東野圭吾『危険なビーナス』の主人公は、獣医と弟の新婚妻だと思っていたのに

東野圭吾氏のミステリーは、いつもながら、深さを感じて楽しく読んでいます。

人物設定において、現在・過去を絡ませる巧みさ、そして登場人物同士の関係性というミステリーの鉄板は不動なだけでなく、理系の世界を盛り込むことで、読者を引き寄せることに成功しています。

今回、書き下ろしされた『危険なビーナス』を読みました。

お知らせ

毎週火曜日発行のサードプレイス・メルマガ(まぐまぐ)月額800円(税抜)

【週刊】サードプレイス・メルマガ 登録は こちら >>

オフライン・オンラインで色々な人に会って、一緒に学べる場です。
定期参加も、スポット参加も歓迎します

毎月開催【サードプレイス・ラボ】の詳細は こちら>>

大金持ちの一族はミステリーの舞台を彩る存在

今回のストーリーの中で、病院経営をされてきた矢島一族という大金持ちだったファミリーはポイントになります。

確かに、華麗なる一族として、優雅な生活をする人々というのは、一般庶民からすると別世界の人たちです。

そこに絡むのは、複雑な家族構成と人物たち。

この時点で、ミステリーの王道すぎて、ワクワクさせられる設定です。

そこに加えて、連れ子の立場の主人公、獣医の手島伯朗の微妙な背景とキャラクター。

事故か事件で、自らの母親が亡くなり、その夫(義理の父親にならず)が、亡くなりかけようとしている。

あわせて読みたいブログ記事

「サヴァン症候群」を扱うことで人物設定に奥行きと謎を残す

普通なら、莫大な隠し資産の存在となるだろうに、東野圭吾氏は、映画『レインマン 』にも出てきた設定の「サヴァン症候群」を差し込んできました。(私の好きなドラマ「相棒」でも2度ほど、「サヴァン症候群」の人物をストリーリーに盛り込んでいます。)

created by Rinker
¥7,405 (2024/11/10 01:28:22時点 Amazon調べ-詳細)

「サヴァン症候群」とは、知的障害や発達障害等のある者の内、ごく特定分野に限って優れた能力を発揮する者の症状を指します。

主人公、伯朗の画家だった父親が、脳腫瘍になり、「後天性サヴァン症候群」によって幾何学的な絵を描くようになる。

謎が謎を呼び、その治療に、矢島一族の人物が関わる。

自閉症スペクトラムであるとか、ADHDなど、今、世の中で増えていると言われる疾患の流れに含まれる「サヴァン症候群」を盛り込むことで、ある分野に天才的な能力を発揮することが幸せなのか、というサブテーマも見てくる内容でした。

created by Rinker
講談社
¥1,389 (2024/11/10 01:28:23時点 Amazon調べ-詳細)

なぜタイトルが『危険なビーナス』だったのか(ネタバレなし)

その本を読むかどうかの判断は、著者とタイトルがきっかけになります。

危険なビーナス』というタイトルですから、謎めいた女性がキーマンだと想像できます。

突飛な人間関係から主人公のパートナーの女性しかありえない。

どうも、この人物が怪しいというか、不思議な存在であることは間違いない。

ラスト直前に、そういうことだったのかと気付かされます。

なるほど、ミステリーの人物設定と背景をしっかりと組み立てられているから、腹落ちするラストに向かうのだから、東野圭吾氏は、素晴らしい作家だしか言いようがありません。

止まることなく、どんどん先が読みたくなるので、集中して読み切れてしまうので、ミステリー好き以外の方、最近、本を読んでいない方にもオススメできます。

本でなくても、映像作品(ドラマ、映画、DVD)としても展開されているので、どれかは見たことありますよね?

東野圭吾さんのオススメのミステリー

created by Rinker
講談社
¥814 (2024/11/10 01:28:23時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥869 (2024/11/09 06:50:37時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
文藝春秋
¥902 (2024/11/10 01:28:24時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥641 (2024/11/10 01:28:26時点 Amazon調べ-詳細)

毎月開催【サードプレイス・ラボ】

サードプレイス・ラボでは定期的にイベントを開催しております。

★イベント情報★は >>こちら(随時更新)

ご都合が合えば、是非、ご参加いただけると嬉しいです。

関連ブログ記事

[各種SNS]サードプレイス・ラボ

サードプレイス・ラボは各種SNSで情報発信をしております。

是非、フォローやコメント、グループへの参加をお待ちしております。

[週刊]サードプレイス・メルマガ

仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ

「まぐまぐ」毎週火曜日発行 月額:800円(税別)※初月無料です!

私を含めた3人で執筆している週刊メルマガです。

メルマガの詳細は こちら をご一読ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

【サードプレイス】ブログへのご意見・ご要望・ご相談、ご依頼などは下記まで

 お問い合わせはこちら

投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。