき氏の『働き方 完全無双』が提示しています。
この本の中で語る無双とは
スキル×理論×経営者視点×環境
だと断言しています。
個人の「攻め方」「守り方」をマスターし、企業の「論理」を身につけて、業界としてよりより「環境」に身を置く
個人と社会を分けて考えて、個人の「攻め方」と「守り方」固める。そして、企業側の視点を盛り込む。
ひろゆき氏といえば、2chの元管理人として有名です。今は、2chを譲渡として、多くの企業に携わり、企画立案やサービス運営する、プログラマーとして活躍しています。
彼は、普通の人と感覚が明らかに違うのは、海外で生活をしたりする中から、日本を見ている点が特徴的です。立ち位置が違うから考え方が異質に感じるものの、突拍子もなく荒唐無稽なことを語っているわけでもなさそう、というポジショニングをされていると感じます。
能力なんてものは存在しない
個人が生き残るために、スキルが大事だと書くのは、普通の本です。ひろゆき氏はあっさり、能力なんてものは存在しないと否定的に切り込みます。
新しいことには首を突っ込み、嫌なことはやめてしまえば人生はラクだと言われれば、否定はしません。誰もが、この逆で、新しいことには躊躇して、嫌なことも我慢して生きて、働いています。
能力なんてコモディティ化するのだから勝負せずに、能力以外の部分で「レア」な存在するであることを勧めています。
ストレンジャーな存在であることを普通に感じれるかどうか、人として異質である状態を当たり前に感じれるかどうか、と日本人が問われると、難しいと感じてしまいます。
誰もが同じような服を着て、似たような生活を求めるのではなく、ちょっと変わっていても問題なしと割り切れるかどうか、ここはひろゆき氏の行き方がベースなので、誰もが納得できて、実践できるのかは難しいと思います。
社会に殺されないための提案
個人の「攻め方」の反対側にある「守り方」を4点挙げています。
・ブラック企業から身を守れ
・ベイシックインカムを前提に生きろ
・さっさと寝ろ
・健康であれ
後半の2点は、他の書籍でも睡眠の重要性と健康に生きるは書かれているので、違和感はありません。
ブラック企業から個人が逃げるのは当たり前であって、「根絶やし」にしなければいけないという主張は正論です。
確かに、今までブラック企業自体が変わったとしても、ブラック企業の存在が消えてはいません。
ブラック企業がこの世から消えるには働き手が誰もいなくなれば実現できます。
問題は、ブラック企業でも心地よく感じて生きている錯覚の民がいることだと私は考えています。
究極のドM体質な人は、ブラック企業でも生き続けようと頑張ってしまうから、存続できてしまうのではないでしょうか。
ベーシックインカムについては、誰もが理想論としては理解できるものの、現実的なゴールが見えていないし、財源についても疑問視する人がいます。
人間は必要最低限度のお金を国からもらえてしまったら、堕落するのではなかろうか、という不安をベースにした考え方。
いわゆる生活保護なんて信じられない、ちゃんと真面目に働けと言う、真っ当に生きようとする普通の日本人DNAを持っていれば当然の考え方。
この部分すら飛び越える発想を提案できるのが、ひろゆき氏の独特さです。
ベーシックインカムがあれば、本当に個人と社会が幸せになるのかは、もう少し掘り下げてかんげていく必要があると感じます。
会社なんてずっと生き残るわけないじゃん
仲がいい会社が生き残るという、ひろゆき氏の意見には同意できる部分と反論したい部分があります。
もちろん、不仲で、仲間を信頼しない組織で働くことは幸福ではありません。
一方で、仲良しクラブで企業は勝ち残れるのか、と問われると疑問が残ります。
ここは、自分の仕事、会社の事業は「何のため」「誰のため」にあるのかという根本を常に念頭に置いて働けるかどうか、という点がポイントなのではないでしょうか。
結果として、仲の良い会社になっているから、生き残るという結論は間違っていないとわかってくるのですが、大事な部分を割愛すると、本質を誤解する人が出てきそうな気がしました。
そして、事業が永久不変ではいられないと割り切ることや、優秀なやつや新しい産業の足を引っ張るな、とひろゆき氏は注意喚起をしています。
叩きまくる祭りには、うさ晴らし以外の価値はない
日本人の何かがあれば一気呵成に叩く癖は、ワイドショー的なアプローチに触れ続けたことと、批判をして何かを叩くと正義のヒーロー側に立ったという勘違いした高揚感を持ってしまう傾向にあると思います。
私は、これは日本人のお祭り好きな気質に影響されていると解釈しています。
短期的に熱狂して、多数でワイワイガヤガヤやることが楽しい。みんなで同じ方向を向いていれば最高。
悪い奴は許せないという押し付ける正義感気取りに問題があります。
個人として悩み考え抜いた結論ではなく、追い風に乗って、みんなで、わっしょいわっしょいと神輿を担ぎ、大騒ぎする感覚。
行き過ぎれば、当事者ではないのに、苦情の電話を相手に入れて、SNSに書き込みをして拡散していく。
実は、無責任な参加者であって、深く考えてはいないので、誰かに誤まった扇動をされたら、怖いところに私たちは、普通に行き着くのかもしれない。
祭りの後、その熱狂感を振り返ることもせずに、何もなかったような日常生活を過ごしている。
次々とターゲットを見つけては、相手の弱いところ、ミスを叩き続ける。
飽きたら、新しい対象を探すという姿に、当事者が気づかないように埋もれています。
無責任な熱狂で、何かを叩き、日頃のウサを晴らすとしたら、ただの弱い者いじめを社会でおこなっているにすぎません。
いす取りゲームではなく、いすを増やすゲームをしようというひろゆき氏の考え方には共感できます。
島国発想を捨てて、もっと俯瞰して生きる
日本は、江戸時代の鎖国のように、一歩スタンスを変えれば、オリジナルなルール、ガラパゴス的な進化を勝手に楽しむ傾向があります。
外国から見た日本、世界のスタンダードとは違う考え方をしがちです。
まして、島国にいると、この違和感を得ないまま生きてこれました。
ただ、情報がボーダレスになり、一般の普通の人間が、世界のスタンダードを知ることができてくると、自分たちのスタイルが異常かもしれないと発見できます。
外国の方が日本を観光して、感想をもらえれば、何が自分たちのアイデンティティなのか、強みなのか、弱みなのかが見えてきます。
もちろん、日本人も海外に行って、知らない環境や文化に触れて、気づかされることが増えていきます。
日本国内のシェアなどという狭い世界で考えるのをやめて、世界、地球を見て、俯瞰することができれば、もっと大局的な視点で物事を考えられるようになるのかもしれません。
ひろゆき氏の提唱する「働き方の完全無双」というのは、私たちの常識を疑うことからスタートしないと何も動き出せないということがわかりました。
ぼーっと生きてんじゃねーよ、ということが大事なのだと思いますが、いかがでしょうか?
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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