人生100年時代の学び方にはアートが必要!STEAM教育を語る落合陽一の本

「現代の魔法使い」落合陽一は学びについて何を考えているのか

テレビ番組での表情や言葉、ネットでの批判への応戦、大学での研究者(准教授)でありながら企業経営者という多面の顔を持つ男、メディアアーティスト、落合陽一氏。

好き嫌いが分かれる人物ではありますが、彼の主張や生き方には未来が見えているようで、なかなか一般人では理解できない。

できるだけ平易に書いたと言い切る「学び」についてまとめた一冊の本を手に取りました。

STEAM教育とは

STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)、Art(芸術)の頭文字を合わせた教育の注目されるべきテーマだと落合氏は語ります。

どれも理系分野の切り口なので、文系出身の私には気が引けてしまう分野ばかりですが、ここにArt(芸術)が入っていることに違和感が残ります。

同時並行で読んでいる山口周氏の本にも「美意識」という芸術的観点が入っている人気本があることからも、芸術分野は無視できないテーマだと考えさせられます。

暗記じゃなくて、思考して相手とコミュニケーション(ディベートなど)ができる能力を身につけなければいけないと言われてから、だいぶ経ちました。

さらに、理系分野への理解が足りなければ、今の時代、生き残れないのも事実。

そこにアートが加わるのはなぜなのでしょうか。

アートを学ぶことで審美眼の多様性や普遍性、文脈への接続性、そして物事の複雑性を理解できるからです。日常生活やビジネスはどんどんシステム化し、巨大かつ複雑になってきています。その巨大で複雑なシステムの中からイノベーションを起こすには、観察力を養い、今あるシステムや常識を疑い、それを超えるための自分の文脈の構築や審美眼を備えた深い思考が必要になります。それが〝アートの要素〟なのです。

アートとは、芸術というフレーズに収めるのではなく、審美眼を備えた上での深い思考という点は驚かざるえません。

システム化では限界が来ているのだから、アートを加えようというのがトレンドになるというのです。

絵が上手い、美術館に通えばいい、という次元の話ではありません。

論理と直感・感覚などをクロスさせていく思考力を身につけるという意味でのアートなのです。

アートとは答えがない世界!昔、絵画教室に通っていた私が思い出したこと

落合陽一氏も子供の頃、絵画の習い事をしていたと書かれていましたが、私自身も小学生で近所の絵画教室に通っていたことを思い出します。

絵がうまくなりたいという思いもあったけど、没頭しながら、静かに学べそうな先生だったので、楽しめると思っていました。

ところが、なかなか絵がうまくならないので、辞めようと絵画の先生に相談をしました。

「上手い、下手って、誰が決めるの?絵に点数はない。納得するまで描けばいいよ」

他の習い事のように、点数化されたり級が上がるという、シンプルなわかりやすさはないことに気づかされました。

見たままに描くのもいい、思ったままに筆やペンに思いを込めて納得するまで描けばいい。

私の絵のテクニックは伸びませんでしたが、心持ちとしては物を見る目(落合氏の言葉では「審美眼」みたいなもの)は育ちました。

論理でもあり、直感でもある力を得たことで、私は、人とは違う成長をしてきたのです。

好き嫌い、善悪、敵味方などの単純な二項対立で物事を考えすぎることもなく、選択は直感を信じても外さないという自信がありました。

文系であり、芸術系でも運動系でもないのに、自分の勘を信じてこれたのは、この絵と向き合うことで掴んだ感覚なのだと、この落合の学び本を読むことで納得できました。

絵のテクニックではなく、アートへの向き合い方を身につけたとしたら、私は天才ではないけれども、独特の感性を磨いて、ここにいることに喜びを感じます。

死ぬまで学びをやめない人でいよう!

学校に通っている間、いわゆる社会人になるまでが学びであった時代は終わりました。

時代の変化が激しいのだから、答えは1つではなく、切り口として多方面から考える思考力が前提となる中で、新しいものを吸収することに貪欲であることは求められます。

今、必要なスキルや考え方なんて、10年後には何の役にも立たないかもしれないのですから。

だからこそ、満足せずに、何歳になっても学び続けていく生き方が必要なのです。

過去の実績や古い常識や情報を捨てる覚悟で、柔軟に学んでいける心構えと脳を保てる人だけが有意義に生きていけるのです。

楽な時代ではないですが、飽きない世の中を楽しもうと考えられれば充実感に満たされて過ごせることは間違いありません。

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